至高天の戦い(壱)
お待たせしました!
-レナ視点-
「なんだこりゃ…!?」
まず状況を理解しきれない。
レミリアを取り囲む…
霊夢、魔理沙、紫、幽々子。
そして、紫と幽々子の後ろから傘を突き立てている、緑髪のチェックのスカートの女性。
もう一人、霊夢と魔理沙の後ろに立つ青年。
…って、あの人は…!?
「らぐなさん!?なんで此処に!?」
「うにゃ?レナか!おひさ〜!」
「『おひさ〜!』って軽すぎでしょう!?」
手を振ってるし…
「詳しい話は後にしてくれや。それより、俺はこいつらに用があるんでね。」
そして、彼は鋭い視線を霊夢にぶつけた。
「で?お前らは何やってるわけ?」
「…死人が出てくるなんて、なんか異変でも起きてるのかしら?」
「バカ、『元』死人だ。」
「だとしても随分おかしいわ。一体何のからくり?」
「お前に教える義理はないね。それより最初の質問に答えろ。何やってるわけ?」
「見て解らないの?犯罪者を捕まえようとしてるのよ。」
…やれやれ、彼はそう呟き、とんでもない行動を起こした!
「物事の真相すら推測出来ない馬鹿は失せろ。剣符『狼牙一閃』」
霊夢は咄嗟にかわしたが…!
「ちっ、後少し速かったら当たってたのによ。」
装束の端が斬られていた。
「貴方は敵のようね!レミリアは私が捕らえる!霊符『夢想封印』!!」
弾幕が彼に降り注ぐ。
「今の内にレミリアを…!」
混乱に乗じ、幽々子と紫がレミリアに襲い掛かる。
が、二人は直後に吹き飛ぶ結果になる。
「私を無視しないでよ。」
あの緑髪の女性…同時に幽々子と紫を相手にするつもりなのか!?
「霊夢、加勢するぜ!恋符『マスタースパーク』!」
「霧雨魔理沙か…!!」
霊夢と魔理沙を相手にしようとしている青年。
「レナ!今のうちにレミリアを連れて逃げろ!!俺達は後から追う!」
「でも、らぐなさんが!」
「俺なら大丈夫だ、問題ない!行け!!」
「…解りました!!」
俺はレミリアの手を取り、逃げに徹した。
-らぐな視点-
「…行ったか。」
「みたいね、でも後で私は彼を喰らうわよ?わざわざ逃がして…結局意味ないのに。」
「けれど、邪魔者を排除しないとゆっくり喰えないだろ?幽香。」
「そうね。シマウマを食べるライオンは一匹でいいわ。だから…解ってるわね?」
こうなった幽香は止められない。
まぁ…止める気もないけどな。
俺も、止まる気はないが。
ついに使う時が来たな…この力を。
「…ああ。」
俺は背中の武器を取る。
『あの異常な世界』の産物を。
「…霊夢、逃げるなら今のうちだぞ。」
「逃げるなんて選択肢、私にはないわ。」
「そうか…」
残念だ、霊夢。
…お前の命は、保証出来ない。
「ならば、せめて死なないでくれ。」
武器…異質な武器から流れてくる、魔力。
それは、俺を『人間』という枠から外そうとする。
これが…幽香が言っていた、『神を殺す力』か…
「今の俺は、本当に何をするか解らないぞ…!!」
バンッ!!と地面を蹴り、霊夢に向けて振る…斧。
「当たらなければどうって事ないわ!」
確かに、当たらなければどうもならないな。
「そこでこれだ。斧符『フラッドスプラッシュ』!」
斧を振る度に水の塊が散らばる。
「何…?」
水の塊はふわふわと漂っている。
さて…仕掛けますか!
「弾けろ!!」
瞬間、塊は四散し、霊夢に直撃!
「うっ!」
「痛みに気を取られてる暇はないぜ?」
今のはあくまで水による攻撃。
つまり、追撃が可能!!
「もっと痛くなるからなぁ!!」
斧で霊夢を一閃!
「きゃぁっ!」
だがこの斧はわざと殺傷力を落としてある。
だから怪我はしない。
打撲傷は付くかもしれんが。
「…此処は諦めろや、霊夢。仮に俺を倒した所で、後ろに居る彼女は間違いなくお前をぶちのめすぞ?俺以上に彼女は暴れるからな…死ぬぞ?マジで。」
「…彼女は紫と幽々子が止めてくれる…そんな事にはならない!」
「だといいんだがな。霊夢、俺を倒すのは後にしな。その二人…既にやられてるかもしれないぜ?」
「…!?」
動揺が見えた。そりゃそうか。
2対1でやり合っておいてやられるんだからな。
「いや、既に倒してるわ。」
「!?」
霊夢の顔に衝撃が走る。
「…昔の二人なら間違いなく私がやられてたけど、今の二人は弱いから。」
おぉう、もう倒したのか。
「早いな…幽香。」
「貴方が遅すぎるのよ。」
俺の横に立つ幽香。
「で、次の獲物はどれかしら?」
目が怖い…。
「…もう終わりだ、幽香。メインディッシュが待ってる。」
これ以上無駄な血は流したくない。
「つまんない。…ま、一番強そうなのが待ってるんだから、まだ退屈しないけど。それでも退屈したら、貴方を食べるわよ。」
「それはどういう意味だよ…」
「色んな意味。」
ちくしょう、可愛すぎる。
「解った解った。そんな上目遣いで俺を見るな。襲いたくなる。」
「全て終わったら良いわよ?」
「そりゃ楽しみだ。…行こう。」
「ええ。」
ぽかーんとしている二人を完全に無視し、幽香は俺を引き摺って行く。
「速いよ幽香!」
「急がなきゃ…メインディッシュが…」
「首が絞まるぅぅぅ!!!幽香さん!?ゆうかさーん!!」
…凄く…痛いです…
勝手にランキング。
作者の好きな東方キャラランキング【地霊殿編】
※レイマリは(ry
1位…こいし
2位…パルスィ
3位…さとり
次点…お空
こいし「1位私?嬉しいけど…なんで?」
作者「きっと最初こそ苦労するかもしれないけど、デレたら間違いなく最高の妹になるほど可愛いから。こんな妹が欲しかった…」
こいし「そろそろご飯時だけど、お兄ちゃん何食べる?」
作者「手作りだったら何でも良い!!」
こいし可愛すぎるだろ…
星蓮船編は次回!
というわけで次回
「至高天の戦い(弐)」
お楽しみに!