【猫耳レミリア編】その6『Let's Marriage!』
…もうどうなっても知らないっ!(待てぇぇぇぇぇ!!!!)
-猫耳レミリア視点-
「お嬢様は、私が守る!!」
白銀の閃光のような速度で、ナイフが飛んでくる。
「良いわ、何から守るのかは全く知らないけど、守ってみなさい!」
閃光を横目に見ながら、私はお返しにと言わんばかりにマシンガンの火を吹かせる。
「何から守るのか、ですって…?貴女からですよ!!」
ナイフの発射速度が上がる。
人間で出来る発射速度じゃないわよ、あれは…
それにナイフだから、刺されば重傷間違いなし。
…ならば近距離戦か!
私は腰を落として体勢を低くし、真っ直ぐ咲夜に向かう。
「遠距離戦を仕掛けると思っていましたが…どうやら近距離戦の方が得意みたいですね!」
両手にナイフを構えての近距離戦。
相手のやり方は、此処までは読めている…想定の範囲内。
やることは一つ。
「そのナイフは危険物よ!取り扱い注意ね!」
ナイフを狙った、ショット。
ナイフさえ弾き飛ばせば、こちらにも勝機はある!
「やはりそう来ましたか…ですが、それを読まれないと思うのは甘いです!」
確かに、ナイフに銃弾を当てて弾き飛ばすにしても、ナイフを動かされたらおしまいだ。
…銃弾、だけならね。
「甘いのはそっちよ!はぁっ!!」
手首を蹴り、ナイフは宙を舞う!
「…っ!!」
「ボサッとしてないの!」
両手のナイフを蹴飛ばし、私はさらに咲夜に緊迫!
「肉弾戦なら負けないわ!!」
相手が人間である以上、急所は定まっている…!!
「そこぉ!!」
ぐっと身を落とし、人間の急所の一つ、溝尾目掛けて正拳突き!!
「ぐぅっ!!」
「まだよ!」
よろけた隙だらけの相手にさらに追撃を!
左腕のラリアットからの右手のストレート!
左手の裏拳からの、顎へ掌底!!
「伊達に格闘技やってるわけじゃないのよ!!」
止めの遠心力を加えた、回し蹴り!!
咲夜は見事に吹っ飛び、地面に叩き付けられた。
「さ、咲夜!?」
お嬢様が咲夜の方に走っていく。
…命に別状はないはず、安心して下さい。
「お…お嬢様…すみません…」
「…くっ、パチェ!治療は任せるわよ!美鈴、咲夜の仇を取るのよ!」
「かしこまりました!」
パチュリーが咲夜の治療に当たり、続いて美鈴が私の前に立ちはだかる。
…きっと一番の強敵になり得る相手、紅美鈴。
私の武器…格闘技の技は、あらゆる格闘技のスキルを持ち合わせている美鈴には間違いなく効かない。
かといって遠距離での銃撃は普通にかわされて、接近されてシバかれて終いだ。
…遠距離戦は考えない方がいい…!
近接で張り合うしか、勝てる手段は…ない!
私はある意味最終決戦を前にする勇者となっていた…!
と、その瞬間!
「美鈴、あそぼー!」
美鈴に抱き着く…
フラン。
「え!?妹様、今は遊んであげられないんですよ!」
「えー!遊んでよぉー!」
駄々をこねるフラン。
か…可愛い…!
「レナと遊んでいたらいいじゃないですか!」
「だってぇー…レナは倒れちゃったんだもん。美鈴、遊んでよー!」
このままではテコでも動かないと判断した様子の美鈴は、困った顔でお嬢様の方を向いた。
「お嬢様…どうします?」
すると、お嬢様は顔を横に振った。
そして口パクでこう言った。
「諦めなさい」と…
「解りました…では妹様、あっちで遊びましょう!」
「やったぁ!美鈴大好き!」
…あ、美鈴が居なくなった。
こ、これはまさか…まさか本当にお嬢様と結婚出来るんじゃ…!
「パチェは咲夜を治療してるし、美鈴はフランと遊びに行っちゃうし…!小悪魔!何とかして!」
「なんとかしてと言われてもぉ…」
困惑した様子で飛んでくる小悪魔。
その30秒後、倒れました。
え?殴ったら倒れた☆
「小悪魔ぁぁぁぁぁ!!!?くっ、レナ!貴方だけが頼りよ!…あれ?レナは?」
誰かを探しているお嬢様。それもそそるっ!
「お嬢様…レナは…もうすぐ来ます…」
向こうで若干回復した咲夜が喋る。
「そうなの!?レナなら止めてくれるはず!頼むわレナ!」
ところが、やってきたのは…
「お、お待たせ…主人公…やってきました…」
ボロボロの包帯姿のミイラだった!
「…え?何、その姿?」
「お嬢様…レナは…さっきまで妹様と遊んでいて…大怪我を…」
「あ」
伏線は張っていたのだ!
「貴方も敵ね…?えいっ!」
一発殴ったら…
「ぐべらっ!」
即死。
「う…嘘…まさか此処までやられるなんて…」
顎が外れそうな程口をぽかんと開けるお嬢様。
やったぁ!これで結婚決定だぁー!
次回予告!
最終回だ!
というわけで次回
「その7『Ceremony』」
お楽しみに!