【猫耳レミリア編】その7『Ceremony』
というわけで最終回だ!
というわけで私、猫耳レミリアはレミリアお嬢様と結婚する事となりましたぁー☆
つ、つまり私は永遠にお嬢様と一緒…
あ、あんなことやこんなことも…
ゴクリ。
ど…どうしよう?
このまま行ける所まで逝っちゃおう、あ、行っちゃおうか?
「行こう!天国の向こう側へ!」
ふふふ…忠誠心は鼻から出るなんて言ってた咲夜っぽい人間(咲夜じゃないよね、あれは)も居たけど…
愛情は身体中から出るのです!
「おーじょーさまっ!」
私はがばっとお嫁さんとなったお嬢様に抱き着く。
「うわっ!どうしてそんなにくっつきたがるのよ!?」
「だって、可愛いんですもの☆可愛いものを愛でない理由が、何処にあるんですか?」
「か、可愛い!?」
ポシュと、顔を真っ赤にするお嬢様。
これぞ真の深紅の悪魔!…なんてね。
「ところで、結婚式は何時になるんですか?」
「そうねぇ…色々手配してるし、きっと一週間後くらいになるかしら。」
正直な話、最初お嬢様は結婚に反対していた。
しかし、勢いで言ってしまった一言『部下を全員倒せたなら結婚でもなんでも好きにして』。
まさか美鈴が離脱、パチュリーは治療、そしてレナとか言う奴のボロボロっぷりまでは考えていなかったようで…
しかし言ってしまった以上は守らなければならない、そう思ったのか(これを諦めたと捉えるのはなんとなく嫌なので止めた)、意外に抵抗は激しくなかった。
「…それよりも、貴女の事はなんて呼べばいいのかしら?幾ら見た目が私そっくりで猫耳がついているとは言え、猫耳レミリア猫耳レミリアなんて言ってたらなんか妙よ?」
確かに、結婚生活ではそれは妙だ。
「そうですねぇ…でしたら、花音って呼んで下さい。そうしたら違和感はないと思います。」
「花音…良い名前じゃない。よし、これで名前については解決ね…あ。」
何かを思い出したかのようにポンと手を叩くお嬢様。
「ホントに相手は私なんかでいいの?もっと良い相手、居るんじゃないの?」
「いいんです。寧ろ、お嬢様じゃないと駄目です。」
「そこまで言うならいいんだけど…子どもとか、当然産めないわよ?ほら、子どもって、どうしても男の力が必要よ。」
「え?幻想郷では常識は通じないんじゃないんですか?永遠亭のあのお医者さんに頼めば…」
なんせ蓬莱の薬まで製造出来るんだから、きっとそんな薬もあるような気が…
「それは倫理的にアウトよ!当たり障りない方法とすれば…養子や里親ね。血は繋がってない…というか繋げる事は出来ない…戸籍上はどうにかなっても、血は受け継がれない。それでも、私の子だからって心から愛でてくれるの?言っちゃ悪いけど、そこまでできた人間なんて…」
私はぴしゃりと返した。
「愛しますよ。私はそういう人間です。血が繋がっていようがなかろうが、そんな事は瑣末な問題でしかありません。血が繋がっていないからって、子どもをぞんざいに扱いますか?そんな事をする奴は、親なんかじゃない。人間として狂ってる奴です。それ以上に、親子の絆と言うものは本来堅いものです。そんなちゃちな事実なんかに、絆は壊されるわけがありません。というか、壊されちゃならないものなんです。」
「花音…」
「私は一人の女としてお嬢様を愛しますし、子どもも愛します。これは変わりのない事実、不変の真理です。だからそんな事は気にしないでください。」
「凄いわ…こんなによく出来た人間がまだ居たなんて…私、人間を見直したわ。」
本音中の本音だもの、ついでに好感度もアップ!
「というわけで愛し合いましょう!私、お嬢様とずっとこうしたかったんです!」
「わわ、いきなり裸になるな!それとこれは別問題よ!」
「時には獣のようにお互いの身体を貪るのも大事なスキンシップです!世の中には○○○○○○で悩んでる夫婦がごまんといるんですよ!」
「その知識は知りたくなかった!というか他にもスキンシップの方法があるでしょう!」
「そんなんじゃもう満足出来ないんです!あ、シチュエーションの問題ですか?○○○とか、○○○○がお好みですか?」
「放送禁止ワードを飛ばしまくるな!変態過ぎるわよ、貴女!」
「違いますよ、例え変態だとしても、変態と言う名の淑女ですよ!」
「なんか聞いた事がある!でも、初めてはあげないわよ!」
え?まさかの○○?
「余計襲いたくなってきた!初めては、私のものだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「きゃぁぁぁぁぁ!!助けて咲夜ぁぁぁぁぁ!!!!!」
その後どうなったかは、ご想像にお任せします。by作者
‐???視点‐
「こりゃまずい事になったなぁ…まぁ百合は好きだけど。でも、色々とまずい気がする…」
「そうね。このままじゃ色々と歴史とかおかしくなるわね。」
「おかしくなるどころか幻想郷で百合が公認されちまいますよ。このままじゃ、将来の幻想郷が少子化しちまいます。」
「『貴方の上司』はなんて言ってるの?」
「そうっすね…ノーコメントを貫いています。つまり、俺とゆかりんで止めるしかないみたいっす。」
「どうするの?」
「やりたかないんですが、俺の力を使います。ゆかりんは準備してて下さい。」
「解ったわ。ところで一つ聞きたかったんだけど…自称文々。新聞記者さんとはどういう関係なの?名前、一致してるじゃない。」
「あれは俺に似せた別人ですよ。俺とは関係ありません。たまたま名前一致ですよ。」
「へぇ…建前はそれくらいにして、本当は?」
「言わないよ!?何衝撃の展開を期待してるんですか!?今のが真実です!」
「…そういうことにしておくわね。」
「遠い目で俺を見ないでぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」
しかも逃げたし。ぐぬぬ…
だけど、このままでは全国の『レミリアは俺の嫁』な人々が嘆き悲しむ展開になりかねませんので…
肉体を捨ててまで得た、究極の戦闘には役に立たないけどチートな能力を見せましょうかね。
…うん、借りものの能力だけどね。
‐一週間後、猫耳レミリア視点‐
「パパパパーン、パパパパーン、パパパパッパパパパッパパパパッパパパパッ(結婚式の例のファンファーレのつもり)…」
一週間というのはかなり早く、あっという間にこの日を迎えた。
…この日を終えた時、幸せが訪れる!
さぁ、時は満ちた!
…早く、早くあの言葉を言ってくれ!
「猫耳レミリア…貴女は彼女…レミリア・スカーレットを一生涯愛し、如何なる時も彼女と互いに助け合う事を誓いますか?」
「誓いますっ!!」
「…レミリア・スカーレット、貴女は彼女…猫耳レミリアを一生涯愛し、如何なる時も彼女と互いに助け合う事を誓いますか?」
「誓います。」
「では…誓いのキスを…
とでも言うと思ったか?」
「何?冗談は止めてよね、幸せに水を差されたくないから。」
すると、目の前に居た神父が顔に手をやり…
引き裂いた。
「なっ…!?」
その下から見えた顔は、良く見た事がある顔だった。
「こんにちは、幸せ絶頂な所悪いけど、死んで貰うわ。紫奥義『弾幕結界』」
そんな至近距離でかわせるわけな…!!
ピチューン!!
「…そんなぁ…なんであそこでピチュったの私…」
現実に戻され、しくしくと血の涙を流す私。
「だから言ったじゃないか。」
「だ、誰!?」
何!?どっから話してるの!?
私以外周りには誰もいないのに!?
「クロナの中の人…と言えばわかるかい?」
「あぁっ!!」
居たね、そんな人。
「言ったよね?『これはサバイバルだ』って。残念だったねぇ…やられなければ結婚出来たのに。」
「きぃさまぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
私はまさに怒髪天を衝く状態でぶちギレた。
「…ふぅ、でも此処でお預けにしたのには理由があるんだよね…
だって此処でハッピーエンドにしちゃったら後が困るんだよ…
まだ、まだ物語は終わらないんだから…」
いろんな意味ですいませんでした…
というわけで次回より「東方遊戯録」とコラボ!
「【凛音編】その1『なんか別の世界に来てしまった』」
お楽しみに!