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41 カルテルを潰せ③

廃工場の暗さに目が慣れてくると、相手の二人の様子が分かってきた。

どちらも20代頃で一人はミリタリーブルゾンを着て、もう一人はアウトドア用のソフトシェルを羽織っている。


「当り前だが警官に見えないな」

俺がそう言うと相手が返事を返してきた。

「ただの普段着だよ、これでも目立たない服装のつもりだ」


SUVを工場内に入れて後部座席からプレキャリを出して身に付けだすと、鈴木たちは驚いた顔をした。

「おい、そんな物騒な格好で行くのか?目立つぞ」


「あんたらの情報だと武装が物々しいとあったからそれに応じたつもりだ、プレキャリを持ってきていないのか?」

(とは言っても本当は俺にはプレキャリなんて必要ないんだがな・・・)


「そんなものは持ってきていない」

「みま、彼らの装備をチェックしてやってくれ」

「うーい」

みまはポンポンと跳ねながら軽トラに近づいて行った。


「メインアームはMP5、サイドアームはベレッタだよ、プレキャリは無し、予備を二つ持ってきておいて正解だったね、だけど9㎜メインじゃ不安だね」


「君たちは何者なんだ、手慣れ過ぎている、それに犯人確保をするのなら僕たちの装備で十分だろう」

田中がうろたえた様子で話しかけて来た。


「お兄さんたち甘いよ、相手はこっちを殺す気で来る、だとすれば同じ気構えじゃないと自分が死ぬよ、それに悪党どもに優しさを見せると足元をすくわれる、捕獲対象以外は全員殺すつもりでなくちゃ」


みまがプレキャリの微調整をしつつ、俺の方へ歩いて来た。

「予備のプレキャリだ、あんたらこれを着けろ」


俺は一人づつプレキャリを手渡して行く。


全員準備が整ったところで今回のブリーフィングが始まった。


「アンタらの作戦はどう言うんだ?」

俺が建物とその周辺の地図を見て言った。


「ああ、まず隠れ家には表に見張りが一人いる、そこまで軽トラで進んで拳銃で脅してドアをあけさせる、それから縛り上げて中に入り一部屋づつクリアリングして・・・」

「全然だめだよ、見張りはすぐに撃ってくるし大声も上げる、この時点で中の連中が武装して駆けつけてくる、こうなると立てこもっている連中が断然有利になるよ」


「じゃ、じゃあどうすれば・・・」

田中は明らかに動揺している。


「そこらにシートが散らばっているだろう、荷台にそれを乗せてみまと俺が被る、軽トラはこの辺りでは当たり前の車両だからある程度までは見張りも気にしないだろう、ちょうどいい位置に来たら俺が荷台から見張りを狙撃する、その後はスピードを上げて隠れ家の前に着ける」


おれは地図に指を走らせて相手の二人に説明した。


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