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「えっ!本当っ!!」

思わず、声が上ずってしまった。


『はい、暁様が、この世界に来られたのは、ある尊き方の花嫁になるためです。』


「・・・・。」

はい、終了。

「それって、猫のりう?」

『ネコ・・・ですか?ネコとは、どういう・・・。』

あれ?

黙ってしまう私とエルア。

「・・・りうのことは?分かる?」

『りう?ですか・・・?』

美形の首かしげって力抜ける。

「あー、もう、いい。じゃあ、その尊き方ってのは、誰?」

エルアを見る。

『この世界を危機的状況から守った勇者のお一人です。』


勇者ねぇ・・・それがりうだとしたら・・・。

長靴を履いた猫みたいな?

幼い頃に見た東映漫画祭りのペロを思い出した。

大好きだったなぁ・・・。

って、頭に浮かんだ剣を構えた猫の姿を打ち消した。

「名前は?」

『私は、その方から名を告げる許可を頂いておりません。』

「へっ?」

エルアは、自分の胸に手を当てて静かに目を閉じてしまった。

『私は、その方の意志により作られた精霊。けれど、私をこの世に誕生させてくださったのは、暁様です。貴方の声と私を慈しんでくださった心が私をこの世に誕生させた。ですから、私は、私の核を作ってくださったあの方のことを知っていても会ったこともなく、お名前も存じておりません。』

にっこりと笑う。

エルアは、私の作ったアロマから生まれたんだと言うことは分かる。

だって、あの鞄が消えたと思ったら、エルアが現れたんだもん。

エルアを作ったのが、猫のりう?

けど、猫にこの世界が救える?

あの愛らしい子に???

っていうか、そんなに凄い人が“りう”なんだったら、この世界に私を連れてきた“りう”が何故この状況の私を放置してるのか。

助けに来いっつーの!!

「その勇者さんの花嫁以外に私に与えられた役目ってのは、ないのね?」

エルアが綺麗な顔に笑みを浮かべたまま首をかしげた。

『分かりません。』

がっくりと項垂れる。

『暁様は、ご自身にどのような役目があるとお思いで?』


エルアの問いに今度は私が首をかしげていた。


つづく

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