セーフゾーン?
キィと音を立てて、木製の扉が開いた。
「どう、山奥だけど、良い造りでしょ?」
ここでお世辞を言うのもなんか違う気がする。
「なんか、猟師か魔女かが住んでそう・・・。」
「どうする、出てく?」
「すいませんでした素敵な家です師匠」
「分かれば良いのよ分かれば。」
改めて見回す。
「殺風け・・・いえ、シンプルイズベストですもんね。」
「・・・前半は聞かなかったことにしてあげる。次は無いわ。」
「肝に銘じておきます。」
危なかった。
それはそうと、師匠には色々と質問をする必要がある。この世界について妄想しても良いが、どうやら命が掛かっているようなのだ。話聞いておいて損はないだろう。
「ところで師匠。」
「どうした子分じゃなくて手下じゃなくて弟子。」
もうこれわざとだろ。
「魔物って何ですか?」
こっちに向き直った師匠は目を逸らす。
「ぶっちゃけ私にも分かんない。」
は?
「いやいやいや、魔物にやられたくなきゃ来いって言ったの誰だと思ってるんですか!?え、わけわからん世界で初めて出会った人が詐欺師でしたとか嫌だよ?」
「大丈夫、よく分かりはしないけど倒す事は出来るから。」
「だったら・・・って、んな訳あるか!?」
無言でサムズアップすんな、ドヤ顔すんな。こっちはただでさえ知らない場所なんだ。目の前の美人一人くらいまともでもバチ当たらないだろ。頼むからちゃんと説明してくれ。
「チッチッチッ。実はこの世界、魔法があります!」
「ナ、ナンダッテー」
別に目の前の華奢な女性に倒せるならなんかあると思ってたわ、当たり前だろ、魔法なんて。
ん?待て今何て言った?
「魔法!!!!!」
「うわぁキモッ。」
いきなり叫んだ弟子に向かってキモとはなんだキモとは。自分でも思ったけど。いやそれより。
「魔法があるんですか!?」
今までの妄想を全て叶えるチャンス。
水属性で水蒸気を作って火属性で熱して水蒸気爆発を起こしたり。雷属性で思考を加速しながら風魔法で高速移動したり。夢が止まらない。
「師匠!僕を全元素皇にしてください!」
「多分君基本6属性のうちどの才能も無いよ?」
つまり・・・
「なぁんでそうなるんだよ!」
叫ぶしかなかった。




