Hello World An Open World
書き途中です。三千文字で一話にする予定です。10月中旬に再投稿という形で更新し直します。
世界観も人物像も全く書いていませんが読んでいただけたら幸いです。
プロローグ
あるものは夢を見た。
それはとても美しい世界の夢。
あるものは夢を見た。
それは見たくも考えたくもない悪夢。
あるものは願った。
彼の夢の先に救いがある様に。
少年は目覚める深い眠りから……
◇◇◇
第一章「Hello World An Open World」
なんてことは無しに日々は過ぎ去っていく。今日もその過ぎ去っていく日々の1日でしかない。
何が言いたいかだって?生きているという実感がないと、言いたい。
昔の人々は必ず行わなければならない仕事があり、それを遂行しなければ明日を生きられない。
では、今はどうだろうか。環境の脅威から守るための都市に生きていく上での必要な知識を無償で提供してくれる教育機関。家に帰れば、衣食住がある程度保証されているし、その上娯楽もある。
いや、ありすぎるからこそ選べず持て余し無為な時間を過ごす。
退屈だ。
「はぁ」
唐突に話が変わるが、僕は都立柳平東高等学校の林間区手間倉庫裏に居るマンドラゴラと対峙している。
マンドラゴラまたはマンドレイク
ここでは植物の事ではなく魔物としてのマンドラゴラとする。
引っこ抜く際にこの世のものとは思えない絶叫を発し、叫びを聞いた者は即死するとされているが、実際は気絶や方向感覚を狂わせるなどの効果しかな。しかしこの叫びを聞くと数分間はまともに行動できなくなりその隙にマンドラゴラが走って逃げてしまう。採取の際は頭を半分抜きナイフで突き刺すのが通となっているが、この場合傷が付き鮮度が落ちてしまうため今回はそのまま抜こうと思う。
念の為周囲に消音魔術を使用し地べたに四つん這いになりマンドラゴラと対面になるように位置を取る。所詮コイツは植物型の魔物。殺意をたっぷりと含んだ笑顔で顔を合わせれば叫ばないと思う…たぶん、人間だって真の恐怖の前では声も出ないって言うし、イケるはず。
レッツご対面〜
葉の根元部分を掴みゆっくりと引き抜く。
当然マンドラゴラと目が合う。たっぷりの殺意と魔力圧を込めてあいさつをする。
「こんにちはぁ」ニィッ
「キ゚」ガクッ
よし!上手くいった。
「テッテレー、ハルトは無傷のマンドラゴラを手に入れた!」
気絶したマンドラゴラをバックに詰め込み制服についた土を払い落とす。
さ、家に帰ろう。
◇◇◇
「ただいまー」
返事はなし。母さんはまだ帰ってきていないのだろう。
靴を脱ぎ洗面所に向かう。手を洗うとともに今日の戦利品であるマンドラゴラも洗う。
リビングに移動し窓を開けベランダに置いてある事前に用意した植木鉢にマンドラゴラを埋めリードでつなぐ。
これで夜に逃げ出すことはないだろ。
植木鉢を自室に持っていき机の脚にダブルノットで紐を結ぶ。
唐突にタブっレトの画面が付きメッセージアプリの最新の通知が表示される。
母さんの二徹目確定のお知らせだった。