Extra-4…もこたんINしたお!(後編)
永夜抄編ラスト!
ーレナ視点ー
「準備は出来たみたいね…早速始めようか!」
妹紅が迫ってくる!
「そうだなっ!」
俺も負けじと妹紅に突っ込み、取っ組み合う!
「それくらいの力しかないわけないよね?」
「当たり前だっ!!」
バンっ!!と一瞬妹紅をフルパワーで押し返し、そのままの体勢からの…
地面を蹴り飛ばしての一撃!
ところが…
「あ」
本来妹紅に一撃を加えるはずだったのに拳は見事に空振り。
なおかつ地面を思いっきり蹴飛ばしてしまったので。
「うわぁぁぁ、とーまーらーなーいー(エコー)」
俺は遥か彼方へ。
「逆に凄いよ…」
妹紅には呆れられた。
「仕切り直し!」
やはり力の加減が上手く行かない。
抑えすぎると相手にダメージはないし、かといって少しでも油断するとさっきのように遥か彼方へfly away!してしまう。
「不便な身体だっ!」
それでも、少しずつだが相手を狙えるようになってきた。
何十回もfly awayした結果だが。
「そろそろ私も本気を出すよ!時効『月のいはさかの呪い』!」
光弾が広がる。
「かわしてみせる!」
が、慣れていないので…
「痛っ!痛い、痛い!」
ちょくちょく当たる。
「だが直撃よりかはマシ!」
開き直りからの再チャレンジ!
今度は上手くいった!
「ならば今度はこっちの番だ!砲符『リヴァイバル・α』!!」
一点突破型のリヴァイバルだ!!
「きゃぁぁ!」
え?直撃?
「妹紅!?大丈夫か!?」
かわすものだと思っていたのに!
「リザレクション!」
え?復活?
「これが蓬莱の薬で得た唯一の良いところ。やられてもすぐに復活出来るの!」
すげぇ、俺の身体と訳が違うぜ!
「まだまだ行くよ!滅罪『正直者の死』!」
「ぎゃぁぁぁ!!」
なんか凄く痛いんですが!?
「凄い…人を騙した事ないんだね。」
「幻想郷じゃ…そうかも…しれない…。」
正直者って報われるんじゃないんですか。
「このスペルカードは正直者にしか当たらないんだよ。当たるわけないかって思って撃ったんだけど…」
「当たったよ!?」
「そこは予想外だったの。」
ああ、予想外だったんだ。
「…まぁいいや、続けようぜ?」
「そうね。」
前々から思っていたのだが、俺のスペルカードは基本的に中距離・遠距離のものが多い。
近距離は霊掌で事足りていたのもあったが…
もうそろそろ、近距離用のスペルカードの一枚くらい用意しておきたい。
身体能力も上がった事だし、色々工夫してみよう。
「新技開発!」
右手に創る、光の刃!
「試作1号、霊掌手裏剣!!」
投擲っ!!
切れ味はそこそこありそうだ。
が、作るのに時間がかかる…うぅん、没だな。
「試作2号!」
今度は足に光の刃を作ってみる!
それを…相手にぶつける!
「霊脚剣…」
しかし、いまいちしっくりこない。威力は安定しているのだが…。
うぅん…保留だな。
やっぱり…あれか?
でもあれはかなり危険だしな…
よし、やってみよう!
「試作3号!!」
後ろに左手を向ける!
「一か八か、当たるも八卦、当たらぬも八卦!一世一代のびっくり攻撃をとくとご覧あれ!!」
地面を蹴飛ばす!
「妹紅、俺を気にせずにフルパワーで来てくれ。それを突破出来るか出来ないかで話は変わる!」
「やれやれ…大怪我しないでよ?パゼストバイフェニックス!」
やべぇな…あんな神々しい鳳凰を貫かなきゃならないなんて…
だが、俺は決めた!
俺の力が、誰かを救えるのなら!
俺の力が、誰かの笑顔を守れるのなら!
俺は…俺はもう、迷わない!!
「俺の身体、もってくれよ!!」
まずは一撃、だが拳は相手に当たらない。
このままではさっきの二の舞だ。
だからっ!!
「まっがれぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」
リヴァイバルを発射し、推進力とする!!
少しずつだが曲がってきた、そして妹紅に狙いを定める!
「リヴァイバル、フルバースト!!」
その身体の輝きはまさに彗星!
「捉えた!」
狙いは定まった!
「ただ、撃ち貫くのみ!!」
煌めく彗星は、輝きの証!
「私も負けてられないね!鳳凰、私に力を!」
翼を優雅にはためかす鳳凰は、天に舞い上がらんとする!!
「不死鳥は、何度でも甦る!」
燃えたぎる翼は、純粋なる魂!
二つの光は、同時にぶつかった!!
「…うそーん…」
ぱったりと俯せになるレナ。
というのも、ぶつかった瞬間…
「リヴァイバルが切れた…」
推進力としたリヴァイバルが切れてしまい、減速した所に妹紅のパゼストバイフェニックスが直撃。
防御体勢すらとってなかった為に黒焦げに。
「けれど、だいぶ調整は出来るようになったと思うよ?」
荒削りだが、とりあえずは及第点レベルだろう。
まぁ、平和になったことだし、じっくりとやっていこう…
その前に…
「妹紅…なんでか火傷が治らない…」
「そりゃぁ鳳凰の焔と普通の炎を一緒にしたら困るよ。」
鳳凰の焔はずいぶん脅威だ。
俺は妹紅に運ばれ、慧音先生の家で暫く安静にすることにした。
…永琳にやってもらったほうがすぐ治る気がするが、妹紅が嫌がると思ってやめた。
…正直な話、火傷は痛かった…
ー永夜抄編、これにて終ー
次回から特別章をお送りします。
「第3.25章…出会いの物語」
…何故、レミリアは紅魔異変を起こしたのか?
それは、我欲だけではない深い訳があった…
余り触れないレナの紅魔館生活も描かれる!
そして、日常の中で起きたある事件。
その事件には前兆もあった…!
乞うご期待下さい!!