魔界の掟
今回仕込み故かなり短いです…
-レナ視点-
俺は玄爺さんの助けを借りて、なんとかあの魑魅魍魎の軍団から逃れることが出来た。
「…まったく、こんなところに一人で乗り込んでくるとは…無謀の無謀、そのまた無謀じゃぞ。」
「そうみたいっすね…覚悟はしてきたはずなんですが、まさかあそこまで酷いとは…」
「わざわざ乗り込むということは…。おぬしも甦りたいとかぬかすのではなかろうな?この間もそんな馬鹿なことをぬかしおった輩がおっての…ちょうどおぬしに似ている輩じゃった。」
「前例があるんですね。なら俺もその前例に倣います。」
すると、玄爺さんがいきなり怒鳴り始めた。
「馬鹿を言うでないぞ!最近の人間は『恐怖』を知らんのか!?あの化け物と言い、この間の倅と言い、おぬしと言い!いい加減にせんとあの『神』が怒り狂うぞ!そうなったら終いじゃ!此処も、幻想郷も!」
「どういうことで?」
「この世界はたった一人の神によって成り立っておる!神綺…彼の者がその気になれば、世界の一つや二つくらいなんでもないわ!寧ろ今まで怒り狂わなかった方が不思議じゃった!今おぬしがやっていることはそういうことなんじゃぞ!?」
「…なら急がないといけませんね。幻想郷が危ないとなれば、早めに手を打たなくては…」
「…全く、人間の言う事はいつも同じじゃな。儂がそう言えば、おぬしらは早く動こうとする…」
「そう呆れているふりをして、本当は心配なんでしょう?だから俺にも付いてきた…違います?」
「うるさいわ!老体は大切にせい!!」
…わかりやすいな、このカメ。
「とにかく神綺に会いたいんだな!?ならば儂に乗れ、ひとっとびで向こうに…!」
そう玄爺さんが言うので、お言葉に甘えて甲羅に飛び乗ろうとした、その時。
「待ちなさい!」
目の前に立ちふさがる、一人の少女。
子どもだ、それにまるでマーチの先頭に立って棒を振り回しそうな感じだ。
…というより、まるでではなくまさにそれだ。
「お前が侵入者だな!あなたくらい、ぴゅっぴゅっぴゅーのぴゅーよ!」
…言いたいことがよく解らないが、チルノと似た感じがする。
つまり相手にとって、俺は雑魚、と。
「なら本当にぴゅっぴゅっぴゅーのぴゅーに出来るか…」
俺は奴に接近!
「試してみろ!!」
すかさず霊掌を相手にぶつけようとする。
「そんなの当たらないんだから!」
少し舐めていたようだ、流石に加減しているとかわされるか。
「これでも食らえ!」
カウンターと言わんばかりに棒が俺に振り下ろされる。
「にゃろっ!」
俺はその棒を掴もうと手を伸ばす。
いや、伸ばしたはずだった。
「ぐっ!!」
棒を掴めずじまい、そしてその棒は俺の頭に直撃した。
「あ、当たった?なんだかよく解らないけどちゃーんす!」
これを好機と見たのか、相手は俺を滅多打ちに殴る。
…おかしい、どう考えてもおかしい。
なんでだ、なんで俺はまともに防御が出来ない?
「おぬし…まさか!」
食らっている内にわかった、なぜだか俺にはこの世界の『距離感』がわからない。
ちゃんと目は見えている、なのに距離感だけが掴めない。
「おぬし、まともに瘴気に触れた事がないのか!?」
瘴気?なんだそれ?俺は正気のはずだ。
「化け物巫女に封印されかかったけど、千載一遇の汚名返上チャンス!私オレンジがついに人間を…!!」
くっ、次でかいの食らったらまずいぞ、俺!
が、距離感は最後まで味方をしてくれなかった。
紫も言ってたな、「五感が潰された人間はダメだ」って。
「倒す!!」
最後に感じたのは、右の頬が沈むような感触と痛みだった。
次回予告。
レナの身に起きた異常!
はたして彼は…!?
というわけで次回
「異常な世界の異常事態」
お楽しみに!