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100万回死んでも生き返りますが、何か?  作者: らぐな。
第二章「永遠に終わらぬ冬」
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終わらぬ冬の始まり

本格的に妖々夢編が始まります!


*2011,6/17,一部修正しました。


「ふぅ…」


彼、彩埼玲奈は紅魔館でフランの専属執事として日々働いていた。


「…よし、今日の作業はおしまいっ!」


ぐっと身体を伸ばし、疲れを取るように肩を揉む。


と、そこに咲夜さんが何かを持ってやってきた。


「…玲奈、霊夢から手紙が…」


「ん?」


丁寧に封がなされた手紙。


俺は手紙を開けて、中に入っていたものを取りだした。




『拝啓 彩埼玲奈様

…ごめん、さらわれた。場所は解らない。

敬具 博麗霊夢』




「はぁ!?」


うん、訳が解らないね!

一行の手紙とか聞いた事ないね!


「…どうしろと?」


「これは…助けた方がいいんじゃ…」


「だよな!?これ、助けた方がいいよな!?」


とにかくやばいのは解る、解るんだが!

…肝心の場所が解らないんじゃ、話にならない。


「…ん?もう一枚?」


おお、此処に場所を記してるんだな!流石だ霊夢!



『追伸 レナって女装とかした事ないよね?』



「はぁ!?」


本日2回目。


「何だこれ!女装なんてしたことないぞ!?」


「とにかく、霊夢を探さないとまずいと思いますよ?」


「そ、そうだな…」


霊夢の手紙の内容には少々どころか多数の疑問を感じるが、霊夢を助けないとまずい気がするのもまた事実。

俺は準備を始めようとした、その時。


「あれ?今俺が行ったら、フランはどうなるんだ?」


「妹様なら私に任せて下さい。その代わりと言ってはなんですが…」


咲夜さんに連れてかれ、俺は門へ。






「…また寝てる…」


シュ、グサッ!!


「あわわ!?いつの間にか寝てた!」


頭にナイフ刺さってるよ…美鈴。


「『寝てた』じゃないわよ…美鈴、玲奈と一緒に仕事をしてもらうわ。」


「ふぇ?」


美鈴は状況を理解していない様子だ…寝起きだからだろう。


「博麗霊夢が何者かにさらわれたみたいだから、貴女は彼と一緒に助けに行って。」


「あの腋巫女を助けに?」


さらりと酷いことを言ってる…


「ええ。今の内に恩を売っておきなさい。お嬢様が復活したらまた迷惑かけるでしょうから。」


「解りました!それじゃ、行きましょう!」


「え?ちょ、まだ準備が…あーれー!」


美鈴に引っ張られる俺。襟掴まれてるものだから首が絞まままままままま


「あれ?玲奈さん、意識無くしちゃった…」


美鈴が気付いた頃には、俺は意識不明だったのは言うまでもない。





‐霊夢視点‐


…はぁ、困った事になったわ。


何処か解らない場所に連れて行かれたばかりか、ご丁寧に結界まで張られている。

出るのは難しそうだ。



私は謎だと思う事がいくつかある。



まず第一に、連中は何の目的で私をさらったのかしら?

人質?それとも他の目的?


わざわざ私を人質にしたとして、何を要求するのかしら?


他の目的があるとするなら、私で誰かをおびき寄せる?誰を?



第二に、レナって女装した事あるのかしら?


こう考えたのには訳がある。


~回想~


それはある日の事。


何時ものように博麗神社の境内でお茶を啜ってたら…


ドガン!


「何!?」


慌てて飛び出した私は、賽銭泥棒に遭った事がすぐに解り、犯人を追いかけた。


「待ちなさい!賽銭泥棒!!」


しかし、相手もかなり速かった。

そして、地面を走ってる所を見ると、どうやら常習犯の彼女ではなさそうだと解った。


「止まりなさい!霊符『夢想封印』!」


スペルカードを使えば、なんとか捕まえられそうだと思ったけど…


「こんな所で捕まりたくないのでねぇ。逃符『エスケープ・フロム・オーガ』」


相手もスペルカード持ちで、さらに加速して逃げられてしまった。


「…ついてないわね。」


あんな速さで逃げられては捕まえるのも至難の業…諦めた私は神社に戻る事にした。


その途中。


「あれ、レナじゃない。」


白いフリフリのドレスを着た人が立っていた。

顔がレナのものだったから、私はレナだと思っていた、ところが…



「傷符『炸裂する痛み』」



…気がついてみたら此処だった。


~回想終了~


それにしても、あれはレナだったのかしら?

レナにしては声が女性に近かった。


でも、確信が付かなかった、だから私は手紙にあんな事を書いたのだけど、レナに伝わったかしら?


…此処は何処なのかも解らないけれど、今は助けを願うしかなさそうね。





-レナ視点-


「大丈夫ですかー?玲奈さーん?」


「おうぉっ!」


やばい、魂が持ってかれそうだった。


どうやら俺はずっと美鈴に担がれていたようだ。


「…済まない、美鈴。」


「いえいえ、生きてるだけで十分です。」


…まるで『俺は死の淵に今まで立ってました』的なニュアンスは止めてくれ。


「…にしても、もう冬なのか?紅魔館周辺はまだ紅葉したくらいなのに。」


「ですよね。何かがおかしい気がします。」


美鈴は雪の中を歩いていた。


この積もり方…真冬だぞ?


美鈴の足が半分程雪に埋まっていて、見るだけで辛そうだ。


「美鈴、代わろう。」


「いえいえ、ちょっと捕まっててくれませんか?」


「?ああ…」


言われるがまま、俺は美鈴の肩を掴む。


「捕まりましたね!行きますよ!」



軽く助走して、美鈴は飛んだ。



「さっきは玲奈さんが気絶しててこの手段が取れなかったんですよー!」


確かに、捕まっていないと落ちるな。


「…なんかごめん。」


俺は美鈴に担がれたまま、この雪の道を進んでいった。


次回予告

「@1…冬に舞う、2つの花」


レナ達の前に現れたのは…!?


お楽しみに!

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