表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
100万回死んでも生き返りますが、何か?  作者: らぐな。
第四章「胡散臭い宗教ほど、面倒なものはない」
108/123

Extra…地之神、降臨


―レナ視点―


「んな…?」


いつの間にか、俺は一人になっていたようだ。


らぐなさんは「すまん、先に守矢神社へ向かっていてくれ!」と言ったきり行方不明、小悪魔は「敵が居る…撹乱(かくらん)するから先に行って」で離脱、幽々子は…あれ?


とにかく、俺は一人だ。

まぁ目的はあの3人とはいえ、見つからなければ戦いようもない。

俺は守矢神社に向かいつつ、索敵もしていた。


…と、そこに。


「ちょこまかと逃げるな!土着神『手長足長さま』!」

「捕まるのは嫌だからねぇ!酔符『鬼縛りの術』!」


なんか特撮ものでもあるかのような巨大な怪物みたいなものが、身動きできずにいる。


「な、何だ!?なんで神が縛られるんだ!」

「鬼だってある意味神様なんだよ!」


って、あれは萃香と諏訪子じゃないか!


「加勢するぞ、萃香!砲符『エキセントリックバルカン』!」


不規則に跳ねる弾が、巨人の身体をぐらつかせる。


「くっ…!増援か、しかも厄介な奴!」

と諏訪子が苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる一方、萃香はというと…

「おっ、レナじゃん!いいとこに来たよ!あたしじゃ張り合うだけで精一杯でねぇ!レナ、支援頼むよ!」

張り合えるんなら支援いらない気がしたが、状況が状況なので支援をすることに。


「解った!一気に畳み掛けるぞ!『翼を求めし者(イカロスハート)』、展開!!」

相手の力の見誤りはもうしない、最初から全力だ!

「2対1なんて卑怯だ!ならこっちだって増援を使う、祟符『ミシャグジさま』!」

現れたのは、白い大蛇…ってめちゃくちゃ長くないか!?

「早苗のと勘違いしてもらっちゃ困るよ?こっちは本物、力はある!」


確かに、あの蛇からも強大な力を感じる。

早苗のあれとは違うようだ。


「…レナ、白蛇の方を頼まれちゃくれないか?あたしは本体をやるよ。」

「大丈夫か?随分と怪我してるようだが…。」

よく見れば、生傷が身体のあちこちにある。

「大丈夫大丈夫、こんな傷なんともないよ!」

そう言うなり軽く酒を口に含み、傷口に向けて噴射する。

「民間療法丸出しだ!」

「今までこれで治ってたから大丈夫!それより自分の心配をしな!」

…そうだ、それよりも問題なのは、この白蛇。

今まで妖怪という類の蛇なら倒したことはあるが、この蛇はまんま蛇だ。

つまり野生動物…野生動物はかなり戦いが巧いと、本か何かで見たことがある。

注意すべきはこの蛇なのかも知れない。


「…そうですね。これはキツイかもな…!!」

「どうした?いきなり怖気着いたか?ミシャグジさま、あれを頼みます。」

諏訪子は萃香と戦うべく、萃香の方へ向かう。


…人間vs大蛇。なんか某グラップラーみたいだな。

「落ち着け、俺…奴から来るのを待つんだ…」

痺れを切らして飛び込めば、奴の領域(テリトリー)内に入り、カウンターを喰らいかねない。

ならば限界まで待って、奴から来るのを待つしかない。

此処からリヴァイバルを撃つという手もなくはないが、γ型はいいとしてもα、β型は撃つ時に僅かな隙が出来る。

その隙を突かれてしまったら終いだ。

「限界まで引き付けて…霊掌か。」

そう、狙いはそこ。

一撃、たった一撃に全力を。

「来いよ蛇…潰してやるからよ。」

僅かに恐怖が残るが、それを虚勢で振り払う。

右手に魔力を。目線は蛇の瞳。


「…」

準備は整った。

後は奴が動いた瞬間、そこを狙う!


「…」

蛇も俺を睨む。

動いた方が負け、それは蛇も知っているのだろう。


…諏訪子と萃香の戦いが向こうで起こっている中、此処だけが妙に静かだった。


「シャァァァァァァァ!!」

動いたのは蛇、一直線に俺に飛び掛かる。


「にゃろっ!!!」

その蛇の頭目掛けて拳を振り下ろす。



蛇には確かに拳は当たった、手ごたえもあった、だが…



「ぐぅっ!!」


拳が当たったのは蛇が俺を咬んだ後だった。


「見事なり、人間。私と刺し違えるとは、なかなかだな。」

「なんだ…蛇が喋ってる?」

激痛、さらに毒を入れられたようで目の前がふらふらしているが、その声だけははっきりと聞こえた。

「人間、貴様は妙だな。まだ生きている。」

「一応死なないことになってるんでね…!」

そういえば、毒では試したことがなかったな。どうなるんだ?

「良かろう。貴公に頼みがある。このままでは『命が消える』…我が主と対になる者だ。」

諏訪子と、対…?

「八坂…神奈子か?」

「ああ。このままでは何かが起こる。敵であることは承知だが、どうか止めて貰いたい。」

「…何故だ?」

「我らは戦いを、血を望まない…使役される身だが、思いはそうだ。」

「…そうか。なら、見るだけ見よう。この身体で止められるかは解らないが…」

「感謝する。ならば、戦うふりをして貴公を神奈子の方へ飛ばす。後は頼んだぞ。」

「…頼まれた。」


蛇に飛ばされる俺。

途中、諏訪子と萃香の姿が見えたが、互角の戦いのようだ。





「…これで良いのだろう?」

「ああ。これで準備は整った。」

「まさか貴公の姿を今一度見るとは思わなかった。が、借りは返したぞ。」

「ああ、そうだな。」

「彼に何かあるのか?」

「何かは解らない。だけど、彼に関しては見てみたかった。地獄の資料で興味を持った、それだけだけど。」


いずれ彼には会うことになる。

私の世界で…


次回、風神録編最終話。






ラストを、見逃すな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ