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52 教祖の能力①

「今日の菓子はお金持ちの信徒から差し入れがあった物だ」

「どうりで、うまいよ」


俺は宗教団体「神代の法」の教祖と話をしている。


「しかし君は、本当に我が教団に出入りするようになったな」

「調べないとね、アンタらの教団が本当に信用できるかどうかわからない」


「それで、何か金の流れや無法の徒との繋がりは見つかったかね」

「見つからないから困っている、信用に傾いているところだね、熱心な信者で家に帰らなかった者たちも、アンタの話し1つで元の生活に戻り、健全な毎日を送っている」


俺は教祖の前にあるソファに腰を掛けて、菓子をつまんで紅茶を飲んでいる。


「それ、もここに来る理由じゃぁ無いのかな?」

「実はそうなんだ、ここに来ればうまい菓子が食える、それで今回の案件はどんなものなんだ」


「君はヤクザも我が教団に入信して、まっとうな道へ歩むこともあることは知っているね?」

「最初は信じなかったが今は信じている、そう言いう奴らも見たし、アンタの能力が強力なのは知っている」


「ちょうど明日そのヤクザがここに乗り込んでくる、わざわざ電話までしてきた、お前の組織に一枚カマせろと言うのだ」

「そいつも洗脳すればいい、今まで通りに」


「ところが障害がある、私の能力が使えない、頭打ちになったのか綺麗さっぱり身体から抜け出したのかもわからない」

「教団は成熟したから、洗脳ではなく純粋に言葉で信徒を集めて導けるはずだったのでは?」


「それは純粋に助けを求める人々の話しだ、暴力や野心で人を動かす連中には能力が必要だった」

教祖は手を組んで握ったり閉じたりして床を見つめている」


「きっと荒事になるから、専門の人間が必要になる、つまり俺だな」

「そうだ、彼らはおそらく礼拝の時間に合わせて乗り込んでくるだろう、そこで君に追い払ってもらいたい、その後にも彼らのヤサに乗り込んで行って二度と踏み込んで来ないようにまぁ、その、教育してやって欲しい」


俺は首をぐるぐると回して気だるそうにすると教祖にしゃべりかけた。


「武装しているし、俺が撃たれなくても信徒が撃たれる可能性がある」

「分かっている、うまくやって欲しいと思っている、報酬は割合多く出すつもりだ」


「報酬の元は信徒の寄付した金なんだろう、そう言う金は俺には似合わない」

そう言って菓子をつまむと教祖に見せた。


「飛び切り美味しい菓子がもらえればそれでいい」

「恩にきるよ、君ならうまくやれると信じている」


教祖は少し笑ってこちらを見た。



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