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100万回死んでも生き返りますが、何か?  作者: らぐな。
第二章「永遠に終わらぬ冬」
14/123

秘密の会談

お待たせしました!

今回から第二章突入です!


PV20000、ユニーク3500突破感謝!


*2011,6/17,一部修正しました。


「うぅーん、今宵も月が綺麗だわ。まるでお団子みたい。」


私は真ん丸の白い月を見つめていた。




「そうね、幽々子。」




いきなり彼女が現れるのは何時もの事。

別に驚く事はない。


「紫じゃない、久しぶりね。」


数ヶ月ぶりに会った気がする。もしかしたら実は一週間しか時間が経っていないのかも知れない。


「そうね…良い酒、持って来たわ。」


ごとりと置かれた、褐色の瓶。

一升瓶みたい。


「月を見ながらの酒って風流があっていいわ〜。」


盃を交わし、少し飲む。


うん?このお酒…。


「美味しい!何処の酒なの?」


「妖怪の山産よ。…萃香手作りの酒。」


そう言えば、お酒造ってるって言ってたような。


「萃香ちゃん、腕上げたわね〜、流石ね。」


「ええ…今度お礼を言わなきゃね。…ところで、本格的に飲む前に少し話をしたいんだけど、良いかしら?」


「…なぁに?」


大体、彼女から話題を持って来る時はイベントを起こすつもりだと言うのは昔から変わらない。






彼女が口を開く。


「紅魔異変は突発的だったけど、私が送った例の彼のおかげで解決したわ…

どう?次は私達が異変を起こさない?」


「霊夢ちゃんが止めに来るかも知れないのに?」


大体この手の異変を解決するのは博麗霊夢、彼女だというのが相場だ。

彼女は強い…わざわざやられに行くだけだったという可能性も無きにしもあらずだ。


「手は打つわ。霊夢は今回も出番なしにしておく。でないと楽しくないじゃない。…私はあくまで彼の力を見たいの。」


「うふふ…変わらないわね、紫も。でも…準備に時間掛かるんじゃないの?私達だけじゃ。」


久しぶりに動きたい…それは私も、そして彼女も同じだった。


「そう思って影の立役者を呼んだわ…」


そうして現れた、一人の男。いや…まだ子どもね。


「始めまして。私、こう言う者で…」


彼は私に紙を渡す…名刺ね。


「文々。新聞の記者さんなの?」


名詞に書かれたその文字を読みながら、私は彼に聞く。


「ええ。一応、ですがね。」


けれど、私は見逃さなかった。

彼の眼が一瞬、ほんの一瞬だけだが私から離れた。




彼は嘘をついている。




「…嘘はダメよ?正直になさい。」


彼は観念したようだ。


「いやぁ、流石ですね。やはり幽々子さんは騙せませんか…。本業ではないですね、あくまで副業です。…その点では私は嘘をついてませんよ?」


「…みたいね。目は嘘をついていない。で、貴方の目的は?」


「それは話せませんね。此処で話すと少々計画に狂いが出ますので…」


あまり詮索はしない方が良さそうだ。






「…そう。紫、彼は何をするの?」


「仕込みよ。…霊夢を止める為の。」


「彼が霊夢ちゃんを?相当強いのね。」


「…まぁ、私ですら殺せないからね…彼は。」


実力者の紫が彼を殺せない?そんなことがあるの?


「紫が殺せない?…凄いわね。じゃあ私が殺してみようかしら?」


「止めなさい、殺すなら異変を起こした後にしなさい。彼、怖がってるわよ。」


ぶるぶる震えてる…可愛い。


「やーねー、冗談に決まってるじゃない。それで、私は何をしたらいいのかしら?」


「…幻想郷の季節を冬に固定して。」


「冬に?…紫、あなた寝ちゃうじゃない。」


彼女は冬は冬眠する…それじゃ意味ないような気がするけれど…?


「今回は冬眠しないわ。…力を溜めておく。ついでに、あの桜を咲かしてみたら?」


彼女は枯れた木を指差した。


「良いわね。でも、あの桜、滅多に咲かないわよ?それに…『桜の下には死体がある』なんて良く言うじゃない?あの桜が滅多に咲かないのは…もしかしたら死体があるから、じゃないの?」


亡霊な私が言えた事じゃないけれどね。


「あるとしたら、あの桜はおかしくなってるわ。…それこそ、妖怪になってたりしてもおかしくない。」


「それもそうね。…やってみるわ。」


まぁ、咲いたら咲いたで運が良かったと思うくらいがちょうど良い。

あれはうんともすんとも変化を見せない…ずっと。


「私は霊夢とあの泥棒をどうにかするわ。…貴方には霊夢を撹乱して貰うわ、良い?」


「ええ。博麗の力、見てみたいですし。」


彼は笑顔で答えた。


「…良いわ、これで話は終わり。さて、飲みましょう?」


彼女は瓶を持つ。


「そうね。…もうすぐ秋だし、月は奇麗になるわ~。」


「冬が来るのが待ち遠しいですね。」


「そうね。それまでは…つかの間の平和を楽しみましょう?」


その後、私達は朝まで飲んだ。

…秋の香りが近付く空の下、私達は平和を謳歌していた。











「次の異変はあの八雲紫が起こすそうだ。…君の望むとおりの展開になってきている。」


「…そう。そしたら、彼も見つかるかな?」


「間違いなく。霊夢は俺と紫が止めるし、泥棒はきっと霊夢を追いかける…計画通りなら、彼女を止めるのは彼だ。おまけは居るかも知れないがね。」


「…新聞記者には勿体無い存在ね、貴方は。まぁ、新聞記者じゃないけど。で、この情報も編集長様にリークするのかな?」


「ああ。スクープだから彼女も喜ぶさ。それより、君の望みも達成出来そうかい?」


「おかげさまで。貴方と組んでおいて良かったわ…




自称文々。新聞下っ端記者のらぐなさん。」




「それは何よりだ…砕先零奈(さいさき れな)。」





様々な思惑が交差する…だから、この世界は面白い。



にやりと笑う彼の目に映る未来は。

どう転がるか予測不可能だ。

次回予告

「終わらぬ冬の始まり」


レナに届いた、衝撃の知らせとは!?


そしてレナのコンティニュー生活が再び始まる!


お楽しみに!

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