表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
人喰い  作者: 青い傘
1/31

「東京で人喰い事件発生」


 最近の話題といえば、これに限る。田舎とはいえ、曲がりなりにも東京都の一員である私たちにとっては興味深いニュース。


「相変わらず、人喰いだのいう割にはあれよね。学校なくなんないよね」


「ねー。休みにしてくれてもいいのに」


 模倣犯も少しばかりはいるらしいし、犯人もすぐに捕まるようだから、問題が大きくならないのかも知れない。


「いやー。男子どもは直ぐにゾンビだなんだって騒いでだけどねー」


 この件でうるさかったのは男子を始めとした生徒たちだろう。真剣に捉えすぎて、熱弁し始めてシェルターがどうのっていう話をしてた。


 金曜日くらいから話題になったこの話で月曜に休んだ奴もいたけど今日、火曜日にはしっかりと来てるし。


「だって、ゾンビが本物だったらもう日本終わってるし」


 だとさ。


「美羽。いざとなったら私のこと守ってね」


 山田美羽。私の友達。体術、剣術に自信があって、暴漢も撃退したことがある。


 とてもその華奢な肉体からは想像できないけど。


「えー、ズルい。私のことも守ってよね」


「いや、いいよ。私だけでいい、夏代子は見捨ててよし」


 長嶋夏代子。私の友達。彼氏募集中らしいけどギャルっぽい割にはロマンチストなところがあるから、なかなかいい相手が見つからず、付き合った人もいない。


「任せな。二人まとめて守ってやんよ」


 それを聞いて私も夏代子も美羽に視線を向ける。


 なんて頼りになる奴だ。


「その代わりー」


 一拍置いて


「次の授業の宿題見して」


 そんな一言で全部台無しになるけども。


「しょうがないなー」


 そんな火曜日の昼休みは平和なまま過ぎていった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ