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第30話、キィウ王都に行く



 最近困っていることがある。


 困っている事とは、アネット王女が10日に一度くらい手紙をよこし、近状報告、キィウ王都の出来事、王都の出来事、ボロニァ帝国の動きなどを知らせてくれて助かるが、最後に俺をどれだけ愛しているか、必ず俺と結婚出来るようにするからそれまでは結婚しないで待っていてくれと書いてある。


 俺の本音はアネット以外の女と結婚する気はなく、アネットと結婚出来なければ一生独身で過ごすつもりだ。


 俺の跡継ぎは優秀な子供を養子にすれば良いだけだ。



 俺は2回に1度はアネットに返事をしているが、期待を持たせるようなことは書かずに近状報告だけにしている。


 今は個人的な事は置いといて、そんな事より、塩を作る事に成功したのでこの世界になかったトマト、キュウリ、等も塩と一緒にキィウ王都まで売りに行くことにしたのだ。


 同行するのは警護の為、警護隊から虎族のガルーダと警備隊10人、秘書官のアンだ。


 アンは俺が召喚魔法で取り寄せた前世のスーツを着ているのでビシッと決めて前世のキャリアウーマンみたいだ。


 俺も取り寄せたジーンズに革ジャンを着ている。


 そのアンが。


「私はキィウ王都に行くのは初めてなので楽しみです」


「楽しみにするのは良いが、仕事だと言うのを忘れるな」


「勿論です。でもマリュウス様は塩を売る商人を知っているのですか? 」


 ヤバイ! 売る相手を探していなかった。


 ブレント王子かジャンナ学園長は顔が広いので聞いて紹介してもらえば何とかなるだろう。


 電気トラックを召喚してみると、皆が驚き、ガルーダが剣を抜きトラックのライトを目と思ったのか。


「この怪物は俺が倒します」


「アッハッハッハー! ガルーダこれは怪物ではなく乗り物だ。それより用意した作物と塩をこの空間カバンに入れてくれ」


「ええー! これが乗り物ですか? 怪物かと思いましたぜ」


 アンもビックリしたのか。


「王都に行くのにこれで行くのですか? 」


 トラックなので警備隊は荷物は空間カバンに入れてあるので荷物を積む後部に乗り、アンは助手席に乗り俺がトラックを動かすと、最初はゆっくりだったがスピードを出すとアンは。


「うわー! 馬車より速く景色が飛んで行くわ」


 トラックは俺も始めて見る屋根にはソーラパネル付きでスピードは普通のトラックより遅く、最高は時速60kmくらいしか出ないが、馬車に比べたなら倍以上は早いので皆は驚いている。


 途中、魔獣や盗賊が出たが、初めて見るトラックを魔獣と思ったらしく、魔獣や盗賊は逃げ出したのには笑えた。



 キィウ王都までは馬車で5日もかかるが、俺がアンに運転を教えたので夜もトラックを走らせながら交代で寝たので、思ったより早く2日目の朝にはキィウ王都が見える丘に着いた。


 トラックで王都に行ったなら驚かれるのでトラックは空間カバンに入れておいて王都に行った。




 王都の入り口の一般人の門の前には大勢の人が並んでいたが、俺は貴族なので身分証明書を見せて貴族専用門から待つこともなく直ぐに通された。


 街に入ると、直ぐに宿を取りジャンナ学園長に商人を紹介してもらうために行こうとすると、ガルーダが護衛に、アンも付いて行くと言うので2人を連れて護衛の警備隊は宿に残して学園に向かったのだ。


 学園に行き、学園長に面会を申し込むと直ぐに学園長室に通され学園長が。


「マリュウス、久し振りじゃのう。領地はどうじゃ」


「学園長、お久しぶりです。領地経営は順調で今日はお願いがあって来ました」


「婆にお願いとはどんな事じゃ」


「領地で取れた作物と海水から取った塩を売りに来たのですが、商人に知り合いがいないので出来たら紹介して頂けませんか」


「何と! 海水から塩を作れるのか」


「はい、前世では海水から塩を作るのはあたり前で誰でも知っています」


「そうなのか。今度ゆっくりと前世の世界の話を聞かしてくれんか、知っている商人は新興の商会だが会ってみるが良い」


 やはり学園長に聞いて良かった。


 紹介された商会は最近急激に伸びて来た若い女性が主人の商会で、父親の代は小さな店だったが後を継いだ2代目の娘が継ぐと業績を伸ばしたらしいので会うのが楽しみだ。


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