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100万回死んでも生き返りますが、何か?  作者: らぐな。
第二章「永遠に終わらぬ冬」
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Phantasm-2…生と死の境界の狭間で【中編】

やっと中編です…


-紫視点-


…勝った。


何人たりとも、あの隙間に喰われた者は私の許可なしには出られない。


それに、あそこは『幻想郷であって幻想郷でない』場所…能力は自由には使えない。


…どうあがいても無駄よ、彩埼玲奈。


貴方はもう…諦めるしかないわ。




-レナ視点-


「うわぁぁぁ!!」


ドン!


「痛たたた…つーかまた落ちたのかよ…で、此処は何処だ?」


…と言わなくても何となく場所は解る。


八雲紫の能力で作られた世界。


そういや、「あの時」もこんな不気味な眼に見られていたな。


つまり、俺は奴に捕まった…というわけだ。



「どうすれば出れる…?」


軽く周りを見渡す。


当然の事ながらドアとか外に出れそうな雰囲気を醸し出すものなんて全くない。


あるのは不気味な無数の眼と紫色の世界。


「…困ったな…」


先程の落下でかなりの距離を落ちた事を確信した俺は上に向かう事を諦めた。

そのかわり暫く歩いてみることにした。


上に出口がなければ横にあるんじゃないだろうかという僅かな可能性に賭けて。





それにしても奴は凄いな…幾ら自分の能力とは言え、此処まで自分の世界を広く創り出せるとは。


だが、デメリットはないのだろうか?

俺は、傷はすぐに治るが疲れはすぐに治らない。


奴の能力が俺と同じ制約を受けているとするならば、いずれ奴にも限界が見えてくる。

能力はただでは使えないだろう。

能力を使うのに体力を使うのが普通…

あれか、奴はチート級に強いから能力はガンガン使えますよって事か。


…まぁとにかく俺は体力を温存しつつ好機を待つしかないようだ。





-紫視点-


「やられたわね…」


私は自分の家…マヨヒガに戻り、事態を知った。


マヨヒガは全焼。


そして藍と橙が行方不明。


私は懐から一枚の人型の紙を取り出した。


これは藍の状態を表すパラメータのようなもの。


藍は私の式神…故に私が管理出来るようになっている。


仮に彼女にダメージがあれば紙が燻ったり、破れたりする。



ところが紙に異変はない。藍は無事のようだ。


「つまり…匿われたか(さら)われたかの二択ね…でも仮にも藍は九尾…掠われたなんて事は有り得ないわね。」


藍は元は九尾の狐…伝説クラスの妖怪。力はかなりあるはず。


「でも…やってくれたわね。」


結構建てるのに手間隙かかってるのよ?

それをボロボロにして…やった奴は許さないわ。




「やっとおいでになりましたか、八雲紫。」




…中々面白い事になったわね。


「あら、紅魔館のメイド長がこんな所で油を売ってていいのかしら?」


十六夜咲夜。


「油を売ってる訳ではないです、玲奈を返して貰いに来ました。」


やはりか。


「そう、でも彼は返さないわよ?彼はこの世界に居てはいけないイレギュラーと化したんだから。」


「…彼をこの世界に引きずり込んでおいてよく言えますね。」


「だから何?不必要なものは捨てるなり消すなりするでしょう、貴女だって。今回は『たまたま』彼が不必要だっただけよ。」


挑発に…






乗った!


「それでも彼は人間…他人に不必要なんて言われる筋合いはない!奇術『エターナルミーク』!」


彼女の姿が消える…いや、高速で動いているだけね。


ナイフは痛いから、これでかわしましょう。


「境符『四重結界』」


この結界は身を守るには十分。それに…


「くっ!」


自動で反撃出来るように仕込んである。


弾幕をかわしつつ、結界を破るなんて不可能に近いわ。


「…確かに一対一ならば辛いですね…ですが!時符『プライベートスクウェア』!」


またまた無駄な事を…結界でナイフは弾かれるだけなのに、何故そうするかしら?


…?


何か…暗いような…?


「あたい最強!新技を見せてやる!氷塊『グレートクラッシャー』!!」


上から!?


落ちてきた、氷の塊。



結界が…震える!




「く…結界が…割れた…!」


妖精だからって馬鹿にしてたわ!


四枚結界を張ったのに、一枚は割れ、二枚目にもひびが入っている…!



「今よ!一斉攻撃!」



!まだ居るの!?



「いくのだー!」

「えーい!!」



全方位からの一斉弾幕掃射は、結界をさらに弱らせる。



「く…周りが…見えない…!」



そしてその間に、更なる攻撃の準備がなされていた。



「皆、射撃止めて!」



弾幕が…消えた?



「止めは任せるわ!」



「任されました!魔力チャージ完了!魔理沙、そっちは!?」


「こっちもOKだぜ!魔力チャージ率150%!行けるぜ、パチュリー!」



視界が晴れたと同時に、それらは放たれた!



「魔砲『ファイナルマスタースパーク』!!」

「日符『ロイヤルフレア』!!」



かわしきれない…!!



閃光と爆風が、辺りを包んだ。



「…まだ…!」


結界のお陰でダメージは受けなくて済んだ。



しかし、結界が破れたということは攻撃をもろに喰らうということ。



そして、一瞬の隙を突かれた!



「甘いですよ。幻符『殺人ドール』」



なっ…!?



血の華が、鮮やかに咲いた。

次回予告

「Phantasm-3…生と死の境界の狭間で【後編】」



妖々夢編堂々完結!



お楽しみに!

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