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『エルア、無事?』
自分の中にいるエルアに声をかける。
『私は大丈夫です、でも暁様が・・・。』
エルアの声が怒りと言うか、悲しみで震えている。
うん、分かるよ。
理不尽だもんね。
でも、何もしなくていいからね、今は、状況を見守る時だと思うから。
そう心の中のエルアに言ったら、二重腐れた気配がした。
それにしても・・・。私は、本当、何だろ?
時代劇で見た罪人のように左右から腕を持ち上げられ、頭を下げらされている。
若干って言うか、納得できない格好ではある。
いたいけな乙女の身体に若返った私だとしても、痛いもんは痛い。
腕輪が、左右に分かれた事実にびっくりしたけど、無理矢理とらされている姿勢ってのは、打ちつけた胸にも更に響くわけで・・・。
でもって、私の正面、ちょっと上の位置に居られるドラゴンの王様とやらは、さっきから訳わからんことをギャーギャー言ってて、私的には、意味が分からないからちょい無視してたんだけど、したら、鞭が飛んできましたよ。
テレビでしか見たことのない光景を実際に受けている自分。
笑えない。
鞭って痛いんだ。
これ以上叩かれると皮膚が裂けるな。
「だから、私は、黒の魔法使いのことは知りません。顔も合わせたことはありません。力を奪うなんてことしてません。」
今日は声が出る。だから、正直にそう言うと、
「では何故、そなたから発せられている魔力が黒の魔法使いと同じなのだ。」
と返してくる。
だから、
「知りません。」
と答える。
こっちはさ、正直に知らんって言ってるのにさ、この扱い。
捕虜に対する人権ってのは無いのか。
私の回答ってば、ふざけていると思われたようで、王様は匙を投げた。
で、私の処遇は、ドラゴンのお姫様が決定することになった。
まったく、それこそふざけてる。
人権愛護団体に訴えたい。
あの後、傷付いた身体をもといた岩牢に戻された。
お腹減ったな・・・捕虜にしても、奴隷にしても餌ぐらい与えて欲しいもんだ。
このままじゃ、若い身体になったとは言え、肌が荒れる。
くそーっ!!
岩牢はどっちかと言えば、湿気があるから肌には良さそうだが、如何せんカビくさい・・・。
この年齢で、肌をボロボロにしたとして、向こうの世界に帰れたとしたら、アラフォーの私ってば最低最悪なお肌事情になってない?
もんもんと考え込んでいた私は、私の中に入るエルアが呆れていることに気付いていなかった。
つづく




