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6 香典

異世界から荒廃した日本に戻ってきた俺は、実家に戻るとそこは巨大なカジノになっていた。


「実家が無くなっている・・・女神の言った通りだ」


俺はしばらく呆然とした後に、カジノに入った。

入ってすぐにボーイが近寄ってきて言った。


「お客様、当店はドレスコードがありまして・・・」

「ああ、そうか店長に会いに来たんだが、実家に帰って来てみれば無くなっていてこの立派なカジノになっている、どうも実家は火事になったと聞いてね」


ボーイの目がするどく光った後で「こちらへ」と俺は案内された。

「PRIVATE」と書かれたドアに指紋を押し当ててボーイは中に入り、豪華な廊下を進んだ後で突き当りのドアをノックして中に入った。


しばらくしてドアが開いたので中に入った。

奥のドアには大きな水槽がありその前にデスク、そしてソファーが置かれていた。


ドアの横にはサブマシンガンを装備した黒服の男が二人立っていた。


「この店が出来る前にあった住宅のことを知りたいと言うことで」

デスクに座ったサングラスの男が声を出す。


「ああ、火事になって死亡したと聞いている」

「私も聞き及んでおります、不幸な事故だったと」


俺は核心部分にふれる。


「その家は俺の実家で、家族はそこに住んでいたんだ」


サングラスの男の表情が変わり声をあげた。

「おいお前、香典だ」


「俺はそんなものはいらない、お前たちを滅するのが俺の目的だ」

「ふぅ、やめた方が良いですよ、香典を受け取ってさっさとおかえりにならないとご家族と同じ目に合いますよ」


俺の横にはいつの間にか黒服の男がサブマシンガンを突き付けていた。


俺は怒りを通り越して冷静になっている。

サブマシンガンを素早く捻じり落とし、男の後ろにまわった。

反対側の男は驚いてとっさに引き金を引き、俺が盾にした男に銃弾がいくつも当たった。


撃たれた男を対面の男に叩きつけ、床に落ちているサブマシンガンを拾って生きている男の上半身に銃弾を叩き込んだ。

ふたりの黒服は塊になって床に倒れた。


そのままマシンガンを構えてサングラスの男に向かって行く。

狼狽した男は早口でしゃべりだした。


「おお、俺はただのお飾り店長だ、この店の整地やら設計は別のヤツがやっている、放火したヤツのことは知らねぇ、っこ、ここに行け」

そう言って名刺を出してきた名刺を取り上げて読み上げる。


「堂満土木・・・」

「はは・・・組のカバー組織だよ、そこなら何かわかるかもしんねぇ」


俺は名刺をパーカーのポケットに入れて部屋を後にする。

背後から銃撃をしてくると思っていたが、それは無かった。



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