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57 裏切り①

中小企業の事務所跡だったと思われる敷地の中で、俺はスカーを小刻みに撃ち込んでいたが、相手の動きや連携が良く、攻めあぐねていた。


今回の仕事はヤクザからの物で、組長を狙撃されたヤクザがその報復のためにPMC(民間軍事会社)の詰め所を襲撃すると言った内容だった。

ヤクザ絡みの案件だったので、断ろうとしたが、佐々木がどうしてもと言うので、仕事を受けた。

ヤクザもPMCも人の命を、奪って金銭を受けているのだから、どちらにつこうが同じことだ。


前庭に配置されているコンテナに釘付けにされ、屋上からは狙撃手が狙っている、とても屋内まで攻め込んでPMCのリーダーを殺害するのは無理そうに見える。


(こんな状況じゃいずれ押し返される、逃げ時か)


そんなことを考えていると、向かいのコンテナにしゃがみ込んでいたみまが叫んだ。

「アイツら逃げてるよ!」

「なに!?引き上げ時か」


そう考えているが下手に出ると狙撃手の的になるので動けないでいると、ヤクザは乗ってきたハイエースに3台に慌てて飛び込みそのまま走り出した。


「あっ・・・いつら・・・俺らを残していきやがった」


その後にどうするべきか考えていたところ、スピーカーから音声が流れた。

「まだ残っている連中がいるだろう、大人しく出てこれば殺しはしない、情報を吐けば無事に返してやる」


足音が近づいてきて、俺とみまは目を合わせた。


「分かった!武器を外して出て行くから撃たないでくれ!!」

俺はそう叫んでスカーをコンテナから滑り飛ばし、グロックとナイフも放り出した。


みまも同じようにして武装を解除し、俺から先に手をあげてコンテナから出た。

コンテナから出るとマスクをしてプレキャリにゴチャゴチャと取り付けたPMC隊員が銃をこちらに向けて来た。


その後でみまもコンテナ脇から顔を出して手をあげると歩いて俺の横に立った。


「お前らはヤクザって感じじゃないな、雇われたのか?それで見捨てられた」

「そうだ」

「ふん・・・無いとは思うがお前らに出せる情報を吐け」

「アイツらがこれから向かうヤサを知っている」


「・・・嘘ついてどうにか逃げようなんてうまくはいかないぞ、それが嘘だったら殺す」

(あいつらが向かっている場所は探索のスキルでいまこの時も情報が入ってきている、ミスはしない)


「あーそれとだな、何の罰も無しってのは通らんからな」


PMCの一人が拳銃を抜いてプレキャリの上から俺に9㎜弾を撃ち込んだ、プレキャリを着けていれば9㎜弾程度は貫通しないが、衝撃がモロに内臓に叩き込まれる。

しかし俺には痛覚遮断のパッシブスキルがあるため、痛みを感じずとりあえず苦痛に身をよじる真似をした。




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