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閑話


お祖父様の葬儀から1週間頃

「はぁ、はぁ。流石に数が居るとレベル上げもキツくなるな。」


森の入り口近く、コボルトとホブゴブリンの集団を倒し終えたユウマは、自ら鑑定を行いレべルアップの増加を確認していた。


「最近、伸びが少ないな…。そろそろ、魔獣のレベルも上げていいのかな?」

手探りで、冒険者を始めると陥る最初の難題だ。


「この程度の魔獣なら魔石は、要らないな。アースウォール…。アースリーポージット。」


地面を元に戻すと身体もキレイにしておく。

「もう少し、奥に進むか。」


ユウマは、感知系の魔導具を身に着け歩く。やがて人間の反応があった。すかさず、平民の姿に身を変え歩いていく。すると、相手の方からユウマに近付いてきた。


「よぉ。こんなに所に子供(ガキ)が何のようだ?迷子って訳では、無いだろう?」

リーダーらしい男が声を掛けてきた。


「お母さんが病気で薬草を摘みに来ました。」

ユウマは、平民を装い答える。


三人の男達は、ニヤニヤしながら

「それなら、こっちに沢山あるぜ!」


「ほんと?やったー。ありがとう御座います。」

ユウマは、軽く会釈すると男たちの示した方向へと歩みを進める。


暫く歩くと、男達も付いてきているのが分かる。

(誘拐して売り飛ばす気か?…)こっそりとブローチを取り出し胸につける。


やがて、崖下に辿り着き近くに薬草が生えていた。

然し、気になる魔力を感知している。


男達に怪しまれない様に木々の下の薬草を集め帰ろうとした時、男達が周りを囲む。


「よし。ここら辺なら誰も居ないだろう?ボウズ、こっちへ来い!」


「おじさん達、悪い人なの?」

ユウマは、平気で尋ねた。


「あぁ。恐い盗賊だよ。あはは。お前を拐って売り飛ばしてやる。」

相手が子供だと油断して周りに気を配っていない。


ユウマは、呆れつつ「逃げたほうがいいよ。まだ、助かるよ。」

と声を出した


「あっはは。頭、オカシイのか?スラムのガキか?オイ!縛ってしまえ!」

リーダーが声をかけると二人が縄を巻きに二手に別れる。


「アースウォール…。」小声で囁く。


三人は、下半身を地面に埋められ身動きが取れない。


「小僧!!何しやがった!!クソッ!!」

男達は、騒ぎ始める。


「あまり騒がないほうがいいよ!」

ユウマは、チラリと崖下の穴を見た。


「うるせぇー。テメーぶち殺してやる。」

男達は、叫びながら短剣や鉤爪を使い何とか穴から出ようとしている。


「あぁ〜あ。叫ばない方が言いよって言ったのに…。じゃねー」


「何言ってんだ?小僧!!ここから早く出しやがれ。」


「後ろー!!」

ユウマは、背を向け森の中へと歩いていく。


男達が後ろを振り向くとオークやオークロードが崖下の穴から出てきた。


「坊っちゃん!!頼むよ!!ここから逃がしてくれ!!御礼はするぞ!!」

リーダー格の男が必死に頼み込む。


ユウマは、振り向くと「エアーカッター」を放ち3匹のオークとオークロードを倒す。


そして男達に近づき、

「こんな事、もうしない?」

と問いかける。


リーダー格の男が

「あぁ。こんな事は、コリゴリだ。もうしない。約束するから出してくれ。」

と喋った。


それを聞いたユウマは、

「可哀想な人…。」

とつぶやき肩に手を触れる。


すると、先程のブローチから

「このガキ!!絶体ぶっ殺す!!」

と声が聞こえてきた。


「これはね、心の声を響かせる魔法のブローチ。残念だよ…。ホントに」

そう言うと踵を返して森へと入っていった。


男たちは、

「クソガキー!!顔は、覚えたからな!!絶対に殺してやる!!」

と話したり叫んだりして何とか脱出しようと足掻いてた。やがて、影に包まれる。


振り向くとオーク達が穴から沢山出てきていた。

血の臭いと男たちの声に反応したらしい。


ユウマは、森の中で男達の最後の声を聞いていた。






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