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31 拳銃

午後に入って人通りが増えて来た時間帯に俺はみまと商店街を抜けて歩いていた。

商店街と言ってもほとんどシャッターが閉まりタギングや妙なシールがべたべたと貼られ、ゴミだらけの廃墟同然の街並みだ。


みまはそこを平然と、明るい顔をしてとことこと先頭をきって歩いて行く。


「どこまで行くんだ」

「もうちょっと、もうちょっと先のお店だよ」


彼女はそう言うが商店街を過ぎてしまい目立つものは何もなかった。


「ここだよ」


みまが手を差し出した先にはうすぼけてほとんど見えなくなった看板には「浦安雑貨店」と書かれていた。


「おっちゃーん来たよー!」


彼女が叫ぶと奥から初老の男がのたのたと歩いて来た。


「おお、みまちゃん、弾丸の仕入れかね?」

「それもあるけど彼に新しいのを見つくろってあげて」


何を買うのかまったく知らされていなかった俺は急に話を振られて戸惑った。


「どうも、よろしくお願いします」

「うん、みまちゃんの紹介なら売ってやるよ」


みまの時と違い、おっちゃんは俺のことをねめつけるような表情で見た。


みまとおっちゃんは店の奥に入って行き、鉄製の扉の錠を開けるとそこには地下に続く階段があった。

灯りが付けられて、湿り気のある地下に全員で降りて行くとそこには大小さまざまな銃火器が壁や床に、設えてあった。


「で、どんなのが必要なんだ?」

「拳銃だよ」


みまとおっちゃんが話をすすめていく


「お前さん、どんな拳銃が欲しい?」

「いままで触ったこともないから何が何だか」

「ふん、そうか、とりあえずみまちゃんの銃と互換性のある9ミリパラベラムだな」


そう言って彼は何丁かの拳銃をカウンターの上に置いたて言った。


「好きなデザインでも直観でも何でも良いから手に取ってみろ」

そう言われて俺は角ばったデザインの銃を手にすると、マガジンリリースをして弾薬の有無を確認し、チャンバーチェックまでを素早く行った。


「おまえ・・・銃を扱ったことが無いだと?嘘っぱちだろう、素人、いやそこらのチンピラでもそんな扱い方はせんぞ」


「あ・・・気が付いたら身体が動いていて」

俺がそう言うとおっちゃんは言葉を返してきた。

「銃を構えてみろ」


銃を構えるとおっちゃんはその様子を目を細めてみていた。


「ふん・・・満点だな、構え方にも文句のつけようがない」


「でも本当に銃の扱いなんか・・・身体が動くだけで」


俺は困惑していた。

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