表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

63/82

63 データ③

(どうする・・・どうやって場を収める、スキルを増やすか・・・いやまてよ)

俺は部屋の隅から立ち上がり、端末の前で何やらつぶやいている社員の間から手を伸ばし、ノートパソコンに触れてスキルを使った。


(再生)


再生スキルを使うと警告画面が収まり、サイレンも止み、何事もなかったように静まり返った。


「待機状態に戻ったぞ、どうなったんだ」

「とりあえず端末から調べてみよう・・・ここからアクセスしたような形跡がない、外部からの侵入も見られないぞ、どういうことだ?」


「分からんが何かのエラーじゃないのか、お前はデスクでエラーの原因を調べてくれ俺は外部からのアクセスが本当になかったのか調べてみる」

「分かった」


詰め掛けて来た社員たちはデスクに戻って行った。


「ふぅ・・・危なかった、だがパスが使えないとなるとどうする、会社に鍵を忘れたような状態だぞ」

しばらく考えてはたと気が付いた。


「鍵!開錠スキルだ」

俺はノートパソコンに開錠スキルを使用すると、パスを突破して通常画面が開かれていた。


(しかしこの渡されたハードディスクをつなぐと、モロにアクセスがバレるんじゃないかな・・・ん?、そうだハードディスクに隠匿をかけてアクセスしてみよう、バレたら仕事を放棄して逃げるしかない)


ハードディスクに「隠匿」を使い、ケーブルをつないでみたが、アクセスがバレた様子はなかった。

しばらくするとハードディスク側のソフトが起動してデータチェックのようなものを走らせだす。


10数分経過すると今度はダウンロード作業に入って行った。

これもまた時間がかかり20分ほどして「100%」の表示が出たので、ケーブルを外してサーバールームを出た。


話している社員によると、原因がわからないのでこまごまと要素を潰していくしかないとのことだった。

(残業お疲れさん、俺は早退させてもらうよ)


ルシウスの社屋を出ると腹が減っているのが分かったので、そこらにある合成牛丼の店に入り食事をし、その後列車に揺られ、焼津に帰ってきた。


「たーだいまー」

コテージのドアを叩くと中からみまが出て来た。


「おつかれさまー、どうだった?」

「バッチリさ!・・・と言いたいところだけれどセキリュティに引っかかって大変だったよ、佐々木の渡してきてパスが通らなくてね、警報が出た、よく考えればそうだ、セキュリティの堅い所が何カ月も同じパスを使いまわすはずがない」


「まぁでも成功したんだからいいじゃん」

「そうだな」


俺はそう答えて室内にはいった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ