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妄想世界解放戦線989  作者: 一季 巡
第一章:転移編

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10/21

この鳥籠の中で

化け物が吹き飛んだ。そして、自分も吹き飛んだ。

「グハッ」

肺から空気が押し出される。

身体の前面がとにかく痛い。目が開かないし、右手の感覚なんて無い。

しかし、痛みはすぐに引いていった。

目を開ける。

血塗れでぼろぼろだった。服が。

「何で?需要ないはずなのに!?」

師匠が現れた。やはり服がぼろぼろで。

「何でこんな薄い同○誌みたいな感じになったか聞きたい?」

「まさか師匠が何かして!?」

だとしたら許さんこの詐欺女。

「違うに決まってるでしょ。」

じゃあこの破廉恥女は何でそんな堂々と立ってるんだ。色々危ないぞ、何がとは言わないが。

「とにかく家に戻るよ。」

「この格好で?やはり師匠は破廉恥女・・・。」

「もうマジでこの弟子置いていこうかな」

「ごめんなさい冗談です許してください」


その後黙って師匠についていった。


家で着替えを出してもらった。

「それで?師匠は露出癖がある訳ではないんですよね?」

「当たり前でしょ!あれは陽の光のせいなの!」

陽の光?

「当たるとそういう効果が?」

「無いわよ。君、咄嗟に強化(エンハンス)なしで暴発(バースト)を使ったから怪我したでしょ?」

「エンハンス?バースト?なんですかそれ。」

「自覚無しなら素質有りよ。」

何の話してんだよ。

「君が右手から出した爆発の事。あれをこの世界の魔法師たちは、精神暴発(メンタルバースト)と呼んでるの。」

「大分危ない奴の響きですね。」

「それは皆思ってるから。後、無属性魔法としては強化(エンハンス)もあるから。」

「どうやって発動するんですか?」

「メンタル、と呼ばれる精神力を消費するの。君は見た感じ多そうに見えるけど。」

「よっしゃあ!じゃあ他には何が使えるんですか?師匠めちゃくちゃ色んな魔法使ってたじゃないですか!」

「残念。君に基本属性の素質は無い。そして、特殊属性の鑑定は、私には出来ない。」

「やっぱり現実はクソだった。」

「そう投げやりにならないで。燃費の悪い無属性魔法でも、君の精神(メンタル)の量なら十分属性持ちとも渡り合える。」

「代償として・・・」

「危ない奴になれる。」

「もう嫌だこんな現実。」

とりあえず別な事考えたい。あれ?

「そういえば何で師匠は露出してたんですか?」

「君もね。話を戻すと、この世界の人間は陽の光を浴びている間、死んでない限りはあらゆる傷と病を治癒され続けるの。」

「すげぇ!永久機関が完成するじゃないですか!」

「・・・1000日間だけね。」

「どういう事ですか?」

「この世界の人は、1001日目に陽の光を浴びると、消えるのよ。」


は?


「いやいや、どんな冗談ですか。」

「陽の光を一切浴びない日はカウントされない。でも、その日一条でも陽光を浴びれば、その人のこの世界での寿命は一日減るの。」

「じゃあ僕は・・・」


「後999日以内にこの世界から脱出しなければ消えてしまう。今まで、一人もここから逃げ出す事が出来なかった、この妄想世界の中で。」


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