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第5章:「感覚」としてぼんやりと理解できた、サーフィンとの出会い(2)
・・・のんびりと、手をつなぎながらビーチをうろつくカップルや、
まっ黒に日に焼けた子供らがはしゃぐ中・・・
ぼくと川上君もまた、
水泳用のトランクス一丁で、仲良く浜辺を散歩して、ぶらついていた。
どこの「海の家」も家族連れであふれかえってゴミゴミとしていたし、小さい子も、
ときどき、「キャー!!」などという、すっとんきょうな奇声をあげたりするので、やかましかったし、ごちゃごちゃしていて、実にうっとおしかった。
ぼくらがいたビーチハウスも例外ではなかったので、
なんとなく息ぐるしくなり、落ちつかない気分になったぼくらは、
まだ浜辺のほうがマシだと考えたのだった。
露店の「焼きトウモロコシ」だの、
異常に高額な「焼きソバ」だの、
イカを丸ごとあぶって焼いた、皆さんにもおなじみの『イカぽっぽ焼き』だのを、
アホづらこいてかぶりつく連中を横目に、
はしっこの海の家までたどりついたぼくと川上君。
そんなぼくらが目をつけたのが、
前章でも触れた、
「レスキュー用のサーフボード」であった。