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妄想世界解放戦線989  作者: 一季 巡
第一章:転移編

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サンドイッチ

次の日。

師匠に用意して貰った服を着て出発する。個人的には全身黒でも構わなかったが、

「君は忍者にでもなるつもりか・・・?」

と言われ、結局インナーは灰色に、コートはベージュ色のを貰った。

陽光の当たる道を選んで森を抜けていく。

途中で出会った魔物は師匠が狩ってくれた。頼もしい。


森を抜けたところで昼食だ。

師匠はサンドイッチを虚空から出して渡してくれる。

「師匠に料理なんてできる訳ないと思ってました。」

「失礼だな。まあ出来ないけども。」

開き直った師匠は言葉を続ける。

「家の家系の女は代々料理が壊滅的に出来ない。幼稚園児の泥団子すらろくに作れないレベルだ。」

それは人として大丈夫なのだろうか。

「おい今失礼な事考えなかったか?」

「考えてませんよ。それで?」

続きを促すと話が続く。

「特に姉の料理は酷かった。料理の練習したからと皿に暗黒物質をのせ、天真爛漫な表情で皿を押して来る。」

うん、それは何というか・・・ご愁傷様。

そういえば幼馴染に居たな、一人。

家庭科の炊飯器で米炊く時暗黒物質作ったやつ。まあ夢咲だが。あいつの料理の腕前はもはや錬金術のレベルに達していた。

「・・・ぃ。・・・ぉぃ。おい。お弟子君?」

「ごめんなさい、ぼーっとしてました。何ですか?」

「おかわり要るか?」

「お願いします。」

2つ目を受け取って聞く。

「そんなに料理が出来ないならこれはどうやって作ってるんですか?」

1つ目の最後の一口を飲み込んだ師匠が口を開いた。

「宴という属性の使用者が作った、精神を注ぐだけで食べ物飲み物が出せる、饗宴グッズというやつを使ってるんだ。」

「それは誰でも使えるんですか?」

「やってみるか?」

師匠が手提げのバスケットを渡してきた。

「精神をちょっとだけ注いでごらん?」

やってみた。バスケットの重みが増した。

「初めてにしては素質あるね、君。」

バスケットからハンバーガーを取って食べ始める師匠。

僕はサンドイッチを食べながら師匠との談笑を続けた。

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