至高天の戦い(弐)
今回とっても短いです…
時は少し遡り…
-幽香視点-
「私を無視しないでよ。」
薄情過ぎるわ。
私は貴女達の旧友なのにね。
「幽香…!」
「何の用なの〜?」
用?そう言われたらたった一つしかない。
「私は強者を喰らいに来ただけ。雑魚には用はないわ。」
「なら何故私達を邪魔する?」
全く…解ってないわね。
「簡単よ…
雑魚以下のミジンコを喰らう為よ。」
「!!幽々子、避けて!!」
ちっ、気付かれた。
しゃがまれちゃかわされるわね。
「力は衰えてないみたいね…!」
紫の後ろで、私が斬った木々が倒れる。
「…力がなければ、戦えないもの。強者とね。」
「…やはり貴女はまだ、強者を求めているのね。」
当たり前よ。私にとって戦いは…呼吸と同義よ。
「道は踏み外してないわ。悪いことはないわよ?」
「いえ…貴女の力は既に道を踏み外している…!」
「敢えて聞きましょう…何故?」
答えは予測出来る。
「『あの力』は妖怪風情が持つ力じゃない!」
やはりそこか。
そこまで怒るんだから、余程気に食わないようね。
「いえ…使い方さえ間違えなければ素晴らしい力よ。現に見てみなさい…あれを。」
私は彼の方を向いた。
「彼は死んだ。そして力を手に入れて戻ってきた。これは進化よ。彼は進化するべくして進化した。」
「退化の間違いじゃないの?」
「貴女は弱い。だからそんな事が言えるのよ。…早く終わらせましょう。」
一瞬で距離を詰める。
「まず一人」
日傘を振り、紫を沈める。
「幾ら友達とは言え、紫を傷付けるのは許さないわ。」
戦いの眼になった幽霊。
「貴女は歯応えありそうね…幽々子!」
「死符『ギャストリドリーム』」
その殺気…良いわ!
「貴女を前菜にしようかしら!」
こうして、幽々子と私は戦争を始めた。
「もうおしまい?」
「幽香…強いわね…」
程好い運動にはなったわ。でも、そこまでね。
「もっと強くなりなさい…それが私に勝つ唯一の方法よ。」
軽く日傘で小突き、彼女は気絶した。
「まだやりあってるのね…」
私は彼の方へ向かった。
-らぐな視点-
レナを追いかけながら、俺は幽香に問い掛けた。
「幾ら敵とは言え、親友相手によく戦えたな。情とか湧かないのか?」
「それは油断に繋がり、やがて命を落とす原因になるわ。だからあまり他人と関わりたくないのよ。」
「それはそれで寂しくないか?」
「…寂しいから戦うのかもね。でも今は大丈夫よ。」
「…周りを頼れ。幽香一人で抱え込んだってどうしようもならねぇ事がある。強がんなよ。」
「その忠告はありがたいけど貴方に頼るのはごめんね(ニコッ)」
「笑うなよ…心が折れる…折角数少ないカッコつけポイントだったのに…」
「嫌よ。面白いものを笑わないなんて愚の骨頂よ。」
どうやら俺の忠告はお笑いレベルのようです。
「…でも、心配してくれてありがとう。」
「幽香…」
わーい、優しいゆうかりんだー!
「それはそうと、例の彼は本当に強いのかしら?拍子抜けくらいの強さだったら貴方を殺すわよ?」
元に戻ったー!?
「おいおい…仮にも紫と幽々子を倒した存在だぞ?弱いなんてことあるのか?」
内心そのドライな展開に涙を飲む勢いだが、顔に出さないようにして聞く。
「ええ。今の二人は弱いもの。所詮、井の中の蛙というくらいかしら。」
「…舐めたら逆に殺られかねんぞ?」
「解ってる。だから久しぶりに本気出そうかしら。」
…何処まで強いんだろう、幽香は。
とりあえず、こんな展開になって今更何だが…
レナ…死ぬなよ…?
定番(?)コーナー。
作者の好きな東方キャラランキング【星蓮船編】
1位…ぬえ
2位…ムラサ
3位…ナズーリン
次点…白蓮
次回は花映塚・萃夢想・緋想天・文花帖・妖精大戦争まとめて!
というわけで次回
「手も足もついでに口も出ないとはこの事か?」
お楽しみに!
次回更新…明後日予定