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28 臓器売買②

俺は目の前の怯えた家族3人が揃って臓器を抜かれ、余った肉体は豚の餌にされることを想像して、しんそこ吐き気がした。


「借金を取り立てるのが主たる目的ではないね、散々お金を抜いた後で最終的に臓器売買することを最初から考えていたんだよ」

「クズ以下だ・・・掃除屋の出番だよな、みま」

「うん」


俺はタトゥーペンを取りだして上着を半分脱いでわき腹に「変化」と書いた。


「あの・・・何をしているんですか?」

「見てればわかる」


俺はそう言って部屋から出て転がっていた雑誌を拾い上げ、そのまま部屋に戻った。

雑誌をぺらぺらとめくって、中年男性モデルのページでめくるのをやめた。


「いいか?あんたたちはこれから別の人生を歩むことになる、今日で今までの人生とはお別れだ」

俺はそう言って旦那の手を取ると「変化」と答えた。

旦那の身体は見る見るうちに変化して、雑誌のモデルにそっくりになった。


他の家族は仰天して騒いでいる、そこらに転がっていた鏡の破片で旦那自身の顔を見せると彼もまた驚いている。

「身体を変化させた、俺はまぁエスパーみたいなもんだ」


次に中年女性のコラムニストの写真を見つけ、女房の手を取りコラムニストそっくりに仕立て上げた。


最期に娘だが、読者モデルの比較的地味な少女を選んで変化させた。


「これであんた達は別人になった、ここじゃないどこかに行けるんだ」

3人とも涙をこぼしていたが、その時になっていきなりドアが蹴破られて、どかどかとカタギではない3人の男が入り込んできた。


「んだぁお前ら?別の取り立て屋か?ここに住んでいる奴らのガラは俺らのもんだ!」

「ちょうどいい所に3人来たね、みま、昏倒させて」

「うん」


彼女は10秒とかからずに全員昏倒させた。


「さて、俺の中にあるデータにはさっき取ったあんたがたのDNAデータがあるわけだが、これを・・・」


俺は倒れている男たちに次々と指を触れて行った。


「わ、私たちそっくりに、いや本物になっているんですか・・・?」

「そうだ、あとは自分の記憶を残して今あったことや自分に有利なことを言えないようにする」


「変化、これで頭の中も変えた、服を脱がさないとな」

そう言って俺とみまはカタギではない男たちだった者の服を脱がして結束バンドで拘束しさるぐつわをかました。


「これで、身代わりになったコイツらの臓器は抜かれて豚の餌になる、罪悪感はあるか?」


家族にそれを問うと全員そんなことはかけらもないと言うようなことを言った。


「いいね、これが掃除屋だよ」

みまはにこやかにつぶやいた。


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