Δ3…月破壊計画
書ける時に書かないといつ書けなくなるか解らないというリアルの忙しさに…
妬ましいわ!
2011,7/3,一部修正しました。
ー???時点ー
「見なさい永琳!この人の数を!」
「す、凄い…」
私にかかれば1000人くらい集めるのは造作もない事だわ。
見ろ、人がゴミのようだって奴ね。
「それよりも…まさか姫様に忠誠を誓う者が、こんなに沢山地球には居たんですね…。」
「まぁ私だからこそ成せる業だけど。さ、これから何をするの?それを私の口から説明すれば、彼等は喜んでやるわ。」
「ミサイルの部品を組み立てる作業ですね。」
「解ったわ。愚民共、聞きなさい!」
私が声を出せば民衆は黙る、最高の下僕達だわ!
「あの憎き月を破壊するために、ミサイルが必要なの。材料はもう揃っているから、あなた達はミサイルを造りなさい!きちんと造れたらご褒美をあげるわ、だから死ぬ気で造りなさい!」
『かしこまりました、姫様!』
ふふふ…高い所から愚民共を見下ろすのは楽しいわね。
ーらぐな視点ー
『かしこまりました、姫様!』
…気持ち悪いな、この集団。あんな奴に従って、何が楽しいんやら。
ま、俺はやることをやるだけだ。
月を破壊するミサイル…そんなもの、絶対に発射させない…!
「あ、あ、あ…聞こえるか?そうだ…それを頼む。俺は暫く動けそうにないんでな。」
ーレナ視点ー
「慧音先生…今回のこの異変の黒幕を、その先生のお友達さんが知ってるんですか?」
「ええ。だけど、少し問題が…」
先生は少し顔を曇らせた。
「問題?問題って何よ?」
「彼女の居場所がかなり問題なの…場合によっては、彼女にいつまでたっても会えないわ。」
「まさか…迷いの竹林ですか?」
「迷いの竹林?」
聞いた事ない場所だな…
「ええ。彼女は迷いの竹林の道案内役…彼女は竹林中を飛び回っていて、いつ会えるか見当も付かないんです。」
「だが、たかが竹林だろ?そんなに広くないなら、そこまで言わなくても…」
この発言が大間違いだったのはすぐに解ることになる。
「レナ、迷いの竹林の広さを知っててそう言ってるんですか?」
「え?精々人里くらいの広さじゃ…」
俺は思いっきり墓穴を掘ってしまった。
「バッカじゃないの!?人里よりずーっと広いわよ!」
「人里の数十倍の広さよ。覚えておきましょうね、レナさん。」
「す、すみませんでした…。」
流石慧音先生、知識は沢山頭にある。
「此処よ。迷いの竹林…私から離れないで。迷ったら一巻の終わりよ。」
俺達は慧音先生の案内の下、迷いの竹林に入る事にした。
ー???視点ー
「うぇーん!お母さーん、お父さーん!」
どうやら呼ばれてるみたいね、今行くよ!
「ひっく…ひっく…」
「大丈夫?私が付いてるから、もう泣かないで。」
小さい女の子ね…何でこんな所に?
「どうしてこんな所に来たの?」
「お母さんの為にね、筍を採ってあげようと思って…」
優しい子ね。
「筍を探してたんだ。解った、ちょうど良い所があるの!こっちよ!」
女の子の手を引き、ある場所に案内する。
「此処!筍がかなり採れる場所なんだ!」
「…でも、筍は1つもないよ?」
確かに、何も知らないと此処には立派な竹しかないと思ってしまう。
「それがあるんだよ、ここに!」
私は地面のある一点を指差した。
僅かに土がひび割れている。
「何にもないよ?」
「そしたら、一緒に掘ってみようか!」
ひび割れた土を掻き分け、地面に穴を空けていく。
「あ、あった!」
土に埋まった真ん丸とした筍を掘り出し、女の子の顔に笑顔が戻った。
「お姉ちゃん、凄い!何で解ったの!?」
「筍はね、土から顔を出す前に採ると美味しいの。既に出ちゃったものも食べられなくはないんだけど…固くて中々食べにくいのよ。
食べ頃の筍は今のみたいに土がひび割れた所にある事が多いから、覚えておくといいよ。」
「うん!」
「もう少し探してみようか!」
この後も順調に筍を見つけ、いつの間にか女の子の両手で抱えきれないくらいの筍の量になった。
「そろそろ帰ろうか、あんまり遅いとお母さんが心配するからね。」
「うん!」
後はこの子をお家の近くまで案内してあげたら大丈夫だね。
暫くして…
「もう大丈夫!お家の近くだから!」
「そうなの?気を付けて帰ってね。」
「お姉ちゃん、ありがとう!」
「気を付けてね!」
…あの子には、お母さんやお父さんが居て、帰りを待ってる人達が居る。
私には…そんなのない。
「此所にいたのね、妹紅。」
「慧音?どうしてまた?」
それに、なんか見慣れない人達がいるし。
なんかあったの?
「例のあの件で来たんだけど…」
「あ、そのことね!あれからそんなに進展はないわ…強いて言うなら、人を見る事が多くなったくらいかしら。」
「ちょっと待って妹紅。ちゃんと皆に解るように説明して。私は解るけど、他の皆はポカーンとしてるわよ。」
「あ、そっか。」
皆に一から説明しなきゃ、この異変は解決出来そうにないしね。
ーレナ視点ー
慧音先生に案内されて着いた先には、一人の少女が居た。
白髪、でも歳をとって出来た白髪じゃなくて、まるで生まれた時から白髪のような感じがする、キューティクルが綺麗に輝いているから。
にしても、まさか「もんぺ」とは…
薄々予想は出来ていたが、この世界は数十年…場合によっては数百年前の世界なのか?
だとするならば、文明はそんなに発達していないはずだ。
しかし、はたてのあの服装…どう考えてもごく最近のものだ。
どういうことだ?
…それよりも、この異変の黒幕を知っているかもしれないこの人物…俺と似たような感じがする。
妙に親近感が湧くが、これは何なんだろう?
「まずは自己紹介から。私は藤原妹紅。この竹林の案内役をやってるよ。よろしく。」
妹紅が俺に手を差し伸べる。
「俺は彩埼玲奈だ、皆は俺をレナって呼ぶ。宜しくな、妹紅。」
握手を交わした瞬間、妹紅の顔が曇った。
「レナ…ちょっと聞いていい?レナってさ…実は人間じゃないとか、そんなことはないよね?」
「?意味がよく解らないが、普通の人間かと聞いているのなら違う。俺は死なない人間なんだ。」
すると、妹紅は急に俺の首根っこを掴んだ。
「あんた…蓬莱の薬に手を出したのか!?」
「な…何だよそれ!?蓬莱の何とかって聞いた事もないぞ!」
死なないと言った途端、急に怒り出した妹紅。
「待って妹紅!レナは蓬莱の薬のことなんて全く知らないわ!」
慧音先生が割って入り、俺は何とか解放された。
「能力持ちよ!薬に手を出した訳じゃない!それに、あれはそこら辺に転がってる訳じゃないでしょう!?」
「…本当なの?」
妹紅の質問に、俺は正直に返した。
「誓おう、蓬莱の薬なんて知らないし、飲んだりなんかしていない。」
暫く俺をじっと見る妹紅。
俺もしっかりと彼女の緋色の瞳を見つめた。
「…私の思い違いみたいね、ごめんなさい。」
良かった、信じて貰えたようだ。
「妹紅、答えられるんなら答えてくれ。その蓬莱の薬って…何なんだ?」
すると、妹紅は少し躊躇いがちに話し始めた。
「蓬莱の薬…それは飲んだ者を不死身にする禁断の薬…手を出したが最後、その者は死ぬという事がなくなる。私も飲んでしまった…あの時の私はきっと、憎しみに飲み込まれてしまっていた…」
「いや、今も私はきっと憎しみに囚われている…あいつが、あいつが此処に来さえしなければ!」
「あいつ?」
「蓬莱山輝夜…」
かぐや?かぐやと言うとあのかぐやか?
「きっと貴方の予想は正しいわ…レナ。『かぐや姫』のかぐや。彼女が今回の黒幕…でも、何をしようとしているかは解りませんが…」
「いや、何をしようとしているかは解るよ、慧音。あいつは絶対に何か人を困らせる事をやる。あいつはそういう奴だから。」
とにかく、今回の黒幕はあのかぐや姫だそうだ。
正直な話、信じられないが妹紅のこの様子からして演技とは考えられない。
それにしても、歴史的有名人物が出て来るとは…全く、何なんだこの世界は!
ーらぐな視点ー
「は?今何と?」
「簡単な話よ、貴方は中々の有力者の様じゃない。だから邪魔者を排除してほしいのよ。」
「邪魔者と言いますと、具体的には?」
「藤原妹紅…でも彼女はどうやっても殺せないから、戦えない程に痛めつけてやりなさい。後…何だっけ?ほら、最近有名の不死身とか言うあいつは…」
レナの事か。
「あいつもついでに痛め付けなさい。来るならの話だけど。」
…いい加減、この傲慢くそ女の顔を見るのも嫌になってきた。
ギロチンで首を落としたいんだけど…
『抑えるのよ!彼が来たことを確認してから執行しなさい!』
ですよね、流石です。
『でも、幾ら貴方とは言え、彼女の首を落とすなんてことは不可能よ。彼女も不死身…。』
だけど、執行だけは出来る。そうですよね?
『確かに…』
すみませんが、俺はあの女の首を落とすまでは譲りませんよ?
『解ったわ…』
ありがとうございます。時が満ちたら…
あの女を処刑します。
次回予告
「Δ4…死闘の幕開け」
ついに全面対決!
お楽しみに!