魔界入りしました
pv28万突破ひゃっほう!
「う…此処は…?」
俺は確か、化け物みたいな奴に心臓砕かれて…死んだ。
痛いとかそんな事思う暇もなくて、本当にあっさりと死んでしまった。
しかし、俺が死んだという以上、幻想郷はどうなるのだろう?
守矢神社の件はどうなったのだろう?
霊夢や皆は無事なのだろうか?
…が、もう死んだ身だ、物事を憂うことが出来たとしても、もう俺には何も出来ない。
そう言えば、死んだ者って確か閻魔大王様…いや、四季映姫さまに世話になるんじゃなかったっけ?
となれば、近いうちに彼女に会えるのだろう。
…と思った瞬間、景色が変わったように思えた。
暖かい。ちょうどいい塩梅のそよ風が心地よく感じられる。
俺は川の土手に寝転がっていたようだ。
俺は身体を起こし、辺りを見渡す。
土手。川。…おしまい。
人影も、人の気配もしない。
そう解った瞬間、妙に風が冷たくなったように感じた。
独り。その事実が、まるで俺をどこか遠いところに持って行きそうで、なんだか不安になった。
「…よし!」
俺は立ち上がる。
どうせ死んだ身なんだ、時間は限りなくある。
なら色々見て回ろう。
…と歩き出した、その時だった。
「おーい!おーい!!そこの青年、待ってくれ!」
青年と呼ばれたので、誰の事かと周りを見渡すが、俺しかいない。
やがて声の主が、川の上流から流れてきた。
木製の小舟に乗った、鎌を持った赤い髪の女性。
彼女が俺を呼んでいたようだ。
「あぁー、良かった良かった!あんたを見つけられなかったら映姫さまに怒られる所だったよ。っと、自己紹介がまだだったね。あたい、小野塚小町。よろしくな。」
「あ、ああ…」
初対面のはずなのだが、俺は成り行きで小町という女性と握手した。
「あんた、彩埼玲奈でOKだよな?」
「?ああ…そうだが、それがどうしたんだ?」
「単刀直入に言うわ、『もし仮に』生き返る事が出来ますよって言われたらあんた、どうする?」
「!?」
待て、死人はそう簡単にパンパン生き返れるものなのか?
「…実は嘘でしたってオチじゃないんだよな?」
「嘘じゃないさ。死人をさらに辱めるのは此処の規律で固く禁じられてるんだ。だからあたいはあんたに嘘を付かない…いや、付けないんだよ。」
へへっと軽く笑う小町。
「まぁ嘘付いても良いことないしね。で、さっきの話だ。あんたはどうしたい?」
「俺は…」
答えは、決まっている。
「その話、詳しく聞かせて欲しい。」
「ああ、悪い話じゃないはずだよ?なんせこの話を振ったのは映姫さまさ。結構時間もあるしさ、これに乗ってから話をしようじゃないか。」
俺は小町に言われるがままに小舟に乗った。
すぐに舟は川を下り始める。
「まずあたいについてだ。あたいは此処…みんな『三途の川』なんて呼んでるこの川で、あんたのような魂を導く仕事をしてる死神の端くれさ。」
「つまり水先案内人…ってことか?」
「そういうこと。まぁあたいについてはこれくらいにしておいて、そろそろ本題に移ろう。あんた、死ぬ瞬間のことを覚えてないかい?」
「死ぬ瞬間?…化け物に首根っこ掴まれて、んで…心臓砕かれて…」
「うん、結構覚えてるんだね。なら話は随分と早くなるね。問題なのはその『化け物』なのさ…あれ、言っちゃうと悪魔なんだよ。」
「悪魔?」
…というと小悪魔とかレミリアとかのあれとは違うのか?
「ああ。私達の間じゃ、『悪魔』ってのは2つに分かれるんだよ。一つは魔法使いとかが自分の下僕として呼び出す下級の悪魔。んで、もう一つはまさに『化け物』…あんたには堕天使とか神に反逆する奴って言えば解るかな?そういう力の強い、魔王みたいな奴さ。今回あんたは『化け物』の方の悪魔に殺された…これがちょいと問題なのさ。」
どんぶらどんぶらと舟が流れていく。
「化け物はどうやっても化け物でね…呪いのようなもんを目標とした獲物に付けるのさ。その呪いが、あんたを苦しめる。詳しくは解らないけど、とにかく映姫さまですらどうにもならないレベルなんだよ。んで、その呪いを解かない限りにはあんたを復活させることなんて無理だ、そう考えた映姫さまは地獄の暗黙の規律を破ってまで、ある人物に呪いを解くことを依頼した…」
「そのある人物って…?」
「それについてはあたいも名前しか聞いた事ないんだよ、なんせ会ったことすらないもん。でも名前だけなら解る…『神綺』、彼女だか彼だかがあんたを助けてくれるって話さ。」
「で、その神綺って人に会いに行くわけか?」
「うん。だけどね…それにも問題があるわけよ。先に言っちゃうと、あんた一人で会いに行くことになるんだ。」
「え?」
「今から行く世界に問題があるわけさ。今からあんたには『魔界』って世界に行ってもらう。あそこは『力こそが正義』って言っても過言じゃない世界。神綺に会おうって言うなら圧倒的な『力』が必要さ。要は『敵はみんなぶっ飛ばせ』、それに限る。ま、あんたなら神綺に会えるさ。映姫さまが認めた存在さ、大丈夫。」
「…ああ。」
「もうすぐ着くよ、魔界に。準備しときな。」
「解った。」
やがて、すぐにやたらとでかそうな門の前に着いた。
「此処さ…この門を潜った瞬間、命の保証は出来ないよ。それでも行くんだね?」
「当たり前だ…!!」
俺は拳を握る。
「やらなきゃいけないことは、まだ沢山残ってる…!こんな所で立ち止まるわけにはいかない!」
「解った…気を付けて!」
「ああ!!」
門が、開いた。
‐???視点‐
「神綺様、門が開きました!」
「構わないわ。彼でしょう…」
そう、貴方にも覚悟はあるのね。
なら、魔界なりのやり方で歓迎してあげましょう。
「幻想郷で最強かなんか知らないけど、私達を舐めないで頂きたいものだわ。総員、戦闘配備。目標…侵入者。」
死よりも恐ろしいもの、とくと味わいなさい。
「全魔界の民に告ぐ。これは戦争よ。…1対2000万の、ね。」
次回予告。
魔界入りしたレナの前に、いきなり敵が!?
見えるものは全て敵…この圧倒的不利な状況、レナはどう覆すのか!?
というわけで次回
「Search&Destroy!!」
お楽しみに!
~お知らせというかお願い~
この魔界篇で出してほしい旧作キャラを募集します。
ただし、旧作版の霊夢(靈夢)、魔理沙、魅魔さま、幽香、アリスは除いて、です。
出してほしいキャラいましたら感想及びメッセージでお願いします。(感想の方がテンション上がります)
宜しくお願いします。