王子様のお妃探し
昔々、あるところにお城に住んでいる王子様がいました。年頃になった王子様は、お妃様を探すために舞踏会を開くことにしました。
国中の若い女性が集められ、舞踏会は盛大に行われました。
王子様はやってきた女性と次々に踊りました。
その中で、王子様はこの人だと思う人に出会いました。その女性はとてもいい香りがして、側にいるだけでうっとりとしてしまいます。
王子様は、その女性とずっと踊っていたいと思いました。ですが、家来たちに大勢の女性と踊ったり話したりしてその中から選ぶようにと言われています。王子様はしぶしぶ他の女性とも踊りました。ですが、やはりさっきの女性のことが気になります。
王子様は舞踏会が終わる頃、彼女のことを探しましたが見つけることは出来ませんでした。もうお妃様には選ばれないと思って帰ってしまったのかもしれません。
王子様はがっかりしました。
◇ ◇ ◇
舞踏会が終わって数日が経っても、王子様は彼女のことが頭から離れませんでした。ぜひ、彼女を妃に迎えたいと思いました。
ですが、家来が探そうとしても、王子様はとても大勢の人と踊っていたので、どの人が王子様の心を射止めた女性なのかわかりません。王子様は彼女の名前を聞くこともしていませんでした。彼女が残した物もなにもありません。
家来たちは困ってしまいました。
そこで、もう一度国中の女性たちをお城に集めました。
集められた女性たちは一人ずつ王子様に近付きました。ダンスを踊ったときのように抱きしめられるくらい王子様が側に来て、女性たちは自分こそが選ばれたのだと勘違いしてしまいました。が、王子様は女性たちに近付いては、残念そうに離れるのを繰り返しました。
そして、王子様はとうとう彼女を見つけました。忘れもしない、あのうっとりとする香りです。
さっそく王子様は彼女に求婚し、彼女はそれを受け入れました。
家来たちは、王子様が探していた女性が見つかってほっとしました。
なにしろ、王子様は目が見えないのです。そのため似顔絵を描くこともできず、彼女を探すには王子様の嗅覚だけが頼りだったのです。
そうして、王子様はめでたく再会できた女性と結婚し、二人は末永く幸せに暮らしました。




