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100万回死んでも生き返りますが、何か?  作者: らぐな。
第三章「月は出ているか?と言ってみたい」
32/123

Δ2…歴史を律する者

PV90000、ユニーク11000突破感謝♪


2011,7/3,一部修正しました。


-???視点-


「永琳、作業はどうなってるの?」


「材料は揃いつつあるのですが…いざミサイルを作るという話になると、人手が足りな過ぎます。」


頭は良くてもこればっかりはどうしようもならない。


「3日では難しいかと…このままの人手では最低1週間はかかるかと…」


まぁそれくらいが妥当ね。


「要は人手を集めればいいのね?」


「ええ…ですが姫様、当てがあるんですか?」


舐めて貰っちゃ困るわ、永琳。


「あるわ。私を誰だと思ってるの?姫よ?しかも箱入りのダメダメ姫なんかじゃない。行動力だけはあるわ。」


私がこの地球に降り立てたのも、地球に根付いたコミュニティがあった故。


さて…私の人望、見せてあげるわ。






-レナ視点-


「こぉらぁ!あんたは何回私達を待たせれば気が済むのよ!」


「はぁ…はぁ…」


だから俺は人間だってと言いたいのだが、言う気力すら起きない。

疲労困憊(ひろうこんばい)とは正にこの事だ。


「ったく、仕方ないわね…近くに人里があるわ、今日はそこに泊めて貰いましょう。にしても咲夜…だっけ?あんた、人間なのに疲れが見えないんだけど。」


「私の能力で休みつつ動いているので、それほど疲れてないんです。」


「便利な能力みたいね…私なんか、写真を複写(コピー)するくらいしか使い道ないわ、羨ましい。」


「この能力がないと、紅魔館ではまともに働けないんです。仕事が多すぎて…」


「あ、あんたも大変みたいね…凄く急に疲れた顔になったわよ?」


後ろからでも解る、咲夜さんの溜息。


「仕事は苦にはならないのですが、あの『自称』カリスマ溢れる吸血鬼のお世話が大変なんです…あれをお嬢様と呼ぶなんて…妹様の方がまだマトモです。」


「確かに…あれを上手く操るのは難しそうね…」


なんか女性陣の話が深い…。


「あ、人里が見えて来たわ!急ぎましょう!」


休息の場所が見えてくるだけでも、テンションは上がる。

俺は残りの体力を振り絞り、はたて達を追い掛けた。


が、体力なんて残り一桁の勢いなので、また置いていかれた。


…これが後にちょっとした事件の原因になるとは、俺は考える事すら無かった。







「待て。」


「?」


後数歩歩けば人里に着くという所で、俺は見知らぬ女性に呼び止められた。


紺のしっかりしたワンピースをシャツの上から着ている女性。

…というより、この人も胸がでかいな…


咲夜さんは普通だが、はたてはあるとは言い切れないレベルだからな…っと、なんか脱線した。


淡い水色の腰までかかりそうな長髪が、風に揺らめく。

頭には…烏帽子でいいのか、あれ?


「貴様…私の教え子に手を出したそうだな?」


「え?」


訳が解らない。

教え子?彼女は先生か何かをやっているのか?


「惚けても無駄だ、この外道が。」


見知らぬ女性に罵られるような事、俺やったかなぁ…?


「話が見えてこないんだが…その教え子って誰なんだ?」


「チルノ…と言えば思い出すか?」


「!…ん?」


チルノって言えば、確か紅魔異変の時に突っ掛かってきて、ぶっ飛ばしたな…


!まさか!?


「待ってくれ!あれは正当防衛だ!あっちからいきなり喧嘩吹っ掛けてきたんだよ!」


「外道が!貴様の言葉など信じるか!この上白沢慧音が貴様に天誅を下す!覚悟!!」


そうして相手は俺に迫って来た!


「聞く気はなさそうだな…!信じて貰う為に、俺は戦う!」


両手に魔力を集め、放つ!


「弾を使える!只者ではないな!」


だが弾はかわされる、お返しが来た!


「うぉっ!狙いが正確だ!」


顔を狙う弾を、なんとかかわす。


「甘い!」


なっ…!?足が払われた!?


「うわっ!」


体勢を崩した俺に…


「終わりだ!」


鳩尾を突く一撃!


「がはっ!」


な…何だよ…これは…!パンチってレベルじゃねぇぞ…!


「まだ耐えるか…だが、貴様は運が悪いな。今日は満月だ…満月の時の私は…」


月の光を背中に浴びる彼女は、唇の端を軽く上げてこう続けた。


「何をするか解らないぞ?」


…あれは…!?


「私は少々特殊な生き物なんだ…狼人間の話は知っているな?」


「狼…人間…」


満月になると狼と化す人間か…


「私もそれと似ていてね…満月になると、私は力が高まるんだ。」


少しずつだが、彼女の姿が変わる。


頭に聳える一対の角。


服装の色すら変えてしまう彼女の変化は…

とにかく恐怖しか感じられなかった。


「私は白沢(はくたく)…不思議な生き物さ!」


血管が隆起するほど強く握られた拳が、俺を砕かんと迫る。


「貴様には死が相応しい…あの世で後悔するんだな!」




死にはしないだろうが、暫く寝たきりだろうな…




「そこまでだ、上白沢慧音。」


「「!?」」



声のする方に振り向くと、先程はたてが話していた少女と、もう一人の少女が巨漢の妖怪に拘束されていた。


「クカカカカ…まさか俺の変身能力がここまで役に立つとはな…おかげで誰にも気付かれずに餌を手に入れる事が出来たぜ。」


「貴様!彼女達を放せ!」


「おっと、それは出来ない相談だなぁ。…そうだ。そこにいる人間を殺せ。まぁ俺がなりきった人間だけどよぉ。そうすりゃこいつらを解放してやってもいいぜ。

君たちはしっかり見てろよ!先生が人殺しになる瞬間をよぉ!クカカカカ!!」


どうやら、俺はやるべきことがありそうだ。


彼女が俺の方を向く。


「…済まぬ…!」


踏ん切りがつかなそうだったので、俺は唇を動かした。


「………」


彼女の拳が、俺の腹に入った。






「クカカカカ!まさか本当に殺しちまうとはよぉ!それほどこいつらは大事か!?…まぁ良かろう、こいつは解放してやろう!」


妖怪は一人の少女を解放する。


「貴様!もう一人は!?」


「クカカカカ!こいつも解放したいのか!良かろう、条件をくれてやるよ!俺の女になれ、そうすりゃ解放してやるよ!」


「くっ…!」


「お前は美人だからなぁ、やりがいがあるってもんだ!クカカカカ!」


何のやりがいだよ…と思いながら、俺はこっそりと起き上がる。

それにしても彼女の拳は痛かった。うぅ…


幾らさっき唇で「遠慮なくやってくれ」と言ったとはいえ、痛いもんは痛い。


「さぁ、俺の女になれ!」




…バカだな。あの妖怪、俺を殺せると本気で思っていたのだろうか。




「なってやるから、さっさとその子を放せやこのクズ妖怪が!!」


相手はでかかった、それすなわち急所も高い位置にある!

なんせ股の付け根が俺の顔の位置にあるからな。


というわけで奴の後ろから〇〇〇〇を蹴り上げてやりました。


「%#&℃§△£∞!?」


その痛さ…俺も男だから解るよ。


「だが加減はしない!」


さらに蹴り上げ、奴を苦しめる!


「慧音先生!今のうちにその子を!」


「え!?わ、解った!」


目の端で人質だった子ども達が保護されたと確認し、俺は奴の左腕を掴む!


「うぉぉぉぉぉ!!」


背負い投げが決まったー!!


「ど、どう゛じで…ぎざまは…」


「俺は死なない人間なのさ。俺になりすますならもう少し考えろ。」


軽く妖怪を放り投げ、止めのスペルを発動!


「私も一撃いいか?」


横に並ぶ慧音先生!


「ええ、構いませんよ!」


「私に付いて来て貰えるか?」


「…了解!行きましょう!」


まず駆け出したのは先生!


「貴様が真の外道だな!許さん!野符『武烈クライシス』!!」


殴打、蹴り、怒濤のラッシュ!!


「負けてられないな!奥義ぃ!!」


両手に溜めるは超高熱!


「熔岩二重掌波ぁ!!」


妖怪さんこの時点でオーバーキル!


「「だがまだ気が済まない!!」」


止めの拳!


右からは慧音先生の拳!

左からは俺の拳!


「「あの世で詫びろ!!」」


妖怪、死亡しました。




「「これぞ見敵滅殺!!」」






「済まぬっ!私が誤解をしたばっかりに!」


「いやいや、構いませんよ。」


平謝りする慧音先生。


「チルノの事は本当ですし…」


「しかし…!」


納得がいかないようだ。


「そしたら教えて下さい。月の事ですが…」


すると先生は有力な情報を提供してくれた。


「欠けた月の話なら、私より詳しい人が居る。私の友達なんだが、会って話を聞いてみるか?」


「ありがとうございます!」




この後、咲夜さんとはたてに再会でき、翌日動く事にした。

次回予告

「Δ3…月破壊計画」


レナが出会った人物はまさかのあの人!


お楽しみに!

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