【凛音編】その5『殴り合い』
凛音編最終話!
ユニーク22000突破!
‐レナ視点‐
ちくしょう、相手は中々骨があるな。
左腕が吹っ飛んだとか、このままでは勝てる気も起きない。
「『翼を求めし者』…!!」
右肩に魔力を開放し、ある事を行う。
「戻ってこい、俺の腕!」
左腕が、戻ってきた。
「我ながらびっくりする能力だな…不死身でよかったわ…」
が、両腕が手に入った以上、やるのは奴の撃破。
「行くか!」
俺は凛音を探しに行った。
‐凛音視点‐
「っ!!」
後ろからの玲奈の強襲に、俺は思わず防御しか取れなかった。
「やるね!まさか受け止められるなんて思いもしなかったぜ。」
俺はマナの剣で玲奈の拳を受け止めているのだが、さっきと比べて明らかに相手の力が上がっている。
何だ…?相手は何をした?
「にゃろっ!!」
俺は渾身の力を込めて奴の身体を押し返す。
が、押し返したかと思った瞬間、奴の姿が消える。
「ぐっ!」
背中に走る鈍痛。何処から来た!?
「くっ、奴の姿が見えない…!」
奴の姿が、まるで消えたかのように見えない。
いや…見えているのだが、僅かしか見えていない。
瞬間移動、それもかなり高度の。
「迷うな、俺…こう言う時は…!」
目を閉じ、精神統一を図る。
視覚を遮断して、奴の居場所を感じる。
「そこだっ!!」
左前、剣を直感的に振るう!
剣の先に何かが当たった感触がした、確実に斬れている。
が、勝負を決めるまでのダメージは与えられていない、決めないとまずい!
「こっちも本気を出させて貰う…!」
奴の速さに対抗するためには、こちらも速度を上げなくては…!
「トランザム!!」
これで奴の動きに反応できる、こちらも攻めに転じる!
常人には視認が非常に難しい戦い。
一瞬火花が走ったかと思うと、次の瞬間には消えている。
また別の場所で火花が走り、また別の場所で…の繰り返し。
だが、お互いにダメージは確実に蓄積して居た。
「にゃろっ!!」
打撲、擦過傷…生傷も増えるばかり。
「そろそろ終いだ!!」
同時に最大の攻撃をかける!!
「砲打『シューティングドライバー』!!」
「もう一発かましてやるよ!ワールドデストロイヤー!!」
が、お互いを倒すには至らず、二人ともまだ耐えていた。
「まだかっ!!」
同時に動いた二人、もはや拳と拳の打ち合いになっていた。
誰もが泥沼の戦いになると思った、その時。
事態は急展開する。
「凛音、レナ!!今すぐ戦いを止めて!!」
かなり焦った様子で現れた、紫。
「このままじゃ凛音、貴女は元の世界に帰れなくなるかも知れないわ!」
その声を聞いて、凛音は即座に手を止めた。
「どういう…事だよ?」
その質問に、紫は何も言わずある一点を指差した。
凛音、そして異変に気付いたレナは、紫が指差した方を見る。
空に入った、一筋のヒビ。
そのヒビは、少しずつだが大きくなっていく。
「…およそ3週間くらい前から、空に小さな空間の歪みが出来ていたの。私はそれを観察していたんだけど…いきなり歪みが消えたかと思ったら、空にヒビが入り始めて…あのヒビの向こうから、恐ろしい気配を感じる…」
「!!ヒビが!!」
凛音が見た先で、ヒビが大きくなり、ついに砕けた。
砕けた先には、灰色の空間が見えている。
その奥から少しずつ這い出した、異形。
「…!!」
この場に居た三人全員が恐怖を覚えた「それ」は、高らかに吠えた。
「ぐぉぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
次回予告!
コラボ章衝撃のラスト!!
まさかの展開が待っている!
というわけで次回
「歴史に刻まれない聖戦」
お楽しみに!!