臓器売買③
話しが前後していますもうしわけありません
「ついでだ、駅前までのせてってやるよ」
俺はすっかり姿を変えた3人家族をSUVの後部座席に乗せて、元ヤクザだった奴らを荷室に転げ入れた。
自働車が走り出すと父親が声をかけて来た。
「あのう・・・あなた方は何者ですか?どうしてこんなことを?」
「ヤクザ絡みの案件であんたらを捕獲しに来た、だが事情が変わり掃除屋の仕事になった」
「掃除屋?」
俺はバックミラーで父親を確認するとしゃべりだした。
「世の中に跋扈する、反吐が出そうなことをなりわいにしている連中を処理していくチームさ、まぁ、2人だけだけどね」
そのまま土手の道を走り、駅前に到着したので「なんでもや」のまえにSUVを乗り付けた。
「おや、また何か御入用かい?」
「ああ、この3人のカードを作って欲しい」
「お安い御用だ、すぐ取り掛かるよ」
何でも屋の主人はキーボードをたたき何事かの作業に入った。
「あの・・・助けていただいた上にカードまで、そこまでしていただくいわれがありません」
旦那が困ったような顔をしていた。
「あんたたちは善人だ、この世界には善人と言うだけで価値がある、そして善人は搾取される、俺はそう言うことにあらがいたいんだ」
その後も何がしかやり取りしているとカードが3人分出来上がった。
「当面暮らして行けるだけの金が入ったカード情報が手に入ったから安心していいよ」
なんでもやのオヤジは笑顔で言った」
店を出ると俺は父親の尻に軽く蹴りを入れて言った。
「こんな場所でまごまごしている場合じゃあないだろう?さっさと電車にでも乗って遠くへ行くんだ」
3人家族はいつまでも頭をさげながら駅に向かった。
「次はあいつらだね」
みまはそう言うとSUVに乗った、そのまま新興産業まで走る、荷室では目を覚ましたらしい3人がうめき声をあげている。
薄汚いテナントの前で車を止めると、俺は2階まで上がり佐々木に声をかけた。
「おっ、仕事は済んだか?」
「SUVの中に乗せてある確認に来てくれ」
佐々木は荷室を開けてスマホで調べると言った。
「全員が本人だと確認できた、しかし何で全裸なんだ?」
「ごちゃごちゃうるさいから脅しで服を引き裂いたんだ」
「お前もここういう仕事に慣れて来たってわけかね」
佐々木はそう言いながら手下に3人を運ばせている。
「おっ、そうだ、今回の取り分だ」
佐々木は俺のカードをスキャンして入金作業をして返してきた。
俺とみまはその場に立ち尽くしていたが、みまがぽつりと口を開いた。
「あの家族、うまくやれると良いね」
「ああ、そうだな」




