雑魚を最強にする方法
-霊夢視点-
「あれは…!?」
明らかに様子がおかしい霖之助。
なんかぶつぶつ言ってるし…
「殺してぇ、マジぶっ殺す…みんなみんな、肉片にしてやる…」
「霖之助に何をした!?」
魔理沙がはっきりと怒りの表情を示す。
それに対し、あいつ…先代博麗はまったく動じず、淡々と答える。
「死ぬのはこの弟子か、お前らか。それだけ。頑張って殺し合いをしてちょーだい♪」
「てめぇっ!!」
怒りの魔理沙が動いた、既に右手にはエネルギーを溜めている八卦炉を握り、先代博麗の方に向かう。
「待って魔理沙!!冷静に…!?」
魔理沙の目の前に立ち塞がる、霖之助。
「お前からか…クレイジィな叫びを聞かせてくれよぉ!!古代剣『草薙』ぃ!!」
紅く輝くその剣を、躊躇なく降り下ろすその様に、正気の霖之助は見えない。
「喰らうかよそんなの!」
かなり無理矢理に身体を捻り、剣をかわし…
「霖之助を返しやがれ!邪恋『実りやすいマスタースパーク』!!!」
いきなりの大技、かなり太いレーザーの反動で魔理沙の上半身がよろける。
こんな至近距離で大技を使う以上、魔理沙は怒りに囚われているとしか考えられない。
「ふひゃひゃひゃ!そりゃ強い!けどなぁ!!」
霖之助は草薙の剣を目の前の地面に突き刺し、剣を盾にする。
「こいつの特性を忘れちゃいないかい、魔理沙さんよぉ!!」
剣に光線が直撃する、しかし光線は剣の盾によって真っ二つに分かれていく。そこまでは予想通りだった、ところが…
「なっ…!?」
隔たれたはずの光線が、剣に吸い込まれていく。
「ほぅら見たことか!…ま、次にやることは解るよなぁ?」
剣の柄を持ち、構える霖之助。
「イッちまいなぁ!!」
ちょうど魔理沙の隙を狙う形の反撃、剣の一閃が襲いかかる。
「させない!」
…が、その一閃は空を斬るだけの形になる。
「…助かったぜ、紫。」
隙間に救われた。
「構わないわ。しかしまぁ、あんな武器も持ち合わせているなんて…困ったものね。」
「今なら夢想天生を使えるけど、一気に仕留める?」
そうすれば魔理沙と紫だけは万全な体勢で戦える。
「今使うのは賢明じゃないわね…あの化け物が後に控えてる以上、ここでいたずらに力を使うのは良くないわ。」
「出し惜しみも良くないんじゃない?ここで傷を負う時点でアウトよ。」
「それも言えてるのよね…」
はぁと嘆息する紫。
「…霊夢、支援を頼めるか?」
何か案が浮かんだような不敵な顔を浮かべる魔理沙。
「いいけど…どうすんの?マスタースパークは普通に吸収されるわよ?」
魔理沙=マスタースパークの大火力というのが常識な以上、マスタースパークを封じられればかなりキツイはず…
「確かにな…マスタースパークは所詮飛び道具…手を打たれて吸収だ…んじゃどうするか?『マスタースパークを武器にしたら』どうなるんだろうなぁ?」
武器?
「は?マスタースパークを武器に?何言ってんの?弾をどうしたら武器に出来るのよ?」
「考えはあるんだ、後はそれを実証するだけなんだが…ほんの2秒だけでいい、私に時間をくれ。」
「…解った。紫、2秒くらい余裕よね?」
紫の方に目をやると、紫は何時ものように扇子を広げて答える。
「先代じゃないから余裕よ。」
「…だそうよ。しくじったらタダじゃ済まないわ、一発で決めてよね。」
「そうプレッシャーかけないでくれよ霊夢…けど、私は決める。決めてみせるぜ。」
「その言葉が聞けて安心よ…行くわ!!」
時間稼ぎ、最大攻撃できっちりと稼がせて頂くわ!
「時は金なりってね!」
何時もより1.5倍(自己申告)の弾幕を張り、動き方を制限する。
「大口叩く割にはそれかぃ!甘ちゃんなんだよ、お前はぁ!!」
「私がいることを忘れてない?」
「はぁっ…!!!?」
流石に『いきなり自分の左側に紫が現れました』となったら誰でもびっくりする…私もまだ慣れないんだから…
「時間はきっちり2秒、稼がせて頂くわ。」
傘の先で霖之助の脇腹を突き、突き飛ばす紫。
「ありがたいぜ紫!チャンスは出来た…!!」
紫の側を風のように通り抜ける魔理沙、いつの間にか箒に乗っていた彼女の箒の向いた先は…
「ごふっ!!」
箒を霖之助に押し付け、そのまま空に上がる!
「おい偽物…いくら草薙の剣が『魔力を吸って力を蓄える剣』とは言え、こんな至近距離でさっきの食らったら…どうなるんだろうなぁ?」
「放せ!」
剣を振り抵抗するが…
「そうは問屋が卸さないぜ!」
右手に弾を一発ぶつけられ、剣は霖之助の手を離れる。
「さて…剣もなくなったことだし、終いの一発入れてみようか…!!」
魔理沙は霖之助に八卦炉を押し付ける!
「恋符…『零距離マスタースパーク』!!」