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74 抵抗⑦

俺の胸からは血液がほとばしり畳の染みとなっていった。


「暁君!!何をしているんだ!?」


包丁を左胸から抜いて足元に転がす。

血しぶきはしだいに胸の傷に吸い込まれてゆき、傷がうねうねと動いてそのうちには跡形もなく塞がった。


「竹本さん、この身体に書き込まれたタトゥーは全て俺の能力なんだよ、文字通り俺は不死なんだ、死なないんだよ、それと再生と痛覚遮断、包丁が心臓に刺し込まれても痛みは無いしすぐに傷が再生するんだ」


「き・・・君はそんなことが出来たのか・・・そうか、ルシウスに潜入して情報を持ってきたのもそう言った能力のなせる業なのか」

「その通りだよ竹本さん、他にも色々な能力を持っているんだ、タトゥーは全身に書き込める、どんな危機でも乗り越えて見せる、それに不死で歳も取らないだろう、どれだけ時間をかけても腐った世界を取り除いていける」


「驚いたよ・・・君が手伝ってくれるなら、この日本は変えられるかもしれない、私が死んでもその孫が死ぬほどの時間をかけても・・・いや、君はどんどん一人ぼっちになっていくんじゃないのかね?親しい人が、幼い子が君より早く死ぬ」


「・・・そうだね、そうなんだよ竹本さん、不死なんだ、だからこそ俺がやるんだよ」


竹本は表す言葉が無いという表情をして俺を見つめていた。


「竹本さん、ルシウスの件はどうしたい?どう思う?どう感じている?」

「悔しいよ、ワシはこのままおめおめと引き下がりたくない!」


「そうだよな、そうだよ、俺が幼い頃に見ていたスーパーヒーローは諦めなかった、抗って勝てない戦いでも果敢に挑んだ」


そこで俺は落ちていたパーカーを取り上げて身に付け、椅子に座って紅茶を飲んだ。


「おう、もう紅茶も冷めてしまっただろう、もう一度入れなおして来るよ」

竹本は椅子から立ち上がって言った。


「それよりも、畳の血しぶきはごめんなさい」

「ははは、畳なぞそこらの廃屋に今のよりも良いものがたくさんあるから取り換えればいいだけさ」


再び紅茶が運び出されてきて、2人してそれを飲んだ。


「しかし、ルシウスの件はどうしようかね、何かいい能力があるかね」

「俺には無いが、宛があるんだ、能力者のね」


「君以外にも不思議な能力を持つ者がいるのかい?」

「ええ、けっこう強力な能力持ちが」



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