一騎討ち
後4話で3.5章終了…
そしてカオスに突入します!
キャラ提供はまだまだ受け付けてますよ♪
奴が最強の妖怪だって事はどうでもいい。
だが…一つだけ聞きたい事がある。
「あんたは何の為に戦っているんだ!」
「簡単よ、自分の強さを証明するため。それ以外に何もないわ!」
「ならあんたには…仲間を守るとかって思いはないのか!」
「!…ないはずがないじゃない!強くなれば、誰も傷付かない…だから!」
殴打、蹴り、技の応酬。
だが、これで吹っ切れた。
相手は…敵じゃない!
「あんたは俺の敵じゃない…」
「私を舐めてるの?」
「違うな。あんたは敵なんかじゃない…好敵手だ!」
「だから何?」
「これは殺し合いじゃない…なら、全力を以て相手をしよう!!」
「本気になったみたいね…!良いわ、その顔っ!!」
命を奪う戦いじゃない。
誇りを賭けた戦い…なら、本気を出さないのは論外だ!
「そう言えば、あんたは弾幕を張らないんだな!」
「こんな至近距離で弾を貴方にぶつけたら、こちらも被害を被るのよ!」
「それもそうだっ!」
拳や脚は相手に入らず、直前でかわされるか腕でいなされるかの二択。
それは相手も同じ。
「私についてこれるなんて、ある程度はやるって事ね。」
日傘の突きが来るが、俺はそれを逆に利用する。
日傘に手を置き、支えにして飛ぶ!
「!!」
「そこだ!霊掌っ!!」
後ろからの霊掌、これは戦いを動かした!
初めて少し距離を取ってかわした幽香。
「…私に回避を優先させるなんて…ますます面白いじゃない…!」
「もっと面白くしてやるよ!」
距離さえあれば、スペルカードは使える!
「砲符『リヴァイバル・β』!!」
かわせるならかわしてみろ!
「良いわね、だけど甘いわ。」
なっ、日傘で無理矢理逸らした!?
「やるな!だがっ!!」
弾幕を張り、相手の足を止める!
「そんなもので足止め?無駄な努力よ。」
リヴァイバル・β型が弾かれたんだ、確かに一見すれば無駄な努力だ。
だが、これは仕込みだ!
「砲符『リヴァイバル・γ』!!」
全方位レーザーでさらに追い込む!
「考えたわね。でも無駄よ。」
日傘を展開され、もう一度弾かれる。
が、時間は稼げた!!
日傘を畳んだ瞬間、確かに隙は出来る!!
「!!」
「砲打!!シューティング!!ドライバぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
この一撃を入れる為、今まで無駄に見せかけた攻撃を仕掛けていた…!!
もろに幽香の腹に入る、俺の拳!!
「ぐぅっ!!」
おっしゃ、手応えはあった!!
「ブッ飛べぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」
勢いを乗せて、幽香を飛ばす!!
「…よし、一撃は入れた…!此処からが本番か…!!」
遥か彼方へ飛んでいき、幽香の姿が見えなくなった。
逆に言えば、相手の出方が解らなくなった。
だが、この一撃はでかいはずだ。
俺は幽香が飛んでいった先をじっと見つめた。
幽香の姿が、いつ現れるか解らないからだ。
「来るならいつでも来い、風見幽香…!!」
「じゃ、遠慮なく」
後ろから声がした。
声がした方を向いた瞬間、視界に日傘を俺に向ける幽香の姿が見えた。
だが、日傘の先には魔力の塊が。
「喰らいなさい、マスタースパーク。」
目の前が、光輝いた。
…なんとかかわしてみたはいいが、左腕が黒く焼けている。
直撃イコール死の可能性もあった威力だった。
「貴方はその程度じゃない、そうでしょう!もっと力を見せなさい!!」
日傘による殴打を腕でガードするが、焼け焦げた左腕を庇いながらのガードの為、完全ではない。
「見せないなら殺す!」
顔を的確に狙う蹴り。
「殺されるのはゴメンだ!!」
右腕でカウンター。
「なら見せなさい!貴方の全力を!まだ隠しているんでしょう!?」
…仕方がない。
幽香を倒そうなんて大層な事は考えていないが…このままではいずれジリ貧になって殺される。
やるしか…ないな!!
「そこまで見せてほしいんなら見せてやるよ…だが、びっくりするなよ?」
「驚きはしないわ。貴方が劇的に強くならない限りね!」
…やるぞ、俺。
…力を全て解放する。
内側から外側へ、指の先まで拡げていく。
「これが俺の全力だ…『翼を求めし者』…全!!開っ!!」
右肩から隆起する翡翠色の結晶、それは進化の証。
地面が力に耐えきれず少し沈下する。
だが、俺は戦う!
風見幽香…あんたの全力が見たいからな!!
「…貴方、あくまで人間を貫くつもりね…!良いわ、私もそれに全力で応えましょう!」
瞬間、今までの威圧はただの小手調べとしか思えないような、幽香の本気の威圧を感じた。
「私と同じ進化をした彼と、私とは違う進化をした貴方…人間と言うのはつくづく面白い生き物ね!妖力全解放…!!」
そして、自然は揺れる。
この二人の力に抵抗する為に。
「やっと本気か…楽しませてくれよ、風見幽香!!」
「あら、楽しませるのは貴方よ?私と同列になったなんて甘い考えは捨てなさいよ?」
再び、戦いは再開する。
かつて阿修羅と戦った時と同じ喜びを、幽香は感じていた。
「やっと楽しめるわ!彼の他に強い男が出来たからねぇ!!」
次回予告
幽香とレナ、戦いの果てに…!?
というわけで次回
「戦いの円舞曲」
お楽しみに!