表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
100万回死んでも生き返りますが、何か?  作者: らぐな。
第四章「胡散臭い宗教ほど、面倒なものはない」
105/123

□5…奇跡は普通でしかない

復活2本目!


そしてクライマックスに入りつつありますよー!

‐レナ視点‐


俺たちはあれから、守矢神社に向かって動いていた。

…が、いつまで経っても神社らしい神社、というよりも建物らしい建物すら見ることもないことが続いていた。


ついにシビレを切らした小悪魔がらぐなさんにこう突っかかった。

「一体何時になったら守矢神社に着くのよ!?この間にも相手は動いているんでしょ!?」


「もうすぐだ!だが突入はまだ出来ない!」


「なんでよ!?さっさと倒せばいいじゃない!」


その尤もな発言に、らぐなさんは少し躊躇し、やはり言うべきかと一人自問自答したようで、こう答えた。


「…俺たちは切り札…相手の手札すら見えないのに、いきなり切り札を切る馬鹿が何処にいる?それは氷結妖精(チルノ)だけで十分だ。」


「だけど、過激派が決起したらどうすんのよ!?それこそ取り返しがつかない事になるわよ!?」


「でも、後手後手に走るのもどうかと思うわよ~。」


小悪魔を援護するような形で、幽々子が議論に割って入る。


「戦いはいつも先手必勝…後手は不利な事にはまったく変わりないし、むしろこれ以上時間をかけてもメリットどころかデメリットしかないわ。」


あれ、いつもの間が伸びたような話し方が無くなった。


「でも、いたずらに時間を浪費しているわけじゃない…まるで何かきっかけを待ってるみたいに…私の読み、外れてるかしら?」


「…幽々子さんの読みは合ってますよ。切り札を切るのはいつも大一番の時…これはギャンブルでも戦争でも常識です。後はタイミングの問題…そう、タイミングさえ合えば…」


本当は今すぐにでもらぐなさんは守矢神社に乗り込みたい、それは彼の性格上考えてもおかしくないことだ。

それを理性や理屈で抑えつけている…彼が一番歯がゆい思いをしているはずだ。


そんな時、異変は起こった。


「あれ…?あれ、何?」


最初に気付いたのは小悪魔。

小悪魔が空を指差すので、その方を見ると、花火のようなものが昼下がりの空に輝いていた。


それを一目見たらぐなさんが顔を変えた!


「!!皆、戦闘態勢を取ってくれ!!ついに突撃の時が来た!!」


すかさず背中の剣に手をやるらぐなさん。


「やっとですか…!どんどん殺っちゃうけど、いいのよね!?」

「なるべく回避してくれ…って言っても無理か、任せる!」


遠距離射撃用のライフルを構え、ガチャリと補充(リロード)をする小悪魔。


「場合によっては冥界送りにするわ~。」

「…自由にやっちゃってくれ!」


扇子をパッと拡げ、不敵に笑う幽々子。


「…らぐなさん、目的はあくまで八坂神奈子、洩矢諏訪子、東風谷早苗の3人ですね?」

「ああ!あの3人をどうにかしない限り戦いは終わらない!」


そう、目的はあの3人…それだけなんだ。




「…霊夢の仇、取らせて貰う…!!」




俺達は一斉に光の方へ走った。






‐らぐな視点‐


…この戦い、無事に生き延びる事が出来たらいいのだが。

俺にとって、この戦いは決戦。


「それは貴方次第じゃないの?力、使うんでしょ?」


…ちっ、こんな時にお前の声を聞くとは。

お前の正体を考えれば、俺はじきに死ぬってことで確定みたいだな。


「ないない、せっかく見つかった依り代なんだから、すぐに使い物にならなくするなんてことはあり得ないわ。私ももう少しこの世界を見たいしね。」


ハッ、そうして俺の隙を見てどうにかしようって魂胆は見えてんだよ。


「つれないわね。そんなつもりはないのに。」


嘘つけ。お前の言う事成す事全てが信用できない。お前は俺に従ってりゃそれでいいんだよ。


「はいはい…わかりました。」






「…あの男、もしかして……気のせい、かな?」


小悪魔は不思議そうに彼を見ていたのだが、すぐに気を取り直して進んだ。






‐早苗視点‐


「あ、貴女は…!」


私は確か人形使いを追いかけていたはず。


それなのに、目の前に居るのは…


「人形で悪かったわね。でも親友(イヴ)をみすみす見殺しにする真似は、私には出来そうにないから。」


雛人形。


「…貴女、確かまともに外に出れる身体じゃなかったはずですが…」


そして記憶が正しければ、目の前に居る彼女は周りを不幸にする、ある意味疫病神の存在。


そんな彼女が顔を出すとは予想外だった。


「ご生憎様、他人に不幸を齎すからってずっと独りで引き籠ってる必要はもう無くなったから。ご心配なく、『自称』神様。」


へぇ、人形でも挑発って出来るものなんですね。

…いいでしょう、その挑発、乗ってあげましょう。ただし…


「私に楯突くということは神奈子様と諏訪子様に楯突くということ…死んでその罪、償って貰いますよ。」


此処ではっきりと『格』を見せつけます。




「死ぬ…?幻想郷の新参が何を言っているのやら。とにかく、私に関わるんだ…」


!!この威圧感、只者じゃない!?


その威圧の主は似合わないほどの不気味な、まるで聖母がいきなり悪魔になったかのように口を吊り上げて言う。


「『不慮の事故(不幸)』で死なないよう気を付けて…!!」


事故…ね。

ただその事故、『奇跡』が起きれば人的損害は軽微になるって知っているのか、甚だ疑問です。


「先人はこう言いました、『奇跡は起きるものじゃない、起こすものだ』…。」


神奈子様、諏訪子様、どうか御加護を…!


「奇跡の力、舐めて貰っては困ります!!」


私は、戦います!



‐雛視点‐


「奇跡の力、舐めて貰っては困ります!!」


…やっぱり威圧は効果なし、か。


これで素直に帰ってくれれば問題なかったのに…


「仕方ないです…悪く思わないで!」


ならば実力行使、弾幕を張り、相手の出方を(うかが)う。


その弾幕をいとも簡単に(かわ)して見せる相手。

すかさずお返しの弾が来る。


星形の弾幕…あの爆窃少女と被ってる気もするが、私は相手がやったのと同じように身を翻してみせる。

というより、回るのは私の専売特許なのよ…真似しないで。


「神様もどきにしてはよくやるじゃないですか。でも、私が本物です!秘術『グレイソーマタージ』!」


一気に勝負をつけるつもりのようだ、まだ始まって時間が経っていないのにスペルとは。


「その攻撃、危ないわよ。庇符『ブロークンアミュレット』」


一回こっきりの防御術、魔除け(アミュレット)を犠牲に相手の攻撃を無効化。


そして…


「頭上注意」


その攻撃が、まさか自分に降りかかるとは到底思えない。


これは『事故』だから…


「なっ…!?」




先手は、撃ったわ。

※ラストのは誤字じゃないです(汗


次回予告。


ついに戦争、開幕!


そして衝撃のラストへ加速する…!



というわけで次回


「□6…天之神、降臨【前編】」


お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ