【光編】その2『行き先は何処へ?』
お待たせしました!
ユニークついに20,000突破!
凄いなぁ…
ありがとうございます!
-光視点-
「う…あ、阿求…大丈夫か?」
あれからどれくらい時間が経ったのかは解らないが、俺は目を覚ました。
まるで投げ技を喰らいまくったかのように身体中が痛いが、それより阿求が心配だった。
「こっちは大丈夫です…でも、此処は?」
トラックの窓から外を眺めると、空がやけに明るい。
というよりも、真っ昼間だ。
太陽の…と言ってもあれが本物かは解らないが…位置がそれを教えてくれた。
「とりあえず、色々見てみよう…話はそれからだ。」
俺はキーを捻り、エンジンを始動した。
…あんなことになったにも関わらず、奇跡的にエンジンが動いた。
異常な音も聞こえない…不幸中の幸いという奴か。
「人里に行ってみよう。情報が欲しい。」
「そうですね!」
トラックを走らせ、人里へ向かう事にした。
-紫視点-
「って、また部屋じゃん…」
私は「また」の展開に少々落胆した。
「ノートか…」
とりあえず、中を読んでみる。
『扉を開けてみたまえ…と言いたいところだが、もう彼は君の世界に来ている。今回は見つけやすいだろう…本来、君の世界ではまだあってはならないものも引き連れているから。』
「もう来ているんだ…」
私は引き返し、その「彼」を探しに行った。
-光視点-
「…おかしいな。」
俺はある可能性が頭に浮かび、自らが置かれている立場に悲観する。
「え?」
「普通、俺が運び屋だと知っているなら…」
窓越しに見える、人々の視線。
「俺達をこんな奇怪な目で見ないだろう。」
「つまり…どういうことですか?」
いまいち事態が飲み込めてなさそうな阿求に、俺は最悪の可能性を話した。
「俺達は何処かに連れて行かれた。それは確定だ。だけど、此処は…俺達の知る世界、俺達の知る幻想郷じゃないかもしれない。」
「へ?」
すっとんきょうな声を上げる阿求。
それもそうだ、とんでもない仮説だから。
「そう考える理由は2つ。まず、俺を知ってるような人が一人もいない。
そしてもう1つ、俺のトラックを珍しそうな目で皆見ていること。
こんなこと、俺が幻想郷に来たばっかりの頃じゃなかったら有り得ない。」
「皆、忘れたんじゃ…?」
「忘れるなんて事も有り得ないよ。一人二人の世界じゃない、全員が同時に忘れるなんて、それこそ…あ!!」
俺は思い出した。
そんなことを出来るのは、一人しかいない!
「阿求、慧音先生の所に行こう!」
「…あ!」
「もしかしたらもしかするかもしれない…!慧音先生が『全員の歴史を食べた』としたら…!」
勢いで動こうとしたが、寸前で「待てよ?」と立ち止まる。
「仮に慧音先生がやったとしても…なんでそんなことを?」
「そんなことを考えていてもどうにもなりませんよ?少しでも可能性があるのなら、確かめるべきです。」
「確かに…確かめるだけなら悪い事はないな。よし、行こう!」
俺はハンドルを握り、慧音先生の元へ車を走らせた。
「は?なんで私がそんなことを?」
慧音先生が「?」と首を傾げている。
すっとぼけられて…いるのか?
「いや、俺の事を知ってる人が一人もいないんですよ。」
「そんなことを言われてもな…当の私も君の事は全く知らないんだ。…横に居る彼女なら見たことがあるが…確か、稗田阿求だったか?」
「ええ、合ってますよ。」
「私は最近、能力を使うような事は…彼が冤罪を疑われた時くらいしかなかったな…」
「彼?」
阿求が突っ込む。
「知らないのか?レナだよ、レナ。」
「レナって…あの彩埼玲奈?」
「何故にフルネームなんだ…そうだ。彼の冤罪を晴らす為に、私は歴史を確かに食べた。…が、それ以外は全くだ。」
「そうなんですか…」
慧音先生が、そもそも俺の事を知らないという時点で既におかしい。
そして、その違和感はさらに深まる。
「ところで…あの動くものは何だ?どうやら君たちはあれを使えるようだが…」
「!!」
確定だ。
この世界は…俺の知る幻想郷ではない!
「あれは自動車って言うんです。少しの操作で楽に動ける機械なんですよ。」
「ほう、興味深いな。今度河童に聞いてみよう。機械は河童が強いから。」
「すみません、ありがとうございました。」
俺達は慧音先生と別れ、今のやり取りで解った事実を阿求に伝えた。
「…まずいな、この世界は幻想郷なのは幻想郷だが、俺達の知る幻想郷じゃない。それに、文明もかなり差がある…トラックはないようだし。」
「つまり、別の幻想郷、と?」
「そうだな…ガソリンも補給出来ないし、トラックは大事に使わないとな…!」
だが、今の話を聞いて良かった事はある。
彩埼玲奈…彼は実在する人物で、かなりの有名人。
ならば、彼の行方は楽に掴みやすい。
「よし、情報収集だ!彩埼玲奈…彼についての情報を掴もう!」
が、その直後にある言葉を聞く。
「それこそさっきの上白沢慧音に聞けばいいんじゃ…」
「あ」
というわけで再び慧音先生の元へ戻る俺達であった。
次回予告ー♪
光、ついにレナに出会う!
というわけで次回
「その3『宅配終了?』」
※最終回じゃないですよ(;^_^A
お楽しみに!