時刻は午後八時。
若干自分と主人公のキャラかぶりw
いや、でも主人公は一応私よりずっと可愛い設定で!
もう携帯と見つめあって何分経つだろう。
携帯の時間表示がまた動くのを見て、私は深くため息を落とした。
今何やってるのかな。やっぱり勉強かな。それとも、仲の良い友達と集まって、どんちゃん騒ぎ?先輩の事だから、真面目に勉強してるのかもな……。
ひとしきり先輩の事を想像して、少し苦笑い。これじゃあ何だかストーカーみたい。
私はそろそろ疲れてきた目を休めるために携帯を机に置いた。
時刻は午後八時。私の就寝時間まで、あと四時間ちょい。
「お風呂に30分、勉強に3時間……」
寝るまでの予定を呟いてから、私はうーんと伸びをした。
柔らかいワンピースに包まれた身体が軋むのがわかる。今日はずっと机に向かってたからなぁ。
「……お風呂の間に、返信来るよね」
って、いけないいけない。常に先輩思考とか、どんだけストーカー体質よ……。
「お母さん、お風呂先に入っちゃうね」
階下に居る母に声をかけ、私はお風呂へ向かった。
○○○○○
先輩と私の出会いは、入学式だった。
強豪野球部のエースである、長身で爽やかな彼は、はじめからキラキラと輝いていた。
「一年生?」
だから彼が私に声をかけた時にはもう既に、私は恋に落ちていたのだと思う。
人柄が溢れている、その柔らかくて癒される穏やかな微笑み。
高飛車でプライドが高く、とっつきにくいと言われていた私に初めて向けられた敵意の無い笑顔に、私は戸惑った。
「は、はいっ……一年生、です」
裏返りまくった声に赤面する私を笑うでもなく、先輩は優しくエスコートしてくれた。
「だったら、第二体育館に行かなきゃだよ。ここ広くて分かりづらいよね」
正直、迷子になっていた私にはとてもありがたかった。やっとの事でお礼を言い、その日は別れた。
○○○○○
……それから必死に努力をして、彼に認識されるようになって早三ヶ月。
ファンクラブまであると噂の彼のメアドもめでたくゲットしたは良いものの、進展しない関係に、私は深く思い悩んでいた。
……私はお気楽な16歳。彼は受験を控えた18歳。
メールするのも迷惑じゃないかとか、ウザいんじゃないかとか、どうしたって考えてしまう。
濡れた髪の毛を乾かしながら、結局私は彼の事を想う。
諦め半分で、手を伸ばした携帯の画面に表示された『Eメール一通』のマーク。
待ち焦がれた彼からの返信。
一旦ドライヤーを切って、鏡の私と目を合わせる。意思の強い大きな瞳、挑戦的な表情。気合を入れて頷くと、震える手でメールを開いた。
何て事のない、四文字の一言。
「俺もだよ」
私の送った七文字の約半分だけど、それがお互いの精一杯。
溢れる涙を堪えきれずに、ついにそこにしゃがみこんだ。
「先輩が好きです」
終盤急展開ですねー。
勉強の間の二十分で書くとこうなる(;´Д`A
今度は完成度高く!いきます!
「私」と「先輩」の事も(いつかw)長編で書きたいと思います!