二十二話
間違えて先に二十三話を投稿してました!
申し訳ないっす!
おかしい……。
これはちょっと変だ。
「どうしましたハルさん?」
「ああ、いや……えっと……近くないです?」
色々あって屋敷に戻ってから数日。
マーケットアプリを使ったり、スレイプニル達にお礼をしたり、ヘクトールさんとちょっとしたお仕事をしたりエメリーさんに訓練がてらボコボコにされたりといつもの日常プラスアルファで過ごしているんだけど。
なんというか戻ってからのアロスフィアさんの距離感がなんかバグってる。
「こんなものですよ。 それより、はいあーん」
「あ、はい。 あーん」
まるで恋人の如くお菓子をねだってくるのでその愛らしい小さい口の中にチョコを入れて食べてさせている。
虫歯一つない綺麗なお口である可愛い。
「ふふ、色々お菓子を食べましたけど、私はこのタケノコの村が一番好きです」
「向こうの世界でも人気ですからね」
なにせキノコの里と二分して口論やケンカが勃発する程の人気商品だしな。
昔どっちも好きって答えたらコウモリ野郎って言われた。悲しい。
「ハルさんが一番好きなお菓子は何ですか?」
「俺のですか? うーん……なんだろう」
じゃがこりとかポテチとかも好きだけど一番かと言われると違うな。
クッキーやチョコも嫌いじゃないし……あ、アレだな。
「マシュマロですね。 ちょっと炙ったあとにクッキーで挟んだやつが好きです」
「ましゅ、ましゅまる?」
言い慣れない言葉にちょっと苦戦するアロスフィアさん可愛い。
発音難しくは無いけど、慣れない言葉だから仕方無いよなうん。
「マシュマロです。 ふわふわした甘いお菓子で、炙ると柔らかく香ばしくなって美味しいんですよ」
「まぁ。 では今晩の買い物ではそれをよろしくお願いしますね。 私にあーんしてください」
にっこにこでそんな事を言うアロスフィアさん可愛すぎである。
なにこの子持って帰りたい。
あ、ここ家だわ。
甘え上手か。そもそもの見た目が可愛すぎるから余計にである。
想像して欲しい。絶世の美女がピッタリと寄り添ってきてそんな事を言うんだよ?
可愛いと思うことを耐えられる奴がいるなら連れてきてほしい。
美人局なんてそんなもの引っ掛かる奴アホだろとか思ってたけど、今は引っ掛からない方がおかしいと分かる。
こんなレベルだったら、そりゃあもうホイホイだろう。
「勿論です。 マーケットアプリのおかげで役得ですね」
マーケットアプリ様々である。
そう言えば今さらだけど、実はまたマーケットアプリの機能が拡張している。
一回の購入限度数が十個から二十個に増えている。
品目も増えたのだが、これがちょっと怪しい。
武器だ。
武器の項目が増えたのだけど、これが自分の世界の物だけじゃなく、多分この世界の物らしき怪しげな商品まで並んでいた。
俺自身武器に詳しい訳じゃないので何とも言い難いんだけど、例えばちょっとした日本刀だったりバスターソードだったり拳銃だったりはまだ分かる。
けど戦闘獣とかいう明らかに生き物だったり、ホムンクルスまで売ってる。
なにこれどういうこと?
中身を見ると人型から魔物型までズラリと並んでいる。お値段もピンキリだけど高いやつは億を余裕で超えている。戦闘獣の方もしかり。
……一番高い戦闘獣はなんと三兆三千億円。
獣と書いてはあるけど、人型で背後にうねうねとした触手やいくつもの眼が浮いておりハッキリ言ってクトゥルフ系の化物にしか見えん。
マーケットアプリ製のホムンクルスや戦闘獣なんてそのお値段だとどんな化物が出てくるのか想像も出来ない。
「……あ、そう言えば忘れていました。 今朝方届いていた手紙の中にハルさん宛のものがありましたよ」
「え? 俺宛に? 手紙をもらうような相手なんていませんけど……誰だろ?」
「とてもその……個性的な字で分かりにくかったのですけど、宛名はリフェルという方からでしたよ」
めちゃくちゃ気を遣った言い方をしてくれたけど、多分字が汚かったんだろうな。
リフェルそういうの気にしなさそうだもん。
「ああ、前に屋敷に帰ってくる時に護衛してくれた傭兵さんですよ。 なんだろう?」
「じゃあ一緒に見に行きましょうか。 執務室に置いていますから。 はい」
隣に立ち、手を差し出してくるアロスフィアさん。
手を握れって事だろうけど……やっぱり距離感がおかしいな。
もうこれ恋人みたいなもんじゃないの?
彼女いない歴=年齢の俺にとってこういうの本当に勘違いしちゃうんだからね。
そして遠慮なく握っちゃうんだからね!
なんというか肌が吸い付くようにしっとりもちもちとした感触が新鮮です。ずっと触ってたい。
ちょっと緊張で手汗出てきそう。
あわわわわ、嫌がられたりしないかな?
こういうの初めてだから緊張がヤバい。
「こ、こういう風に手を繋ぐのが初めてですから、ちょっと緊張しちゃいますね」
あーーーー!やめてーーー!
そんな照れ顔見せられたら心臓が持たない!
手をにぎにぎされるともう動悸で心臓が!
心臓が爆発しちゃう!
俺の脈とか伝わってないよね!?
緊張しすぎてヤヴァイよ!
「……何をしているんですかスフィア様」
「あらエメリー。 見て、初めて男性と手を繋いでみたの。 貴女もどう?」
嬉し恥ずかしなお手々繋ぎをしていたらエメリーさんに見られた。めっちゃ恥ずかしいのに、アロスフィアさんが変なこと言い出してるよ。
っていうか異性と手を繋ぐのが初めてって、何年生きてるのか知らないけどマジで?
そんな貴重な初体験俺が貰っていいの?
「…………面白そうですのでご一緒します」
乗ってきた!?
やばいよ両手に花だよ。
エメリーさんがアロスフィアさんと逆の方に寄り添ってきたけど何この状況。
あとエメリーさんの手はなんというかすべすべでサラサラだ。
ずっと触っていたいくらいになんか気持ちいい。
「なるほど……ハルさんの手はがっしりしているのですね。 繊細そうに見えますが、こういうところはちゃんと男性ですね」
「繊細そうに見えてたんですか? 俺の場合かなり大雑把ですよ」
「なんというか……あまりにもひ弱で見ていて危なっかしいせいか、どうにもか弱いイメージが抜けないせいですね」
……言い返したいけどこの二人には無理だ。
この二人に比べたら誰だってか弱いさきっと!
たとえ見た目が可憐で可愛かったり綺麗だったりしたとしても!
いやでも二人の手の感触からすると君達の方が絶対繊細だよ本当に。
こんな愛らしい手で兵士達と真正面からやりあってるんでしょう?
信じられん。
「……思ったよりその……これは良いですね。 私はハルさんの手は好きかもしれません」
ゴフッ……なんか致死量レベルの可愛いをぶちこんでくるメイドさんがおる……無理。
もう童貞は色々と限界を超えそうです。
なにその照れ顔。アロスフィアさんもヤバイけどエメリーさんも普段とのギャップのせいで破壊力がヤバイ。
父さん、母さん。
俺、異世界で最高の瞬間を迎えているよ。
尊死したらよくやったと言って労ってほしい。




