50話:下村君の葬儀と遺産と家の利用方法
八王子近くの斎場で、下村の遺体を荼毘「だび」にふしてもらい吉沢さんと泉堂さんと宮入の3人で遺骨を骨壺に入れた。そこで事務所へ行き下村のクレジットカードで、かかった費用を精算してもらい領収書をもらった。
その後、泉堂さんと吉沢さんにも手伝ってもらった。病室の下村の遺品を探して大きな袋に詰め込んだ。その他の故人の備品類をまとめた。2時間後、病室の故人の品物を全部集めた。その後、宮入さんが自分の車に女性2人を乗せてホームセンターへ行った。
そして、大きな袋と段ボール箱を買った。病室に戻り、備品を全て詰め込み車のトランクに入れた。そして、世話になった先生や看護婦さんたちにお礼を言って病院を出た。車で、泉堂さんの家に送って八王子の宮入の自宅に帰り吉沢さんと別れた。
その後、軽く食事をして、朝早かったのでシャワーを浴びて、20時過ぎには、床に入り眠りについた。翌朝7時に起き、朝食後、宮入が、電話で、泉堂さんと吉沢さんに八王子の駅に10時に来てと連絡した。
10時に八王子駅で集合し、宮入の家に入り下村の残した書類を出した。すると、遺書と書いた便せんが見つかった。それを見ると、いままで、お世話にありがとう。特に、宮入と泉堂さんには、苦労をかけたと書いてあった。
私には、子供いないして、以前、妻もなくしているので天涯孤独である、そこで、残った財産を世話になった宮入と泉堂さんに半分ずつに分けて欲しいと書いてあった。そして、遺骨は、やっぱり、故郷、辰野の先祖と同じ墓地に埋葬していただきたい。
また、以前の実家は、売るなり、昔の仲間たちで使うなりして、うまく、やってくださいと書いてあった。遺産は、多いので、吉沢さんにも分けてあげてください。きっと心優しい宮入君だからうまくやってくれると信じてる。
宜しく頼みます。今まで、お世話になり本当にありがとうございましたと締めくくってあった。遺産を調べ始めると自宅の土地と建物権利書、H、N、MB、MS、MZ、SB、RT、RS銀行、8銀行の通帳があり、通帳を見ると総合計が8800万円あった。
その他、ある銀行にロッカーを借りていて金とダイヤモンドなどの宝石の総額1400万円。遺産総合計1億円余と分かった。これだけあれば、3等分しましょうと言うと、3人が了解した。とりあえず3等分して、吉沢さんと泉堂さんに3千万円を振り込むと宮入が言った。
その後、クレジットカードの引き下ろされるH銀行の残金と銀行のロッカーを借りて金とダイヤモンドなどの宝石を換金してくると宮入が話した。辰野の家の事も含めて、この考えで良いかなと宮入が、女性たちに言うと、お願いしますと言った。
その数日後の2017年3月28日、3人は辰野に向かい辰野の下村の友人達を集め辰野で斎場で葬式を行った。その後、下村の奥さんの眠る寺に埋葬してもらった。やがて4月となった。そこで、花見に出かけた。
昼過ぎから泉堂さんの家の近くの多摩センター駅近くの桜の名所、乞田川の桜並木に3人で行くと満開の桜が川風で桜吹雪になっていた。それを見て泉堂さんが、天国で、下村夫妻が再会し喜んでるかもねと言った。
それなら良いが、下村が女好きだから夫婦げんかをしてるかもよと、宮入が、笑いながら言った。どっちにしろ、下村が、病気の呪縛から逃れられて、安心しているのは、間違いない。本当の辛そうで可愛そうだったと振り返った。
この話を聞いて、吉沢さんが、宮入に、あなたも気をつけなさいよと言った。また、別れるのは、辛くなるからと言うと、泉堂さんが、縁起でもないこと言わないでよ。これから、3人でつき合っていくのだからと語った。
すると吉沢さんが、私も、彼氏が欲しいなと言った。それを聞いて、3人が、大笑いした。そして、じっくりと花見をして多くの写真を撮った。その後、17時、多摩センターの居酒屋に入って、ビールを飲んで、乾杯して、酒の肴と注文。
辰野の中学時代の話や恋の話など懐かしい話が、次々と出てきて、20時頃まで、盛り上がり続けた。そして、20時過ぎ、別れて、宮入と宮沢が、京王線で橋本で、横浜線に乗り換え、八王子駅前で別れた。




