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30 拳銃

俺とみまが与太者の御用達スーパー玉田で買い物をしていると外から怒号が聞こえて来た。

いつものことなので、無視して買い物をしてレジを通ってもまだ怒鳴り声や、何がしかが壊れる音が響いて来た。


俺たちは揃って玉田を出ると与太者どおしが喧嘩をして流血沙汰にもなっている。

みまはポケットから拳銃を取りだすと上に向けて2発発射し、喧嘩が一瞬収まったタイミングで、男たちの足元に2-3発銃弾を撃ち込んだ。


「どうしてあんた達は毎日くだらないことをしているんだ、うるさくて耳が腐りそうだよ」


みまの目つきを見た男たちは全員恐れをなして方々に逃げ去って行った。


「あーあ、弾丸だって安くはないのに、無駄に使っちゃったよ」

みまは拳銃をポケットにしまって不機嫌な表情を浮かべた。


「こんなところで拳銃撃って大丈夫なのか?」

俺がそう聞くとみまはなんともないと言う風に答える。


「警察に通報するような人はまずいないよ、通報したとして警官は事が終わった位の良いタイミングで現れて、事件性なしとしてのらくら帰っていくだけだよ」


買い物バッグを肩から下げて海辺のコテージまで二人で歩いていると、夕日がきれいでここがゴミ溜めみたいな場所とは思えなくなった。


「あ、そうだ、暁も拳銃を買った方がいいよ、いくら不死だって今日みたいに相手をけん制してその場を収めたり、遠距離から一方的に攻撃できるアドバンテージは大きいよ」


「うん・・・そうだな、俺は遠距離攻撃の手段を持たないし、タトゥーを書き込むのも慎重にならないといけない、武器を携行するのは正解かもしれないな」


コテージに戻るとみまはテレビを点けてぼんやり画面を眺めている、俺はと言うと先ほど買ってきた食材を切ったり焼いたりしながら調理を進めていった。


「みま、夕飯できたよ」

そう言って盆で料理を運んで来るとみまはテレビを消した。


「「いただきます」」


そう言って食事を進めていく。


「うん、このチンジャオロースーおいしいね!」

「だろ?学生時代良く作ったし案外手軽にできるんだよ」


「さっき暴れていた連中はさ、どんな理由で暴れていたんだろう?」

「あの感じはどこそこの組織に所属しているとか言う感じでは無いね、4-5人で群れてドラッグやチープなお酒で気分が高揚して、理由もなく喧嘩しているんだよ」


「連中はいつか救われるんだろうか?」

「よほどのことが無ければ無いよ、ドラッグで脳がトコロテンみたいになって野垂れ死ぬか、刺されて海にながれていくんだ」


俺は改めてこの日本が掃きだめのどん底にあることを実感した。

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