レミリア包囲網
結構長くなる予感が…
-レミリア視点-
「あ、貴女は…!?
誰だっけ?」
「えぇぇぇぇぇぇぇ!!!!?それはないですよ!」
白髪の彼女は憤慨する。
「確かに私は出番少なかったですが、名前すら忘れ去られるなんてあんまりですよ!」
「ごめん、原作じゃ殆どどころか全く接点ないもの。名前の件は謝るけど、それは作者に怒ってよね。」
仕方ない、運命という名のアカシック・レコードにアクセスしてみましょう。
「…あ、魔力空っぽだからアクセス出来ない…」
「アカシック・レコードにアクセスしないと解らない程私は影薄いんですか!?」
だって貴女、半人半霊じゃない。
…
あ、思い出した。
「魂魄妖夢ね!」
「はぁ…思い出してくれたんですね…。」
妖夢はほっとしたように溜め息を付く。
だが、ほんわかムードはここで終わり。
「…で、何故私を助けた?私は、貴女が主の命令で私を捕らえに来たかと思ったけれど?」
「幽々子様は弱った貴女を捕らえても面白くないと仰ってました。」
…幽霊め、なかなか掴めないわ。
「つまり、貴女の主は私が完全回復してから捕らえようとしているわけ?だとしたら愚か過ぎるわ。紅魔異変の時の私と思っていたら痛い目に遭うわよ?」
実際、彼のおかげであの時よりは力が付いている。
「それを覆すのが私の仕事です。」
脇差に手をやる妖夢。
「面白い…!完全な私を打ち砕き、主君に強さを示すか!」
「ええ。そのつもりで貴女を助けました。」
「解ったわ…相手をしてあげましょう。…と言いたい所なんだけど、邪魔者が来たようね。」
「!!」
後ろから来たのは、妖怪達。
「どうやら貴女を倒すのはこれが終わってからのようですね…!!」
妖夢は単身妖怪達の塊に向かって走る。
「人符『現世斬』!」
流石、あの幽霊のお付きだけある。
あのくらいの妖怪は一閃で斬り捨てるか。
「…斬り捨て御免。」
肉片と化した元妖怪を余所に、話は進む。
「…さて、今度は貴女の番ですよ?」
「その前に一つ良いかしら?さっきも言った通り、私は魔力切れだ。そこで、魔力を補充したい。…が、それには貴女の協力が必要なのよ。」
「…解りました。私に出来る事なら。」
ニヤリ。
今の私に出来る魔力補充の方法はたった一つ。
そしてそれは…
相手の了解さえあればある意味一撃で相手を葬れると言う事…!
「解ったわ…『遠慮なく』頂くわ。」
貴女の、血をね。
がぶり。
首から吸うのが一番なのよね。
「うっ…!貴女、何を…!?」
貴女が魔力補充に協力してくれると言ったからしているだけよ?
血を貰うということを。
「…卑怯な!」
あら、貴女は良いって言ったわよ?
だからやったのよ?
「身体が…動かな…い…」
ある程度血を抜けば人は気絶する。
妖夢もやはりそうだった。
「ありがとう、魂魄妖夢。貴女のおかげで魔力は十分に補充出来た…」
鮮血で濡れた唇を軽く舐め、私は再び逃亡を図る事にした。
妖夢が妖怪達を斬ってくれたおかげで、追っ手が来なくなった。
私は少し休憩を取り、身体に日焼け止めを塗る。
…さて、此処からどう動こうかしら?
少し考える。
…迷いの竹林の方へ向かおう。
私はそう決意し、動く。
-霊夢視点-
「魔理沙、迷いの竹林まで飛ばして。」
「へ?なんでまた?」
「レナはそこに居るわ。レミリアもきっと。」
「どうしてそう言えるのか解らないぜ。」
「勘よ、勘。」
直感しかないわ。
「霊夢の勘は恐ろしく当たるんだよね…飛ばすぜ、しっかり捕まって!」
そこに居なければ居ないでまた考えよう。
-紫視点-
「さて…そろそろ頃合いかしら。ねぇ、幽々子?」
「そうねぇ。」
「レミリア・スカーレット…彼女を捕らえるチャンスよ。」
彼女はこの舞台には必要ない。
スキマを切り開き、私と幽々子は中へ入る。
舞台から大根役者を引き摺り下ろす為に。
-レミリア視点-
私は逃げていた。
…ひたすら道なき道を。
その間に、私は包囲されていたのだ。
…前方から博麗霊夢、霧雨魔理沙。
背後からはスキマから現れた八雲紫、西行寺幽々子。
…絶叫絶命とはこの事ね。
「そこまでよ、レミリア。おとなしく捕まりなさい。」
「霊夢が懸賞金のためだってさ。ま、私は興味ないけどね。」
前は英雄。
「貴女は捕まりなさい。それが…貴女の役割よ。」
「もうおしまいよ〜。こんな状況でどうこうしようと考えないでね〜。」
後ろは伝説の強者。
いくら私でも…
これは無理だわ。
「どう考えても…死ぬわね。」
だけど…死ぬ前に、抵抗はするわ。
「でも、ただで死ぬと思って?」
私は…何も抵抗なしには死なない!
「永遠に幼い紅き月…レミリア・スカーレットとは私の事よ!!」
「へぇ〜、面白い事になってるじゃない。」
『!?』
ここに居る5人全員が驚愕した。
そこに居たのは。
かつて神すら殺したと言われる、絶対強者。
風見…幽香。
「私も混ぜなさい。こんな殺し合い、楽しくないはずがないわ。」
そして。
「…レミリア?レミリアなのか?」
『!?』
さらに衝撃が走る。
そこには…もう一人の指名手配犯。
だが…彼は強者。
不死の青年…レナ。
「あれ?霊夢とか、なんでレミリアを取り囲んでるんだ?」
…事態を理解していないようだ。
だが、来客は彼だけではなかった。
「幽香〜?さっさと終わらせようぜ?」
『!?』
もう一人、忘れていた。
風見幽香の影で力を蓄えていた…男。
だが、彼は…彼は死んだはずじゃ…!?
「地獄から帰ってきました…文々。新聞社の下っ端記者ですよ。」
運命は、狂い始めた。
恒例(?)の勝手にランキング。
作者の好きな東方キャラランキング【風神録編】
1位…にとり
2位…雛
3位…諏訪子、あやややや
次点…早苗さん
地霊殿編は次回!
というわけで次回
「至高天の戦い(壱)」
お楽しみに!
※次回更新は明日の午後〜夜中予定です。
何時もは夜中なんですけどね(;^_^A