猛獣に恐怖する兎の気持ちが解った気がする
今回最も短いかも…
-レナ視点-
「あ、貴女は…!?フラワーマスター…!?」
フラワーマスター?聞いたことない名前だな。
が、来たこの女性…確か幽香って言ってたな。
「…あ、死体人形師じゃない。久しぶりね。いつ以来かしら?」
え?知り合い?
「貴女が神を殺した日以来よ。」
な、何?この人、かなり強いの?
神を殺した?何者?化け物?
「ちょうど良いわ…そこの彼は強いのかしら?強いのなら是非殺し合いをお願いしたいんだけど。」
「待ちなさい。彼はかなり消耗している。今から殺り合った所で、貴女を到底満足させられる戦いにはならないわ。」
なんか物騒なんですが!?
というより…視線が…怖い…
「…それもそうね。でも、私はわざわざそこの彼と戦いたい一心で来たのよ?まさか何にもなしで帰れって言う訳じゃないわよね、死体人形師さん?」
「代わりに私と殺し合いをするつもり?」
え…なんか俺を放って今から本気の戦いが…というより戦争が起きそうな気がするんですが…
バチバチ火花が飛び散る勢いでお互いを見つめてるし。
「そういう訳じゃないわ。彼を何とか全快にしてから殺り合える保証が欲しいだけよ。」
「…良いでしょう。貴女の友達を呼びなさい。そうすれば話は早いはずよ。」
「仕方ないわね。……見ているんでしょ、紫?」
すると、隙間が開いた。
「相変わらず貴女は…私は便利屋じゃないのよ?」
「雑魚には雑魚なりの仕事があるの。…彼を戦える状態にして。今すぐに。でないと貴女から殺すわよ?」
加虐的な笑みを浮かべる幽香と、溜息をつく紫。
「冗談にならないレベルの冗談は止めて…治療及び貴女と殺り合えるまでのレベルまで彼を持ち上げるのには、どうやっても3日はかかるわ。」
「3日で良いの?あら、意外に早いのね。良いわ。3日後…ね?それなら待てるわ。…そこの新聞記者、私を満足させなさい。」
「は?」
見慣れた新聞記者をまるで従者のように扱う幽香。
「紫、隙間開けて。3日後に太陽の丘で待つわ。来なかったらどうなるか…解るわね?」
幽香が俺を見てニコリと笑う。
ぶ、不気味すぎるぞ…
「楽しみだわ♪あの時みたいなスリルある戦いがまた出来るなんて…ね♪」
上機嫌な笑いを溢しながら、幽香は隙間の奥に消えた。
しかし、今のやり取りで解った事が一つ。
…猛獣だ、あれは。
猛獣に恐怖する兎の気持ちが解った気がする。
「はぁ…かなり面倒な事になったわね…」
紫が余り見せない困った顔。
え?そんなに大事なの?
「…ごめんなさい、貴女もついてきてくれるかしら?」
「ええ。私にも責任はありますし…」
イヴェリアが神妙な顔で頷く。
「いまいち話が見えてこないんだが…」
「後で話すわ。こっちよ。」
隙間の奥に案内される俺達。
で、来た先は。
「私の家なんだけど、中で話しましょう。」
紫の家だった。
マヨヒガと言うそうだ。
最近建てたような綺麗な外壁だが、紫に聞いてみた所、「妖精達のせいで家が壊されて建て直した」んだそうだ。
「…さて、レナ…貴方には話さなきゃならないことが沢山あるわ。貴方が相手する事になる彼女の事よ。」
相手…幽香の事か。
「名前は風見幽香…私の数少ない親友の1人よ。普段は太陽の丘と呼ばれる辺境の地で静かに暮らしている。
…でも、彼女はある理由で恐れられている…それは、彼女が余りにも強すぎるからよ。
私や幽々子みたいに能力がずば抜けている訳じゃない…彼女は精々花を操るくらいしか出来ない。
だけど、彼女は戦いに関しては『最強』…彼女と渡り合える者なんて、きっと指折り出来るくらいしかいない。」
え?相手は最強…?
「だから彼女はある時から強い者を求めるようになった。自分と渡り合える、確実な強者を…自分の心を満たせるような戦いを、彼女は望むようになったのよ。…此処までならまだ良かったんだけど…彼女、戦いを追い求める余り、神様まで殺してしまったから…」
ランキング番外編。
作者の好きな東方の曲ランキング【最初から総合】
1位…平安のエイリアン(ぬえのテーマ曲)
2位…少女幻想(藍しゃま)
3位…霊地の太陽信仰(お空)
次点…ハルトマンの妖怪少女(こいし)、月まで届け、不死の煙(もこたん)
次回は何にしようか…?
というわけで次回
「最強と不死の激突」
お楽しみに!