表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
100万回死んでも生き返りますが、何か?  作者: らぐな。
超特別編「コラボしまくりですが、何か?」
91/123

聖戦の終焉


これがコラボ章最終話!


長いよ!うん!


「な、何だ!?」


一撃で左手が斬り落とされるなんて、何だよ今の攻撃は!?


「幾ら身体がでかいとは言え、造りは人間と同じね。手首部分はそれ程堅くない。」


剣の刀身を眺め、刃零(はこぼ)れがないか確かめる、一人の少女。


「…でも、この程度で終わるはずもない、か。」


見ると、既に左手が再生を始めていた。


「流石『思念集合体』ね…肉体、いや『器』は不死に近いのね。」


「は?あんた何言ってんだ?あれはどう考えても肉体だろ!」


凛音がそう食いつくと、少女は剣を凛音に突き付け、冷たく言い放った。


「あれより先に死にたくないなら言葉には気を付ける事ね。私は貴女の味方なんかじゃないわよ?それに、私にはちゃんと名前があるの。千堂刃奈(せんどう じんな)という立派な名前がね。」


「…あぁそう、名前の件に関しては謝ろうか。だがな、いきなり出てきて上から目線はないだろ?」


すると、刃奈は凛音を睨み、売り言葉に買い言葉でこう返す。


「少なくとも私は今の貴女より強いという自信はある。だから上から目線くらい我慢しなさい。」


「…へぇ。強けりゃ何やってもいいって訳か。なら、あんたより強いって事を示せりゃいいんだな。」


「まぁ、そうなるわね。」


この状況、この話の間に凛音はある事をしていた。


「OK…状況は理解した。刃奈…だっけ?『死ぬなよ』。」


「は?いきなり何言って―」


刃奈がそう言い終わらない内に、凛音は行動に出た。




いや、賭けに出た。






「アルテマ」






世界が、純白に染まった。






「あんたいきなり何やってんのよ!?あと少し早かったら死んでたわよ、私!」


「…そのくらい…しないと…奴は…倒せない…」


全ての魔法と呼ばれるカテゴリの中で最高とされる古代の究極魔法、アルテマ。


修得には魔法の真髄を理解していないといけないとされる魔法。


だが圧倒的な破壊力に引き換え、魔力を異常なまでに消費する。


そう、それは…


「ついさっき…魔力を補充したのに…このザマかよ…」


魔力切れ、それを示していた。


「あんた…まさか…!」


「やっと気付いたか…刃奈、あんたにわざと喧嘩を売って隙を見せながら俺は奴の動きを見ていた…奴が警戒を解き、攻撃に移ろうとするその瞬間、奴には最大の隙が出来る。その結果が…あれだ。」


相手の身体は黒焦げになっている。

直撃した証拠だ。


「だが…奴を倒すには至らなかったようだ…。見ろ、もう再生を始めてやがる。」


見れば、その黒焦げの身体がまるで脱皮するかのように元に戻っていく。


「…確かに、まだ終わりじゃないみたいね。まぁ、貴女が強いというのは解ったから、そこで休んでて。後は私がやるわ。」


「え?」


「折角、貴女が追い詰めてくれたんだから、少しくらい頑張らないとね。」


そう言い切った瞬間、刃奈の姿が消える。






間髪入れずに、巨人の両手が輪切りにされる。


「私、料理は出来るのよ?」


しかし、両手はすぐさま再生する。


「うーん、蜥蜴みたいで嫌ね。ちょっと試してみようかしら。」


輪切りが駄目なら、微塵(みじん)切り。


剣の振るう速度を上げるのではない。


『斬撃の回数』を増やせばいい。


「微塵斬りにしてやるわ。」


両手だった欠片が、空を舞う。


「これで少しは上手く…行かないわね。」


再生する腕を見て、刃奈は溜め息をついて一言。




「うん、無理ね」




「はぁっ!?」


さっきまで自信満々な口振りだったはずなのに、もうお手上げなのか!?と凛音は驚愕した。


「まさに無理難題。斬り刻んでも駄目、全体攻撃も駄目となれば、火力を上げるしかない。でも貴女は体力が限界に近い。なら、一旦名誉の撤退をして体力を回復すべきね。」


「だが、放っておいたら奴は幻想郷を破壊する!少しでも奴を引き付けて、レナが来るまでなんとか…!!」


確かに刃奈の言う通りにすれば、反撃の手立てが見えるかもしれない。


だが奴はその間にも幻想郷を破壊しかねない。

凛音は先程の戦いでそう確信していた。


「そうね…それも問題ね。なら、誰かが活路を開くしかないわね。」


刃奈が剣を構える。


「行きなさい。」


「まさか、あんたがやり合うって言うのか!?」


「いい加減名前で呼んでよ。ええ、その通り。決定打を与えられないなら、相手にも決定打を与えさせないようにすればいい。

泥仕合に持ち込めば、時間は稼げるわ。その間に撤退しなさい。」


「待て…!死ぬなよ…!後、俺は凛音だ、刃奈、名前を呼んで欲しいなら俺の名前を覚えてくれや!」


「…解ったわ、凛音。行きなさい!」


「おう!」



凛音は踵を返し、後退を始めた。


「さぁて…生まれつきのスピード狂ならぬ戦闘狂の戦い、見せてあげようかしら。」


刃奈は相手をきっと見て、戦闘を始めようとした、その時。






巨人の顔が、爆発した。













「狙い通り!」


巨人の顔にロケットランチャーを直撃させたのは、猫耳レミリアだった!


「こっちに気づいた!来るわ!」


「上は頼むぞ!多少荒い運転になるが、掴まっててくれ!」


猫耳レミリアは光の運転するトラックの上に立ち、相手の出方を(うかが)っている。


「蓮也、武器をありったけ用意して!トラックに積んでた武器だけじゃ足りないわ!」


「解った!」


否定的幻想実現により、トラックに武器が独りでに積まれる。


「無理はすんなよ、猫耳!いざとなったらオレが速さを遅らせる!」


「猫耳って…まぁいいわ、ありがとう、トシキ!…来た!!」


巨人は此方の存在を完全に捉え、防衛策を張る。


大量の岩石によるこちらへの妨害。


「これくらいならどうにかなるのよ!舐めるな!!」


ロケットランチャーを発射後、すかさず両腕にガトリングガンを装備、岩石に向かって乱射!!


岩石は爆砕、破砕を繰り返す!


「細かいのは狙ってる暇ないわ!私は大物を撃つ!蓮也とトシキは細かいのを頼むわ!」


「任せろ!否定的幻想実現…!!」


蓮也はこの状況での最も最善の手段を取る。


「ATフィールド!!」


トラックの上部を守る、橙の盾!


「これなら少しは大物が来ても耐えられる!光、頼むぞ!」


「オッケー、飛ばすぞ!!」


トラックは加速し、ぐんぐんとスピードを上げていく。


「って、こりゃかわせねぇぞ!!」


目前(フロント)に見えた、地面を勢いよく転がっていく岩。


「オレの出番だな!」


瞬間、岩だけがまるでスロー再生したかのように動きが遅くなる。


「現人神なめんなよ、と!」


トシキの能力が発揮し、岩の速さだけが0に限りなく近づいたのだ。


「これなら楽々かわせる!ありがとう、トシキ!」


「奴さんにまだ攻撃出来ていないんだぜ?礼なら後で構わない!」


「蓮也、そろそろ盾は引っ込めてくれ!細かい傷なら後で直せばいいから気にしないでくれ!猫耳レミリア、蓮也が盾を消した瞬間にロケットランチャーをもう一発頼む!」


「解ったわ!」


盾と言ってもその先が何も見えない訳ではない、その先にうっすらと見える巨人に照準を合わせる猫耳レミリア!


「一回言ってみたかったのよね!猫耳レミリア()、目標を狙い撃つ!!」


盾が消えたと同時に、砲身から火が噴く!!


銃弾はまっすぐに巨人に向かい…


直撃!!


「あんな爆発じゃあれは倒せない、なら…!!」


猫耳レミリアはある案をトシキに話す。


「…そりゃ名案だ!乗ったぜ、その案!」


「行くわ!もう一発、いっけぇぇぇぇぇ!!!」


もう一度砲身が火を噴き、銃弾が巨人に向かう!


「早まれ…!!」


なんと銃弾が急加速する!


「これで少しは火力が上がるわ!」


先程より大きな爆発が、巨人の身体に炸裂!


「光、後どれくらいであれに接触出来るの!?」


「今時速90kmで奴に接近している!残り…20秒ってとこか!?」


つまりあれとの距離は約500mとなる。


「皆、降りる準備をして!ここからは奴に張り付いての戦いになるわ!」


「了解だ!」


何時でも飛び降りれるように、運転手の光以外の全員が用意する。



あれとの本格的な戦い…後にこの世界では『歴史に刻まれない聖戦』となる、大きな戦いが幕を開ける。


今まではあくまで「予告編」…今からは「本編」である。


「OK、飛び降りてくれ!!」


「行こう!」


私達はトラックから飛び降り、巨人に張り付いた。






-刃奈視点-


あの爆発…凛音のものではなさそうね。


なら、援軍ということで考えて良いのかしら?


でも、これは私の戦い…私はこの戦いで援軍に力を借りる事なんて一切しない。


私一人であれを倒せるとは思わないけれど、でも馴れ合いなんてしない。


…私は私のやり方でケリをつけるわ。


「さぁ、かかってきなさい…負の思念の塊。私はただの狂人だから、ちょっとのことじゃ驚かないわよ!」


私は私なりの戦いを始めた。







-???視点-


あの者は…自分だけで戦おうとしているのか?


「みたいですね。それはそれで構わないと思います。あれは一人でどうにか出来ないのは彼女も解っているはず。それを知った上でも彼女は一人で戦う選択をした…余程の理由があるんでしょう。」


しかし、あれでは勝てぬ…負ける為の戦いをわざわざしているようなものだ。彼女…死ぬかもしれないんだぞ?


「死にはしませんよ。…ヒーローは遅れてやってくる。」


む?どういう事だ?


「見てのお楽しみですよ。…人の可能性を、舐めてはいけない。」








-現在の状況-


*刃奈、思念集合体と戦闘中。


*凛音、回復の為撤退。


*光、猫耳レミリア、蓮也、トシキの4名、思念集合体に接触。


*レナは…?







-レナ視点-


「レナ、あれは何なの?」


隙間の中を走りながら、零奈が聞いてきた。


「化け物…としか言えないな。幾ら攻撃しても身体が再生する。まるで俺だよ、あの化け物は。」


「いいえ、あれは貴方じゃないわ、レナ。」


紫が言う。


「幻想郷の住人の能力は、他人には完全に真似出来ないわ。これは変わる事がない絶対真理よ。

つまりあの化け物は何かしらの手段で再生しているだけ…能力ではない、ならトリックは確実にある。そのトリックさえ解れば、再生を止める事が出来るかもしれない。」


「トリックか…しかし、どうやって見破るんだ?戦いの中で見極めるのはかなり困難に近い。」


「だから私が居るのよ。レナ、貴方は零奈と一緒にあれをどうにかしてこの場に留めておいて。あれの魔力解析を行うわ。」


「魔力解析?」


「傷を再生する以上、何かしらの力が必要になるはず。その力がどんなものか調べて、力が何処から来ているか調べるの。後はそこを集中攻撃すれば、きっと再生は出来なくなる。」


「…時間はどれくらいかかる?」


紫は「そうね…」と手を顎にやり、思考を巡らせているようだ。


少し間が空き、紫は口を開いた。


「まず一回あれに再生をさせなきゃいけない。それも腕一本再生するレベルで。そこまでに3分かかると仮定して…ざっと10分。それより早くは出来ないわ。

それにもう一つ問題がある。

…私は魔力解析をしている間、完全に無防備になるわ。つまり解析が終わるまで、私を守ってくれる人が必要になるわ。」


「…そうか。10分稼げば、活路は見えるんだな?」


「ええ。」


勝利の為の10分。


その間に紫を守れるかが最大の鍵になる。



俺達は奴を討つ為に隙間から外に飛び出た。







-out side-


巨人に攻撃を仕掛ける刃奈。


一振りで相手の両腕を切断、さらに攻め立てようとするが、その前に腕が再生し決定打を与えられずにいた。


『小さき民よ、我を斬ろうとしても無駄だ。我らは「思念」…負の思念の力は、無限なり。』


「あぁそう!だけどね、『人間の可能性』を舐めて貰っちゃ困るのよね!!」


刃奈は再度攻撃を始める!


「ちょっと待ったぁ!!」


その声が聞こえると同時に、巨人の腹が歪む!


「なっ…!?パイプ!?」


巨人に刺さるパイプを見て、余りのもシュールさに唖然とする刃奈。




「俺、参上!!」


とカッコつける青年が1名。

そう、蓮也である!


「なんか何処かで見たような顔ね…しかも、初対面なのに何故か親近感が湧くわ…って、危ない!!」


カッコつけた行為に怒りを覚えたのか、巨人は掌から光線を蓮也に向かって放つ。


「大ピンチ!?…って言うと思ったか?否定的幻想実現!!」


蓮也は自身を金属のドームで囲う。


「そんな壁じゃ、奴の攻撃は防げないわ!」


その刃奈の言葉の通りドームは赤熱し、ドロドロと熔け始める。


が、ドームの中には誰も居なかった!!


「ドームの中に、誰も居ませんよ?恐怖の力、見せてやんよ!魔砲『ディバインバスター』!!」




ゴウッ!!!




「ぼさっとしないで、援護を頼む!」


「え!?あ、解った!」


胸の部分がぽっかり穴が開いているが、再生はまだ出来るようだ、少しずつ穴が小さくなっていく。


そして成り行きで蓮也の援護をすることになった刃奈。


「…仕方ないわね、私も本気を出そうかしら!生符『輪廻転生の導き』!」


円形状の白い弾が、巨人に襲い掛かる!!


「おお、押してる!」


巨人の身体が少しぐらつく。


『…我等は負けぬ、負の力があるかぎり、我等は消えぬ!』


「まだよ!」


ぐらつきはしても倒れはしない巨人の身体。


「火力が足りないって事か…!」


『小さき民よ…我等の怒りを感じよ。暗黒「"救いあれ"と愚者は云った」』


両腕が二人に迫る。


「先駆けは反則だぜ?」




両腕の動きが、止まる!




「何…!?腕が止まった!?」


「おいおい蓮也、ゆかりんと言う嫁が居ながら浮気か?二股はいけないぜ。」


遅れて現れた、援軍!


「トシキ!」


「早く安全な所に逃げな。奴さん、無理矢理動かそうとしてやがる。」


蓮也と刃奈が腕から離れた事を確認し、トシキは能力を解除した。


すかさず巨人は反撃として岩を召喚する。


「やらせるかよ。瞬弾『ハイスピードブレット』」


トシキが軽く腕を振ったかと思うと、岩は砕ける。


「今…何が起きたの?」


事態が飲み込めない刃奈に、蓮也は説明する。


「トシキの能力は『速度を操る程度の能力』なんだ。あらゆる物体の速度を操れる。今のは弾の発射速度を上げた結果さ。あんな攻撃、トシキにとっちゃ止まって見える。…いや、本当に止めていたりするんだが。」


やがて岩の生成速度より弾の速度の方が早まり、巨人に着弾し始める。


「弾の当たりが浅いな…蓮也、ボケッとするな。援軍が来たんだから戦うぞ。」


「そういやトシキ、光と猫耳レミリアは?」


「途中で凛音って言う人に会って、彼女を治療してるんだよ。後で来る、心配すんな。」


「…解った。やるか!」


トシキと蓮也、二人が手を組んだ時…




向かう所敵無し。




が、味方はまだまだ居た!


「待ちなさい、私も戦うわ。二人より三人の方が戦えるはずよ。」


間に立つ刃奈!


「それもそうだ!俺は蓮也だ!」


「私は刃奈よ。蓮也、トシキ、行きましょう!」


「おう!!」






「おぅわぁぁぁぁぁ!!!!」






「!?」


空から落ちてきた、一人の男。


そして男は…






ゴツーン!!






『痛いわ!なんでワイがこんな痛い思いせなあかんねん!』


巨人の頭にぶつかった。



「あいてて…ったく、紫の奴、空から落とさなくていいだろ…ん?」


青年はよく見た顔を見た。


「おお、蓮也じゃん!」


「レナ…お前、怪我してたんじゃ…」


「あぁ、色々あって治った!それより心の友よ、頼みがある!」


「なんだ、魂の友よ!」


「紫が奴の弱点を見つけるらしい、10分時間を稼いではくれないか!奴の腕をぶっ飛ばすくらいの一撃をかましつつ、10分稼いでくれ!」


「あぁ、それくらいならば出来る!なぁ友よ!」


「最早誰が誰だか解らないぞ…因みにオレ、トシキです。」


心の友→蓮也

魂の友→レナ

友→トシキ


である、念のため。


「10分か…最初の1分は俺が稼ぐ!『速度世界(スピードワールド)』!!」


トシキが何かを発動したが、見たところ何も変化がない。


『はったりか?暗黒「原罪の十字架」』


相手は攻撃をしようとした…




だが。




攻撃は発動される事はなかった。


「『速度世界』…お前の速さはオレのものだ。」


相手は身動きがとれず、ただ突っ立っているだけの格好だ。


「この世界だけでなら言える…オレが、神だ。」


トシキの姿が消える。


そして巨人のありとあらゆる部分に殴打が加えられる。


「神力込めてこれかよ…だが、時間はきっちりかっちり稼がせてもらうぞ!」


この時点で既にトシキの動きは殆ど見えないのだが、さらに動きが早くなり、殴打の回数が跳ね上がる。


「おらおらおらおらぁ!!」


さらに殴る速度が上がり、相手は攻撃を受け続けるしかない!


「ラストぉ!!」


顔を蹴飛ばし、トシキが戻ってきた!


「はぁ…はぁ…蓮也…後は頼む…」




「ああ!任せろトシキ!」


続いて前に出たのは蓮也!


「最初からクライマックスだ!吹雪『ノースブリザード』!!」


猛吹雪が吹き荒び、巨人が凍り付く!


「砕けろぉ!!メタル・オブ・ガードナー!!」


なんと銀色の筋肉質の男性のようなものが現れる!


「無駄無駄無駄無駄無駄ぁ!!!!」


凍り付いた身体は、本来よりかなり脆くなる。


それは巨人にも言える事で、蓮也はスタンド「メタル・オブ・ガードナー」の力を使い、氷ごと巨人の右腕を砕いた!


「まだ片腕残ってるよな!迅雷『駆け抜ける衝撃』ぃ!!」


今度は蓮也の攻撃、雷撃が左腕を砕く!


「終いだ!!螺旋『超電磁ゲッタードリルブレイク』!!」


ドリルは巨人の胸を貫く!


「ちぃっ、まだ終わらないのか!」


再生を始める身体を見て、蓮也は顔を歪ませる。




「見えた!皆、奴の弱点が見えたわ!」


吉報が入る!


「早っ!10分どころか5分も経ってないよ、ゆかりん!」


「藍も協力してくれたのよ!それよりも、奴の力は頭と胸に集中しているわ!同時に攻撃しないと再生するというオプション付きよ!」


「俺達、さっきから頭と胸ばっかり攻撃してるぞ!?」


「コンマ0.1秒でもずれたらダメ…ぴったり合わせないと!」


「なら俺に任せろ!速度さえ操れば、同時に当てるくらいなんて事はない!」


トシキが二発の弾を同時に発射!


確かに弾は相手の頭と胸に当たったが…!!


「そんな弾で終わるなら安いものよ…!」


「なら私が!」


刃奈は剣を振るい、かまいたちのような飛ぶ刃を放つ!


だが、相手はびくともしない。


「何…!?さっきより堅くなってない!?」


『同じ攻撃では、我らは倒せぬ。我らは思念…考えるという知識を持ち合わせている。』


「二点を同時に貫いて、尚且つ火力がある攻撃をしなきゃいけない…早めにけりを付けないと、此方が不利になるばかりよ!」


「それなら任せなさい。」


「!!」


ついに、凛音、光、猫耳レミリアが現れた!


「とりあえず、凛音を治療している間に戦いは見させて貰ったわ。要は二点を同時に貫くような最大攻撃を仕掛ければ良いのね?」


「あ、ああ…だが猫耳レミリア、どうやるんだ?それが解れば文句は言わないぞ。」


「戦略なら私に任せなさい、レナ。『(くさび)』よ。楔を打ち込んでおいて、それを全力で叩くのよ。

まず私と蓮也がグングニルで奴の頭と胸に突き刺す。それを、トシキとレナで叩く。トシキはスピードを早めて一つの楔を殴り、レナはシューティングドライバーでもう一つを殴る。そうすれば絶大な力で楔は奴の身体に突き刺さり…」


「身体は砕ける!」


「そうよ、トシキ。凛音は奴の撹乱を。あと、そこの…」


「刃奈よ。」


「刃奈ね。刃奈は凛音をサポートして。応急処置だから、無理は出来ないのよ。」


「待ってくれ、俺は?」


光が突っ込む。


「光、さっきトラックから散弾ミサイルを出してたわよね?あれで奴の装甲を削って。一瞬だけでも奴の表面に傷が付けば、砕けやすくなるから。」


「あいよ!」


つまり、策とはこうだ。


まず光が散弾型ミサイルで相手の装甲を削り、そこに蓮也と猫耳レミリアがグングニルで撃ちこむ。

それをレナとトシキが殴り、釘打ちの原理で相手の身体を砕くという作戦。


「解った?早速仕掛けるわ!気付かれない内に仕留めるのよ!」


「オッケー!まずは俺からだな!!」


光がバズーカを構える!


「自作のとっておき散弾ミサイル、喰らいやがれ!!」


ミサイルは弧を描き、相手に着弾して小さな爆発を起こす!


「行くわよ、蓮也!」


「ああ!」


二人が同時に槍を投げる体勢をとる!!


「羨望『レイピア・ザ・グングニル』!!」

「神器『パイプ・ザ・グングニル』!!」


二本の槍は、これからの布石となるべく相手に突き刺さる!!


「再生なんかさせるか!レディアントソード!!」


「出し惜しみはしないわ!聖炎『不死鳥の羽ばたき』!!」


緋色の剣が巨人の行動を阻むように迫り、その後ろから爆炎が!!


「止めだ!瞬足『韋駄天走り』!!」


「砲打『シューティングドライバー』!!」






二つの流れ星が、釘を殴り付け…!!














『ぐ、ぐぬぬぬぬ…!!こ、此処までやるとは…!!』


『我らに致命傷を与えるとは、貴様ら…!!』


『お、覚えていろよ…!次こそは必ずや叩きつぶして…!!』


身体全体がひび割れて行き、思念の器は壊れて行く。







『忘れるな!我らは闇!我らは何時でも貴様らを見ているぞぉぉぉぉ!!!!!』








その声が最後だった、器は砕け散り、今度こそ終わった。








そして、影の救世主達も、同時に消えた。








「…皆?」


「この世界でやることを全て終わらせた者達は、元の世界に戻るのが理っす。皆、帰ったんですよ。」


「そうか…終わったんだな。」


毛玉を横に、レナは空を見上げる。







「何処に行っても、心は繋がっている…そうだろ、皆?」







空が、頷いたような気がした。








完。


次回より風神録突入!



の前に、お知らせをはさみます。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ