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79 神代の法⑤

「神代の法」の建物にある一室で俺とみま、教祖が並んでテレビを見つめている。

画面の端には「緊急記者会見!ルシウスの意図は」

とテロップが出ている。


「教祖さん、本当にルシウスの社長が真実を語るの?」

「うん、そうだと良いのだがね、だが記者会見はあれから二日後キッカリに開かれた、そこでまず信頼性があるね」


「教祖の力は強烈だからな・・・食らってみないとあれは分からない」

「おっ、社長が出て来たね」


「本日皆様においでいただいたのは、当社の児童買春スキャンダルの真実を話すためであります、結論から言いますと、確かに社内でそう言った行為が行われているのを確認しました」


カメラのシャッターを切る音が洪水のように流れ出し、画面右上のワイプには顔をしかめる著名人が映し出されている。


一呼吸おいて社長は話を続けようとするが、周囲にいる幹部は挙動不審の状態で、社長の独断で誰にも知らせずに会見の場が設定されたと言うことがうかがえる。


「本来ならば先の記者会見で真実を明るみに出すべきでしたが、私の傲慢さと思い上がりから偽りの内容を語り、保身しか考えておりませんでした、誠に申し訳ありませんでした」


社長は深く頭をさげ、幹部連中もおろおろしながらもそれにならった。


「なぜ急に真実を語ることにしたんですか?」

記者が大きな声を出す。


「私の善性がそうさせたと思っていただきたい、このような悪行に手を染めていることに耐えられなくなったのです」


「あなたの発言は先回の会見と違い過ぎますし、私たちを納得させる材料が欲しいのですが」

別の記者の発言だ。


「当社のホームページトップにこれまでの行いの全てを収めたファイルがアップロードされています、ご自由にダウンロードして如何様にもしていただきたい」


会見の場はざわめき、多くの者が端末でルシウスのサイトにアクセスしだした、これはテレビを観ている者たちも同じことをしているだろう。


「サーバー落ちすることの無いようにこちらも用意してあります」

社長はテーブルに両手をついて前のめりになっているが、幹部たちは頭を下に向けたままだったり、椅子の下にもぐったりしていた。


「はははっ痛快ってヤツかねこれは」

俺は笑う。


「この会社どうなるのかな・・・」

みまがつぶやくと教祖がそれに答えた。


「この後すぐに彼と面談する必要がありそうだね、彼を守らなければならないし、こう言った物事はえてしてコトが済んだ後に一気に精神的な負担が来る物だよ」


教祖は立ち上がると俺の方を見て来た。


「じゃあすぐにでも行かないとな」


俺と教祖はソファーから立ち上がった。



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