弱者
「ひどい言い草だな。ま、間違っちゃいないけどね。」
手元に黒い球体を出現させる悪魔。
「リーフっていうの、名前なんだけどさ、冥土の土産に覚えてよ。」
『闇』
「ブラックホールをプレゼントしてやる。」
迫って来た球体を咄嗟に避ける。どうやらそういう魔法らしい。
「はあぁ!」
悪魔を切り付ける師匠。切り飛ばされた片腕は、しかしすぐに生えてくる。
「悪魔は回復速度が尋常じゃないんだよ。知らなかったのか?し・しょ・う・って呼ばれてるのにぃ?」
安い挑発をするだけのことはあるやつだ。師匠も苦戦している様に見える。
「五月蝿い!」
再び切り付ける師匠。
ん?そういえば師匠って口に出して呼んだっけ?
「悪魔は思考がある程度読める。後、実は相手の本名が分かれば両手に苗字と名前を分けて書くことでそいつを殺せる。」
ご忠告どうも。その能力死神向きだなクソッタレ。
「どうせここで死ぬやつらだからこそ、親切心で教えてやるんだ。感謝しろ。」
でも、そんな言葉に応じる余裕は無かった。
師匠の両腕が吹き飛ぶ。再生する。
師匠の右脚が潰される。再生する。
その度に、苦痛に呻く師匠。
何度も、再生を繰り返す師匠への攻撃は、しかし急に止まった。
「陽が暮れた。これ以上やると君たちは数秒で死ぬよ?」
呻きながら立ち上がる師匠。
しかし、僕は師匠と悪魔の間に立った。
師匠の声が聞こえる。
「お弟子君、君じゃダメだ!色素魔導師かその側近クラスじゃなきゃ、それには勝てない。」
僕は笑って言ってみせた。
「やってみなきゃ分からないじゃないですか。」
右手をまっすぐに向ける。
前へ。




