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100万回死んでも生き返りますが、何か?  作者: らぐな。
第四章「胡散臭い宗教ほど、面倒なものはない」
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□6…天之神、降臨【後編】


こぁが…こぁが怖くなった…!


―小悪魔視点―


「神様に懺悔はした?部屋の隅でガタガタ震えて死ぬ準備は終わった?信じていないはずの別の神にも助けを求めて見捨てられる準備は?」


久しぶりの仕事だから、身体が鈍ってないか心配だけど…まぁ、これくらい(早苗)なら問題ないわね。


「そこの人、さっさと逃げておきなさい。巻き込まれて死にましたって言われても責任は取れないよ。」


私は傍観者を貫いている彼女()にそう言っておいた。

…本当に責任取れないもん。


「…あくまで1対1をモットーとしますか…いいんですか?私を一人で倒すなんて真似をして。」

「構わないわ。どうせ勝つのは私。逃げるなら許してあげるけど?」

「神の私に刃向かうのですか?それは愚かですよ。だいだい…」

そこから先の言葉は続かなかった。


長々しくなりそうな気がしたから、彼女の右耳に銃弾を掠らせただけだけど。


「雑魚ほどぺらぺらとしゃべるのよね。今のは警告よ。あんたの話なんて聞きたくないの。」

「そうですか…なら、解らせるしかないようですね…格を。」


やっと戦闘モード?随分とお気楽なのね。この約6秒で数百回死んでるよ、貴女。


「神に逆らった罪、その身に刻みなさい!開海『モーゼの奇跡』!」

早速スペル、随分余裕がないみたいね。余裕ないように仕向けたのは私だけど。

「さっきまでの自信はどこに行ったのかしら?弾の撃ち方もまるでなってない。安地だらけよ?」

実際、相手の弾幕にはムラがあって、所々に安全地帯がある。


「そんな疎らすぎる攻撃をするから隙が出来るのよ。」

「っ!?」

そのびっくりした顔、ウケる。

弾幕回避しておいて早苗の後頭部にライフル突きつけてる私も私だけどね。


「バーン。はい、一回死んだ。」

「!!」

未熟すぎるわ、ここで激昂したって全くメリットないことに気づきなさい。


お怒りになった神の攻撃は激しさを増す。

でも、さっき以上に疎らな弾幕。勢いだけでは敵は倒せない。


「びっくりするほど戦いに関しては素人なのね。神様っていうもんだからもう少し強いんだと思ったんだけど、拍子抜けね。」

「どこまで神を侮辱すれば気が済むんですか!!」

力に頼りすぎな証拠ね。さしずめまともな戦いは数回程度しかしてないと見た。

「…知ってる?神って死ぬのよ。悪魔によって、ね。」

「『神と双極を成す力』のことですね…!!」

「そ。未熟者の神様に見せてあげましょう。これが本物の『神』よ…!!」


弾幕をかわしきり、左手の甲に刻まれた刻印をなぞる。


「第壱封印術式解除…解除暗号(コード)…『アーリマン』…!!」


遠く彼方、魔界より届けられる『力』。

私の全力のほんの5%、それでも恐怖を伝えるには十分。


「もう一度言うわね。神様に懺悔は済ませた?部屋の隅でガタガタ震えて死ぬ準備は?」


神に逆らった恐怖を知るのは…貴女よ。





―らぐな視点―


「どう?私の力を借りた気分は?」

「知るかくそサキュバスが。絶不調だね。吐き気がする。」

「でも仕方ないのよ?契約の関係上、貴方は女性型悪魔としか契約を結べないんだから。」

「ちっ…」

「でも安心なさい。契約はきっちりと遵守するわ。それが悪魔だもの。」

「わかったわかった…来るぞ!!」


御柱をかわし、相手を視界から離さぬように注視する。


「反応速度が…上がってやがる。」

「そりゃそうよ。悪魔の身体能力舐めないで。人間の5倍は軽く行ってるわよ?」

「…なら一気に仕留めるぞ!!」


ヘルメスを手に、俺たちはあの世界…魔界で得た呪文を込める。


『我が血は黒くあれ。我が道は暗黒に、我が剣は無であれ…』

ヘルメスが脈打つ、故郷を懐かしむように。


「魔界の力、見せてやるよ。鬼門…『空無(そらなし)』。」


ヘルメスを大地に振りおろし、世界は揺れる。

相手に突き刺さる『黒』がやがて天高く伸びていき、四方八方に放散する。


「少しは効いてくれよ…結構な大技なんだぜ?」


本来ならこれは使うべきではなかった。

だが、奴の出方、戦法がはっきりしていない以上、先手必勝。

そう、それでよかった。


この後に起こる事さえ考えなければ。





「ほぉ…やるじゃないか。今のは少し痛かったぞ、人間。」


「なっ…!?」


大技かましてもあんなにピンピンしてるのか、あいつは!?


「ならば今度は私の番だ。御柱『メテオリックオンバシラ』」


おいおい、あんなのアリかよ…!


空が…落ちてくるってまさにこのことか?




「死んだな、俺。」




あの技の代償として、身体がまともに動かなくなる。


「もう一度死んでくるわ、俺。」


目の前が、赤く光った。








「…ただで死なせはしないわ。せっかく手に入れた憑代を手放さないって言ったじゃない。

貴方の身体、借りるわよ。」


これでいいわ。

これで彼は…「人から外れる」。


名も知らない神…貴女には実験台になってもらうわよ。


「逝ってみよう、殺ってみよう♪人間の皮を被った悪魔…その力、見てみたいしね。」







「…コロス。」


次回予告。


力を解放した2匹の悪魔!


あれ、レナは?


というわけで次回


「Extra…地之神、降臨」


お楽しみに!

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