ベルフラワー&ホワイトレースフラワー
最後はマックスとシルの子供の末っ子達の視点です。
新キャラとなります。
よろしくお願いします!
「お母様ー!」
「アリーお姉さまー!」
私達は双子の姉妹、ベルフラワーとホワイトレースフラワー。3歳よ!
姉がベルで妹の私がレースの愛称で呼ばれているわ!!
今はお母様とお姉さまと一緒にお庭で遊んでいるの。
庭師のルイが丁寧に手入れをしてくれてるから芝生に寝そべってもチクチクしないし、お花も色とりどりだから見てて飽きないし、その花の蜜の匂いにつられて蝶々や可愛い小鳥達も遊びに来てくれるのよー。
とても楽しいわ!時々変な夢を見るときがあるけど起きたと時には忘れちゃうのー。ベルもそうみたい。私よりベルの夢の方が怖いみたいで私はいつも頭を撫でてあげるのよ。そうすればスヤスヤ寝てくれるのー。
お母様にその話をしたらとても褒められたわ!これからも暫くはベルと一緒に寝てあげてって頼まれたの!
本当は双子の姉妹でも、別々の部屋を与えられて過ごすらしいのだけど…私達は引き離すと泣いて大変だったみたい…。
だから、お母様はそんなことなさらなかったわ。ベルとレースが納得するまで…もう、大丈夫だと思えるまで一緒にいればいいって!
お母様はお優しい人なのに、お姉さまは…
「ベル?レース?お勉強や授業を絶対にさぼってはダメよ!お母様その時だけはとてもこわいのだから!!」
とそれはそれは真剣にアドバイスをくださったわ。
アリーお姉さま?それ、当たり前じゃないの?と思ったのだけど…ベルが首を横に振って内緒ってするからうんうん!と頷いてあげたのよ?えらいでしょ?
ふふふ。こういう時に報告に行かなくちゃ行けない人が要るの!
私はベルの手を引いて走ったら…怒られるから…歩いて目指すことにしたわ!
私は御屋敷の一番真ん中にあるお部屋のドアを叩いたわ!
「「ジャックー!褒めて」」
「とても偉いですよ!」
私とベルはジャックから頭を撫でて貰ったわ。
この人、何が偉かったか話さなくても撫でてくれるのよね。撫でた後、何が偉かったか聞いてくれてまた、撫でてくれるのよー。
だから、ベルも私もお母様とアリーお姉さまの次にジャックが好きなの!!
ジャックはアリーお姉さまの旦那様で、ここの御屋敷の警備隊長なのですって!
皆から宰相さまやご当主様って呼ばれていたけど、自分は至宝たちを守る隊長です!!って言い張るからそのままにしてくことにしたの。
宰相って王宮に居ないといけないんじゃないの?毎日ここに帰ってくるのだけど…どうやってるのかしら??
母上は療養の為にここにいるけど、この国の王妃様で、私達は王女なんですって。いずれ王都に戻らないといけないらしいのー使用人達が噂していたわ。
お母様何がお悪いのかしら??
病気!?
その話を聞いて私とベルは心配で泣きながらお母様の所に行ったわ。
「「お母様体が痛いの?死んでしまうのー?嫌です!!」」
「死なないわ!大丈夫よ!何か聞いてしまったのね…心配かけてごめんなさい。そうね。二人にだけはお話しとしておくわ!内緒よ?お母様とても元気なの。どこも痛く無いし、悪いところは無いわ!」
「本当?」
「ええ。でも、国が…貴方達やアリーやジャック、お母様やお兄さま達が大切な人達が住む、この国が病気なの。病気はね、見えるところだけが悪くなっているわけではないの。実は奥深くまで根を張っているものなのよ。それを根絶してしまう為にお母様はここへ来たのよ?私は大丈夫よ。ありがとう。ベル、レース。」
「「よかったぁー!」」
ベルなんか安心してお母様から暫く抱きついて離れないのよ!私にも代わって!!
「で?誰にそんなこと言われたの?」
お母様が怖いのは本当なのねと思ったわ。
二人でお庭て遊んでいると、時々おじさんがこっちを見ている時があるの。話しかけて来ないし、ただ見てるだけ。
アリーお姉さまがそのおじさんを見つけた時は鬼のように怒ってすごかったわ!
「名乗れもしない臆病者に我が屋敷に入る資格はございません。つまみ出しなさい!」
影からわさわさって人が出てきて素早く連れていかれてたのー。こんなに人が居たのね!とビックリしたわ。
それからまた、たくさんの日々が過ぎたわ!
私達4歳になったの!
お母様からお話しがあったの。
「貴方達のお父様であるこの国の王さまがアレク兄さまに王さまを譲る決意をされました。それに合わせて王都に一度戻らねばなりません。良いですか?」
って。ベルが珍しく私よりも先に口を開いたわ。
「お母様。お願いがあります。その前に一度会いたいの。あのおじさんに」
お母様は嬉しそうにニッコリ笑って言ってくれたわ。
「叶えましょう。」
私達はその日も庭で待っていたわ。そしたらおじさんはやって来たの。
「マックス。こっちに来なさい。」
ベルは凛とした声だった。おじさんの目が見開いて驚きつつもこっちに近づいてくる。
「もっと早く歩けるでしょう!まだ正してなかったの!?」
「その…言い方…まさか!?」
おじさんの目にどんどん涙が貯まっていく。
「マックス。貴方を愛していなかったわけではないけれど、一番だと言ってあげられなくてごめんなさい。貴方から人を愛する自信を奪ったのは私だわ。」
「リア…。うっうーー。」
「リアとリリーを一緒に奥さんにしなかったからよ!」
「「そんな金ねーよ!」わよ!」
「というかまだ、それ根に持ってたの?相変わらず、ねちっこいわね!」
もう!貴女は黙ってて!って怒られたわ!何故!?
「今のやり取りで思い出した…父上に…先代にリリーを王太子妃に望んでいると伝えた事があったんだ…でも、父上からお前はリリーが王妃に向いていると本気で思うのか?と問われて…。」
「失礼ね!でも…無理に決まってるでしょ!」
自信たっぷりに答えてあげたらベルから不憫な子を見るような目で見られたわ。
「でも、どうしてもリリーが良くて…王妃に向いてます!って答えたら…父上はわかった。だからこそロデリアを王太子妃とすると仰って…理由は教えて貰えなかった。」
「私には教えて貰えたわ。私が選ばれた時…。マックスの気持ちが誰に向いているかは解かりやすかったしね。私はどうでも良かったんだけど…。先代は王太子にも儘ならないことがあると言う教えだと仰っていたわ。だから、マックス。もう、自分を一番に愛してくれるかと問い続ける愛し方は辞めなさい。シルクジャスミンはずっと貴方の気持ちに答えていたでしょう?マックスが誰を後宮に召しあげても変わらなかったはずよ。私と違って。もう、気づいているのでしょう??」
「うん。余は…たくさん間違えた。シルの愛を試し続けた…余のためにどれだけしてくれるのかを。最低なことだった。だから、余は責を負わねばならない。でも…シルだけは…」
「その先は本人に言って。」
「うん。」
「それと、私達を娘だと認めてなかった事は別だから。」
「!?」
「そうよ!覗きのおじさんってしか呼んでやらないんだからね!」
「「地味な嫌がらせ!!」」
「本当にごめん。ベルフラワー、ホワイトレースフラワー。君たちを今の今まで見なかった余が悪い。これからはシルと君たちの側で償いながら過ごしていくよ。」
「償いなんかいらない。2倍愛して。お父様!」
「そうよ!2倍愛して……ね!」
「「呼ばないのかよ!」」
覗きのおじさんはすごすごと帰っていったわ。ベルからは何故か睨まれたけどー。
屋敷に戻ったらお母様とアリーお姉さまは心配そうにジャックは顔に青筋立てて待っていてくれたわ。
ベルは私の手を繋いだままで頷いて話したの。
「もう大丈夫です。ありがとうございました。レースと寝るのはもう、終わりにする。でも、最後に今日はお母様と明日はアリーお姉さまと一緒に寝たい。」
「ええ。いいわよ。」
「喜んで!!」
お二人はとても嬉しそうに素敵な笑顔で答えてくれたわ。ジャックの…
「私は?」
という呟きはみんなに無視されていたわー。
その日の夜はお母様のベッドで三人で並んで寝たの。私が真ん中!って言ったのになしにされたのよー。
「お母様。私ね…」
「ええ。」
「ごめんなさい。貴女にしていたこと…許されることではないわ。ごめんなさい。シルクジャスミン。愚かな私を…許して。」
「許します。貴女は私の可愛い娘ベルフラワーですもの。でも、ちゃんと教育していきますからね。貴女は愛情を優先した。王族のなす事ではありません。」
「はい。お母様。」
「フフフ。レースね!お母様もベルもアリーお姉さまもみーんな大好き!!」
「レース。覗きのおじさんは辞めてあげなさい。」
「えーー。じゃあ別のにする!」
「「…ねちっこいわね」」
何にしようかなぁー。
このお話を書いていて私としては絶対にロデリアとアマリリスはマックスの子として転生させてやろうと思っていました!
絶対に三人にとって嫌だろうなぁと思って…。
でも、救いにもなったかと思います。
お付き合いいただきまして本当にありがとうございました。
感想も貰い。嬉しく、とても参考になりました。
作者の考えをそのまま書いた所もあれば、気づかされて変えた所もいっぱいあります!
書き上げる事ができて本当に良かったです。
ありがとうございました。
お体には皆様気をつけてご自愛下さいませ。




