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100万回死んでも生き返りますが、何か?  作者: らぐな。
第二章「永遠に終わらぬ冬」
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Phantasm-3…生と死の境界の狭間で【後編】

妖々夢編完結っ!!

-レナ視点-


うん?


なんか今、周りの景色が歪んだ気が…


…気のせいか。


…しかし、奴が此処に来てくれれば、なんとかなりそうなんだがなぁ。





-咲夜視点-


…やった…?


結界を破り、追い撃ちにスペル一枚使用。


しかも一瞬の隙を突いた…倒せたと信じたい。


でも、念には念を。


「ボサッとしてないで撃って下さい!」


我に返った皆が弾を撃つ。


此処までしておけば大丈夫。




-紫視点-



弾を乱射なんて…やるわね。

でも、私には能力がある。

一時的に逃げれば後はじっくりと戦える。


隙間を切り開き、潜る。


そして相手の隙を突いてやれば終い…






「こりゃラッキーだ。まさかあんたから来てくれるとはな。」






…最大の誤算だった。


まさか降りた先に…


あの男が居るなんて!?


「八雲紫…この時を俺は…待っていた!」


「まだ死んでないのね…!この世界で死ねば、貴方は本当に死ぬ!それでも貴方は私に挑むと言うの!?」


これは脅しではない。

この世界は私の思い通りになる世界。




…生と死の境界すら曖昧になるこの世界で殺し合いをする時点で狂気の沙汰だ。




「んな事関係あるか。俺はあんたをぶっ飛ばさないと気が済まないんだよ!!」


…仕方ないわね。


「ならば望み通り殺してあげるわ!結界『生と死の境界』!」


結界を越えて私に近付けば…死ぬ!


「ルーミア…俺に力を貸してくれ!」


何あれ…十字架?





-レナ視点-


もしかすると、此処って…


それを証明するためにも、この結界を破らなければならない。


そのために…今こそ使う時だと感じた、この黒い十字架。


ルーミアから貰ったこのお守り。


「頼む…俺に力をくれ!」


…汝に力を託そう。


「俺は…あんたを倒す!」


…汝の心を示す剣を具現せん。


「うぉぉぉぉぉぉ!!!!」


十字架が輝き…!


十字架は新たなる形となる!


「こんな壁!」


十字架は黒い薙刀と化し、結界と拮抗!


「な…何…!?その剣は…!?」


「知らん!だが…俺の武器って事には変わりないぜ!」


火花が走るがそんな事はどうだっていい!


「ぶった斬る!うぉぉぉぉぉぉ!!!!!」


結界を斬り捨て、奴に特攻!


「突き刺され!!」


薙刀の剣先が、奴の身体に…








刺さらなかった。






「うにゃっ!?」


確かに刺さったはずなのに!?


「その剣…記憶が正しければ結界を貫く為だけに存在する剣なんだけど…」


「え?」


つまり…殺傷力…0?


「そしたらさようなら、俺の剣!」


剣を消して、改めて奴に向かう!


「最後はやっぱり俺の拳でって事だな!霊掌っ!!」


鳩尾に拳を入れる!


「いい加減倒れろや!」


「倒れるわけにはいかない…!」


傘で殴り返して来る!


「なめんな!」


傘を掴み、奴ごと投げ飛ばす!

いいとこなので、此処で話そう!



「…能力が使えねぇ?此処で死んだら終いだぁ?ハッ、そんな脅し文句で俺をどうこうしようって時点で間違ってんだよ!よくよく考えてみればおかしな話だよな!仮に、この世界で能力が本当に使えないって話なら、あんただってこの世界に閉じ込められてどうにも出来ねぇじゃねぇか!」



妙に頭が冴えてきた。俺ってまさか、生まれながらの戦闘民族とか?そんなわけないか。



「そのルールに疑問を持たせないために、あんたは一撃で俺を倒そうとしていた。だが、その行動にもボロがあった。よく考えりゃ、スペルカードってのは『能力の延長線上』のものが多い。あんたはさっき、『生と死の境界』ってスペルをぶっ放しやがった。それだってあんたの能力…『境界を操る程度の能力』の一部に過ぎないんだろ?つまりだ…此処では俺だってスペルカードを使えるって事になる!」


「まさか…そこまで解っていて、わざと隙間に喰われたって言うの!?」


「まっさか。あんたの隙間に喰われて気付いたよ。そうじゃなきゃ、俺はあんたに負けていたかもな。

…だが!これであんたのハッタリが解った以上、俺はこうする事だって出来る!照準『ハイパーグラビトンレンズ』!」


目の前にレンズをひとつ。


そして!


「砲符『リヴァイバル・改』!!」


いつもの収束レーザーだ!


「何処を狙っているの?」


レーザーはお世辞にも奴を狙ったとは言えない。


「そうだよな…だって目標はあんたじゃないからな。」


「!?」


向かうは、はるか高く!


「あんたの隙間を破壊する!それが俺の目的だ!!」


この世界は八雲紫が創り出す世界。

そして、この隙間はいくらでも広げられるようだ。

なら、隙間の端はどうなっている?


「空間固定はそんなにがっちりしていない!ならば入口さえ破壊すれば…!」


レーザーは入口だった場所を貫いた!


「隙間は形を崩す!」


そして外から、箒に乗った少女が。


「魔理沙!いいとこに来たな!」


「乗って!」


「あいよっ!!」


箒に飛び乗り、外へ!


同時に出てきた奴に対し、俺は弾で牽制!


「一回出れても、私はいくらでも隙間を構築出来るのよ?」


「だろうな!」


俺は箒から飛び降り、奴の上を取る!


「隙間は私の上にも構築出来る…再び閉じ込めてあげるわ。」


「そんな事はさせないぜ!」


奴に降り注ぐ弾!


「くっ、泥棒め…何処までも邪魔をして…!!」


奴は俺じゃなく、魔理沙の方に意識を向けた。


「サンキュー、魔理沙。奴の気を逸らしてくれて。」


「!?」


しまった、彼が上に…!


「此処は幻想郷!能力は心おきなく使えるな!」


右手に霊掌…

いや、違う!あれは…!


「魔力付きの拳を喰らえっ!!霊魔掌!!」


奴の身体が僅かに地面に沈む。力が大きい証拠だ。


「ついでに新技でも喰らいやがれ!奥義っ!!!」


今度は両手に何かが…!


煙が…立ってる…!!



溶岩二重掌波ようがんにじゅうしょうはっ!!!!」



両手から押し出されるようにして放たれた灼熱は、彼女を包み…!!



「これが…死なない俺の…!」




爆発!!!!




「戦い方だっ!!」















「ただいま…って、誰も居ないか。」


久しぶりに戻った、俺の始まりの地。


「居るわよ。」


いつものように軒下でお茶を啜る巫女。


「無事だったのね。連絡ないからてっきり…」


まさか死んだと思われていたんだろうか。


「俺がそんなことで死ぬとでも?」


「…まぁいいわ。それより、これ。」


ぽんと渡された、数百枚はあるであろう紙、紙、ペーパー。


「貴方が八雲紫を倒しちゃったものだから、妖怪討伐依頼がかなり届いているわ。」


「…は?」


「人間に危害を加える妖怪達を懲らしめてやりなさい。今や貴方は英雄扱いよ?英雄が人々の願いを叶えないなんて話、そんなの有り得ないから。」


「待て、俺に休みは」


「そんなのないわ。英雄に休みはないの。ほら、行った行った!」


「マジかよ…」


俺はほんの3分くらいで追い出された。


…でも、他人に英雄なんて呼ばれるのも悪くはないな。



「人間は食べ物なのだー!」


「食べ物じゃないから!ったく、いい加減にしないと怒るぞ!」



ルーミアは常に見ておかないとまずいな。



「助けてー!」


「ニンゲンハオレタチノエモノダ!」


こいつは救いようがなさそうだ。


「待ちな!」


「ダ、ダレダ!」


妖怪に指差して、俺は言う!


「不死身のレナってのは、俺の事だ!!」


暫くは妖怪達をどつき回さないといけないようだ。



‐妖々夢編、終‐

次回から永夜抄編に突入です!


少し待ってて下さいね!


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